「観葉植物の土の表面に、白いふわふわした物がある…」
観葉植物を育てていると、上記のような状態を目にすることがあります。この「白いふわふわ」の正体、実は「カビ」の可能性が高いです。
今回は、「観葉植物のカビ!原因と対策【土に白いふわふわ】」と題し、観葉植物にカビが発生する原因と対策を徹底解説します。
また、後半では、観葉植物の土にカビが生えた場合の対処法についても詳しくご紹介します。
観葉植物に生えたカビ【閲覧注意】
まずは、観葉植物の土表面に現れた白いふわふわをご覧ください。

観葉植物の土の表面に、なにやら白っぽいふわふわした物が見えます。これは、「カビ」です。栽培環境を見直す必要があります。
観葉植物に発生したカビを放置するとどうなる?
観葉植物に生えたカビ。そのまま放置しておくと、以下のようなトラブルに発展する可能性があります。
・観葉植物がカビによって枯れる可能性がある
・カビ胞子が室内に飛散することで、人への健康被害が懸念される(アレルギーによる痒みや咳、シックハウス症候群など)
・美観を損なう(単純に気持ち悪い)
・カビによって不快な臭いが生じる
観葉植物に生えたカビを放置した場合、上記のようなトラブルを招く可能性があります。
また、目に見えない程小さな胞子を飛ばして増殖するのがカビです。そのため、知らないうちに沢山のカビ胞子を吸い込み、健康被害を招くことも考えられます。
カビは人体に悪影響を及ぼすことも十分にありえますので、できるだけ早めの対処が望ましいです。
観葉植物にカビが発生する原因とは?【白いふわふわ】
では、なぜ観葉植物の土にカビが発生するのでしょうか?カビの原因として考えられるのは以下の4つの項目です。
観葉植物にカビが発生する原因①「水のやり過ぎ」
観葉植物への過度の水やりはカビの繁殖を招きます。植物が十分に水を吸収していない状態で、さらに水を与えている場合、カビの好む多湿状態に陥りやすいです。
また、受け皿に水が溜まったまま放置していると、湿った状態が持続してカビにとって好条件となります。
観葉植物にカビが発生する原因②「室内の湿度が高い」
観葉植物は室内で管理されることが多いです。そのため、日当たりや風通しが十分に確保しにくい環境となりがちです。
また、冬場は観葉植物の生育速度が落ちているため、水分も吸い上げにくくなっています。
結果、土の高湿状態が続いてカビの繁殖を促すと考えられます。
室内にはカビの養分となるホコリや小さなごみなども存在します。そして、植物のために与えている肥料までもがカビの栄養となるのです。
観葉植物にカビが発生する原因③「通気性が悪い」
観葉植物の土表面を隠しおしゃれに見せてくれる「マルチング」。
マルチングには、「ウッドトップ」「バークチップ」「化粧石(カラーストーン)」「ココヤシファイバー」などがあります。
どれも100均で手軽に購入できて、観葉植物をよりおしゃれに見せてくれるアイテムです。

しかし、マルチングにはデメリットも。それが、「水やりのタイミングが分かりくい」ということです。
土の表面を石やチップで覆うと、どうしても水やりのタイミングの基準となる「土表面の乾燥」が分かりにくくなります。
また、マルチング自体が水分を吸ってカビの原因につながることも。
そのため、観葉植物にマルチングを使用している場合、「通気性の確保」や「水やりのタイミング」などに十分に気を配る必要があります。
また、鉢植えがプラスチック製の場合は通気性に欠けるため、どうしても多湿状態になりやすいです。
観葉植物にカビが発生する原因④「肥料の遣りすぎ」
もうひとつカビの原因として考えられるのが「肥料の遣りすぎ」です。植物の吸収量を超える肥料を与えると、カビの餌になってしまうことも。
特に、冬場は植物の休眠期となる場合がほとんどなため、肥料を与えない方が良いでしょう。肥料のタイミングを間違えると、カビの発生を招きやすいです。
あわせて読みたい「観葉植物のコバエ対策 効果的な方法とは?【徹底解説】」はこちら
観葉植物にカビが発生する条件とは?
では、具体的に観葉植物の土表面にカビが生えるのは、どのような条件下なのでしょうか。
観葉植物にカビが発生する条件①「室内が暖かい」
カビが元気に活動する温度は20度~40度です。つまり、ほぼ一年中カビ発生の可能性があります。
観葉植物にカビが発生する条件②「湿度が高い」
カビが好むのは湿度の高い環境です。時期でいうと、「梅雨」や冬場の「結露」が湿度の高い環境となります。
観葉植物にカビが発生する条件③「風通しが悪い」
風通しが悪いということは、空気の循環がよくないということです。カビの好む高湿状態になりやすいのが、気密性の高い室内ということなります。
観葉植物のカビを防ぐための予防法5つ【いますぐできるカビ対策】
それでは、具体的に観葉植物のカビを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは5つの対策をご紹介します。
観葉植物のカビを防ぐための予防法①「土が完全に乾いてから水やりをする」
土が完全に乾いた目安は、「土の水気がない」「鉢を持ち上げたときに軽い」「鉢底から見ても土が乾いている」「土の色」などです。
植物の種類によっても異なりますが、土の表面が乾いて2~3日してから水やりするといいでしょう。
水やりは鉢底から水が流れ出てくるまでたっぷりと与えましょう。
水をたっぷりと与える理由は、「余分なガスの排出」「古い空気を出す」などの目的があります。
水やりの失敗による根腐れを防ぐ便利アイテムも
「できるだけ清潔に植物を育てたい」「水やりのタイミングが分からず枯らしてしまうことが多い」
このような場合、土に挿すだけで色で水やりのタイミングを教えてくれるアイテムがあります。水やりチェッカーです。
スティック状のチェッカーを土に挿すだけなのでとっても簡単。水のやりすぎを防いで、植物を清潔に、丈夫に育てられますよ。

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観葉植物のカビを防ぐための予防法②「肥料はベストタイミングで与える(基本的に冬場は控える)」
過度な肥料はカビの原因につながります。肥料は季節によって適切な与え方があります。
春は、固形肥料であれば2か月に1回程度、液体肥料であれば2週間に1回程度が目安となります。
植物の生長期である夏~秋にかけては、様子をみながら液肥を2週間に1~2回程度与えるのが目安です。
冬場は基本、肥料は不要
そして、冬場は植物の休眠期となります。
そのため、基本的に冬は肥料を控えるといいでしょう。
ただ、肥料のタイミングは植物の種類によっても異なります。その植物に適したタイミングで肥料を与えましょう。
観葉植物のカビを防ぐための予防法③「用土・マルチングを見直す」
ウッドチップや化粧石などのマルチングは観葉植物をよりおしゃれに演出してくれます。
しかし、やはり土表面を覆うため水やりのタイミングを誤ったり、鉢の湿気がこもりやすくなりやすいです。

マルチングをなるべく通気性の良いものに変えるか(化粧石からココヤシファイバーなど)、水やりする際にマルチングをめくって土の状態をしっかりと確認するなどの気遣いが必要となります。
また、通気性の良い用土に変えるのも効果的でしょう。
ちなみに、「赤玉土と腐葉土を7:3の比率で作った土」は、ほとんどの観葉植物に対応できる土だそうです。
観葉植物のカビを防ぐための予防法④「風通しのよい場所で管理する」
水遣りをした後、土を長い時間湿ったままにしておくと、カビだけではなく根腐れの原因にもつながります。
ただ、真夏や冬場はどうしても窓を閉め切りがちですよね。そんなときは、扇風機で弱めの風を当てるのもおすすめです。
あわせて読みたい「観葉植物にきのこが生える原因と対処法【予防策まで解説】」はこちら
観葉植物のカビを防ぐための予防法⑤「通気性の良い鉢植えにする」
プラスチック鉢で管理している場合、どうしても通気性に劣ります。
安価で軽量のプラスチック鉢はハンギングには適していますが、どうしても鉢内部の温度も上がりやすいです。
タイミングをみて、素焼きの鉢植えに植え替えるのもカビを防ぐには効果的でしょう。素焼き鉢は、プラスチック鉢に比べて鉢内部の温度が上がりにくいです。
また、素焼き鉢は排水性に優れ、加湿による根腐れも防いでくれます。ただ、素焼き鉢自体が水分を含むため、鉢自体にカビが生じやすいというデメリットもあります。

あわせて読みたい「素焼き鉢のカビ!取り方とカビ対策【徹底解説します】」はこちら
観葉植物にカビが生えた時の対処法
では、観葉植物にカビが生えた場合にできる対処法をいくつかご紹介します。
注)カビを対処する際は、胞子が室内に飛散する恐れがあるため、外でおこなうのが望ましいです。
観葉植物にカビが生えた時の対処法①「カビを取り除く」
カビの生えた箇所の土を割りばしやピンセット、ビニール袋などで取り除きます。取り除いた分、必要であれば新しい土を加えます。
新しい土は水はけのよい清潔な土を使用しましょう。
※湿気がこもっている状態であることがほとんどなので、しばらくは乾燥気味に管理するのがおすすめ。

室内向けの土がおすすめ
「できるだけ清潔に植物を育てたい」「虫が苦手」「できるだけカビやきのこが生えにくくしたい」
このような場合におすすめなのが、プロトリーフさんの室内向けの用土です。この土はコバエやカビの原因となる堆肥(たいひ)が使用されていません。
そのため、室内でも清潔に植物が育てられます。緩効性肥料も入っているので管理もらくちんです。

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観葉植物にカビが生えた時の対処法②「アルコール消毒」
カビの生えた部分の用土を取り出し、アルコールを吹き付けて消毒します。その後、十分に乾燥させてから土を戻します。

「そんなの面倒…」という場合は、直接カビに消毒スプレーを拭き替えるのも良いそう。その際は、チラシや新聞紙で観葉植物をカバーし、消毒液がかからないよう注意します。
定期的に風を当ててあげるのが効果的
冬場の湿気がこもりやすい時期は特にカビが繁殖しやすいです。扇風機やサーキュレーターを使用し、できるだけ意識的に室内の空気を動かしましょう。
風はなるべく直接植物に当たらないようにするのがベスト。なるべく遠くからふんわりと当てるとよいですよ。
どうしても熱と水分がこもりやすい冬場。定期的に風通しをよくすることで、冬場に頻発していたカビを抑えられます。

あわせて読みたい「サーキュレーターと扇風機の違い【植物に適しているのは?】」はこちら
まとめ
今回は、観葉植物の土にカビが生える原因と対策についてくわしくご紹介しました。
「見た目さえ我慢していれば」と思いがちですが、観葉植物にカビが生えた場合、植物への影響だけではなく人体への悪影響も十分に考えられます。
被害を拡げないためにも、観葉植物に生えたカビは早めに対処することをおすすめします。また、カビを防ぐには環境やお手入れ方法の見直しも必要です。
植物にとって快適な環境を整えることは、人にとっても過ごしやすい空間になります。今回の記事を参考に、観葉植物の管理方法を見直してみてくださいね。
観葉植物にカビが生える原因と予防法
①湿度・室温が高い→鉢植えを素焼きに変えるorマルチング・土の見直し
②風通しが悪い→置き場所を変えるor扇風機を活用
③水を遣りすぎている→土が完全に乾いて2~3日してから水やり
④肥料過多→適切なタイミングでおこなう、基本的には冬の肥料は必要ない
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