厚みのある肉厚な葉とすっきりとしたフォルムがスタイリッシュなサンスベリア。
暑さと乾燥に強く、初心者でも失敗しにくい丈夫な植物です。そんなサンスベリアは、暖かい時期と寒い時期で育て方が微妙に異なります。
今回は、サンスベリアの育て方を時期別でくわしくご紹介します。また、基本の育て方とあわせて、失敗を防ぐコツまでを解説します。
空気清浄効果の高い「エコプランツ」としても高い人気を誇るサンスベリア。観葉植物としてサンスベリアを育てている人は、この記事をブックマークしておくと困った時に役立つよ!
サンスベリアの育て方【水やり】
サンスベリアの水やりは「土が乾いてからたっぷりと」が基本です。とはいえ、サンスベリアは時期によって微妙に水やりのタイミング、量を変えなくてはなりません。
本来、サンスベリアは暖かく乾燥した場所を好みます。
気温が著しく低下する日本の冬では生長が極端に鈍るため、暖かい時期と同じタイミングで水やりしていると根が腐ってしまうのです。
サンスベリアの水やり【春~秋、天気予報で最低気温が15度以上】
- 土が乾いたタイミングで鉢底から水が流れ出るくらいにたっぷりと水を与える
サンスベリアの水やり【冬、天気予報で最低気温が15度以下】
- 土が乾いてさらに3日~4日ほど経ってから土の約1/3が湿るくらいに常温の水を与える(夜間の水やりは根を冷やしやすいため避ける)
便利アイテムを使うことで、水やりによる失敗を防ぐ
土が乾いたタイミングを判断する目安が、
- 鉢を持ち上げて軽い(普段から水やり後の鉢の重さを把握しておくと◎)
- 土に指を2~3cm挿して湿気を感じない
などです。とはいえ、慣れないうちは土の乾き具合を判断するのはなかなか難しい作業ですね。そんな時にあると便利なのが「水やりチェッカー」です。
土に差しておくだけで土の乾き具合を測定。最適な水やりのタイミングを色でお知らせしてくれますよ。
春~秋(最低気温が15度以上) | チェッカーが白になったタイミングでたっぷりと水やり |
冬(最低気温が15度以下) | チェッカーが白になって、さらに3~4日してから土の約1/3が湿る程度に水やり |
あわせて読みたい「サンスベリアの水やり方法!時期によってタイミングと量を変える必要あり」
サンスベリアの育て方【置き場所】
サンスベリアは日当たりよく暖かな場所を好みます。耐陰性があるため室内の少ない光でも育てられる「観葉植物」として知られるサンスベリア。
とはいえ、日光不足が続くことで葉が細長くひょろひょろとした姿に育ちます。
耐えられる寒さは10度程度です。寒さが苦手なサンスベリアは20度以下になると徐々に生長が緩慢になります。
冬場はできるだけ暖かい場所に置き、最低でも10度はキープしましょう。
サンスベリア【春~秋、天気予報で最低気温が15度以上】
- 室内なら南~東向きの窓際。できるだけ明るく風通しのよい場所。
- 20度以上であれば屋外の半日陰に置くと生育が良くなる。真夏は葉焼けを起こしやすいため、直射日光を避ける(遮光ネットを使用するのも〇)。
サンスベリア【冬、天気予報で最低気温が15度以下】
- 室内の明るく風通しのよい場所に置く。夜になったら窓から離して冷え込みを防ぐ。
冬は夜になったら窓から1~2m離して冷え込みによる失敗を防ぐ
サンスベリアは寒さが苦手な植物です。冬は朝晩の冷え込みに注意。特に、暖房を切った後の窓際は想像以上に冷え込みます。
窓際に置いている場合、夜になったら窓から1~2m程離し、冷え込みを防ぐことで寒さからサンスベリアを守ることができます。
鉢が重くて移動が難しい場合、キャスター付きの鉢スタンドがあると便利です。
あわせて読みたい「サンスベリアの寒さ対策!3つのポイントを抑えて寒さを乗り切ろう」
サンスベリアの育て方【植え替え】
サンスベリアは生長とともに子株を増やします。そのため、何年も植え替えないままだと、鉢の中が株でぎゅうぎゅう詰めになり、鉢内の水はけが悪くなります。
すると、排水性が低下することで根が蒸れやすくなり、根腐れのリスクが高まります。
また、根詰まりを解消するためだけでなく、古くなった土を新しいものに交換するためにも、サンスベリアには2年に1回程度の植え替えが必要です。
あわせて読みたい「サンスベリア 植え替え方法とコツ【写真で解説】」
サンスベリア【春~秋、天気予報で最低気温が15度以上】
- 1~2年に1回、水はけの良い土に植え替える
- 鉢を大きくしたくない場合は株分けで鉢を2つに分けるのもよい
サンスベリア【冬、天気予報で最低気温が15度以下】
- 寒さによってダメージを受けやすいため植え替えは控える
2年に1回、植え替えで新しい土に更新してやることで根腐れによる失敗を防ぐ
「鉢底から根が出ていないし、鉢の中が子株でいっぱいにもなっていない。前回の植え替えから2年経っていはいるけど、植え替えなくても大丈夫だよね?」
根詰まりしていなければ植え替えは不要と考えている方も多いでしょう。
しかし、植え替えは根詰まりを解消するためだけにおこなうものではありません。土は経年により徐々に粒が崩れ、団子状に固まります。
すると、水はけが悪くなることで生長に悪影響を及ぼすようになるのですね。
団子状に固まって養分の無くなった土を更新するためにも、サンスベリアには2年に1回程度の植え替えが必要といえます。
あわせて読みたい「サンスベリアの株分け方法をくわしく解説します【増やす】」
サンスベリアの育て方【肥料】
サンスベリアは春~秋の暖かな時期に生長がさかんになります。そのため、肥料はこの時期に与えるのがよいでしょう。
適切に肥料を与えることでサンスベリアの生育が良くなり、葉の色つやの向上が期待できます。
肥料には「錠剤タイプ」「液体タイプ」「土に混ぜ込みタイプ」などさまざまなものがありますが、まずはご自身がもっとも使いやすいタイプのものから試してみてください。
サンスベリア【春~秋、天気予報で最低気温が15度以上】
- 液体タイプ(ハイポネックス等)…14に1回程度、水で約500倍に薄めたものを水やりと一緒に与える
1.水1リットルに対してキャップ約1/10を薄める
2.葉にかからないようにして与える
- 錠剤タイプ(プロミック等)…2か月に1回、土の表面に置くだけ(下写真)
土の表面に置くだけ。約2か月ごとに新しいものと交換する。
- 土に混ぜ込むタイプ(マグァンプk等)…植え替え時に土に混ぜ込むことで、効果が約1年持続する(下写真)
直径12cmの鉢の場合、小さじ1(5g)のマグァンプkを混ぜ込む
サンスベリア【冬、天気予報で最低気温が15度以下】
- 寒さによって生育が鈍るため肥料は控える➡不要な肥料は逆に根を傷める原因になることもあるため注意
元気がないからと安易に肥料を与えるのは要注意
「なんだか元気がないな。そうだ、肥料を与えてみよう!」
サンスベリアの元気がないとこのように栄養(=肥料)を与えたくなる方も多いでしょう。
とはいえ、元気がないときは根も弱っていることが多いです。そのような場合、安易に肥料を与えると逆に根を傷めてしまうことも。
まずは元気がない原因を探ることが大切です。
肥料を与える場合、「適期である(春から秋、20度以上)」「弱っていない」「根詰まりしていない」の3つの条件を満たしていることが必要となります。
弱っている場合は管理方法の見直しを。根詰まりしている場合は植え替え後、約1か月してから肥料を再開しましょう。
冬場の施肥は逆に根を傷めることもあるため避けよう。肥料と活力剤の違いについてはこちらの記事を読んでね。
あわせて読みたい「サンスベリアをまっすぐ伸ばすコツ3つとは?」
サンスベリアの育て方【つきやすい害虫】
サンスベリアは病害虫の被害を受けにくい植物です。ですが、ハダニの被害を受けることもあります。
ハダニが付くと吸汁によって葉が変色したり、排泄物によって葉がベタベタになります。
見栄えが悪くなるだけでなく、被害が拡がることで株自体を弱らせてしまうこともあります。また、ハダニの排泄物が「すす病」を引き起こすことも。
葉がべとついていたり、変色していたりする場合は要注意です。
害虫が付いたときの症状は?
- 葉がベタベタする
- 葉に白い綿のようなものが付着している
- 葉がまばらに変色する
上記のような症状がサンスベリアにみられる場合、カイガラムシが寄生している恐れがあります。
葉の表面や裏面、根元などに茶色の粒々や白い綿状のものが付いていないか確認してください。
早目の対処で被害を最小限に抑える
カイガラムシを発見した場合、綿棒やブラシなどで確実にこそげ落します。ピンセットで取り除くのもよいでしょう。
スプレーで水を吹きかけたくらいでは取れないことが多いです。なぜなら、カイガラムシは口針を植物に差し込むようにして寄生しているから。
足は退化していることが多く、ほとんど動きません。一見、単なる汚れと見過ごしてしまうことも多いでしょう。(下写真)
あわせて読みたい「サンスベリアが枯れる原因と対策を徹底解説します!」
まとめ
ということで、今回はサンスベリアの育て方をくわしくご紹介しました。
暑さと乾燥に強いサンスベリア。初心者でも失敗しにくい丈夫な植物ですが、一年をとおして気を付けることは「水のやり過ぎ」です。
特に、寒い時期に水をやり過ぎると根腐れを起こしやすい
厚みのある葉には沢山の水分を蓄えています。水やりは必要最低限に抑え、沢山の日光を当てて育てることで丈夫な株になります。
春から秋にかけては子株をどんどん増やします。鉢が葉でいっぱいになったら株分けして、家族にプレゼントするのもおすすめです。
空気清浄効果の高いサンスベリアは、喜ばれること間違いなしのインドアグリーンです。
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