葉の色がとっても美しいカラーリーフ「シンゴニウム」。
白やピンク、クリーム色やライムグリーンなど、品種が豊富なシンゴニウムは、ポトスやモンステラなどと同じサトイモ科の観葉植物です。
春から秋の暖かい時期には非常によく育ち、少々水をやり過ぎても問題なく育ってくれるため、初心者でもとっても育てやすい植物のひとつ。
今回は、そんなシンゴニウムの元気がない時に考えられる原因と対処法をくわしくご紹介します。
シンゴニウムの元気がない原因は?気温が下がり始める秋は要注意
ひとことで「元気がない」と言っても、その症状はさまざま。今回は、シンゴニウムの元気がない時によく見られる症状別でくわしく見ていきましょう。
シンゴニウムの元気がない ケース①しおれる
▲過度の乾燥でしおれている。この場合、水やりして半日ほどで復活する。ただし、強光によって葉焼けした部位は元に戻らない。
シンゴニウムの葉がしおれて元気がないという場合、まずはしおれている時期を確認します。
春から秋の暖かい時期(目安は20度以上)にしおれている場合、水切れにより乾燥している可能性があります。
土の表面が乾いているなら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えて様子をみましょう。
シンゴニウムは観葉植物の中で比較的水を好みます。春から秋の暖かい時期は、土の表面が乾いたタイミングでたっぷりと水やりしましょう。
とはいえ、土の表面が乾ききらないうちに次から次へと水やりしていると、根が呼吸できずに傷んでしまうことも。
注意が必要なのは5日以上土が湿ったままになっている場合です。鉢内の蒸れにより根腐れを起こしている可能性があります。
水やりはしばらく控え、できるだけ風通しのよい半日陰で様子をみます。株元がすでに柔らかくなっている(=腐敗が進行している)場合、残念ですが復活は難しいでしょう。
まだ柔らかくなっていない茎があればカットし、水差しで発根させることもできます。
▲葉と軸部分をつないでいるのは「葉柄(ようへい)」で茎ではありません。水差しにして発根させる場合、根元近くの茎をカットする必要があります。その際、節を1~2つ取ってください。
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15度以下なら土が乾いてさらに2~3日ほどしてから水やり
シンゴニウムは暖かい熱帯地方が原産の植物です。生育適温は20度以上。
20度以下になると徐々に生長が鈍り、15度になると生長がほぼ止まる休眠期に入ります。
生長が鈍ると同時に弱まるのが、「根が水分を吸う力」です。
20度以下になってきたら少しずつ水やりの間隔を空けましょう。15度以下になったら土が乾いてさらに2~3日してから常温の水を土全体が湿る程度に与えます。
ただし、葉がしおれている場合は、土が乾いていることを確認してから水を与えて様子を見ます。暖かい時期に比べると葉にハリが戻るのに時間を要するはずです。
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シンゴニウムの元気がない ケース②葉が茶色くなる
シンゴニウムの葉が茶色くなる場合、春から秋の暖かい時期であれば葉焼けを疑います。特に気を付けたいのが夏場の西日です。
午後からの強烈な直射日光により、葉の一部が茶色く焼け焦げることがあります。
また、葉先が茶色く枯れる場合は根詰まりしていないか鉢底を確認してみてください。
鉢から根がはみ出ているなら暖かい時期にひとまわり(直径プラス3cmほど)大きめの鉢に植え替えます。
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急激な環境の変化で葉が傷みやすい
「直射日光に当てた覚えはないのに葉が茶色く枯れるのはなぜ?」
このような場合、急激な環境の変化も原因のひとつとして考えられます。たとえば、寒い場所から暖かい場所へ移動させた場合もそうです。
植物は急激な環境の変化に弱いため、移動させる場合は少しずつ時間をかけておこないます。それがたとえ、寒い場所から暖かい場所へ…でもです。
また、葉水後に風通しの悪い場所に置き続けていると葉が蒸れて傷むこともあります。
シンゴニウムの美しい葉を保ち、根腐れと害虫を防ぐためにも、窓を閉め切る真夏や真冬はサーキュレーターをまわして、室内に空気の流れを作ることが大切です。
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シンゴニウムの元気がない ケース③ひょろひょろ
葉と茎部分をつなぐ柄のような部分を「葉柄(ようへい)」といいます。
この葉柄部分がひょろひょろと伸びたり、葉と葉の間隔が空いて間延びしたりする場合、光線不足による徒長を起こしている可能性大です。(下写真)
すでにひょろひょろになった部分を元に戻すことはできません。適期に切り戻して樹形を整えます。
徒長を防ぐためには、室内なら南向きの窓際、屋外(20度以上)なら日陰~半日陰へ置くのがおすすめです。
ちなみに、日光は窓を通すことで約30%遮光されるといわれています。そこにレースカーテンを引くとかなりの日光が遮られることになりますね。
個人的には、葉焼けしない程度の日光であれば、レースカーテンは不要と考えます。ただ、夏場は西日で葉焼けする可能性もあるのでその都度、調整してください。
太陽光に近い光を放つ植物育成ライトで生長をサポート
南向き以外のお部屋の場合、どうしても日照不足に陥りがちです。そんな時に便利なのが植物育成ライトです。
太陽光に近い光を放つ植物育成ライトを使うことで、日照不足を補い生育を助けてくれます。
ただ、植物が光合成するためには「日光」「水」の他に「風」が必要です。根腐れや病害虫を防ぐためにも、風通しのよい場所に置くことも忘れずに。
窓を閉め切る時期は、扇風機やサーキュレーターを使いましょう。
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シンゴニウムの元気がない ケース④葉が開かない
15度以下になると生長が緩慢になり、くるくると巻いたドリル状の新芽が開かないまま停滞することが多いです。
この時期は、生長よりも現状維持&枯らさないことに集中しましょう。
また、暖かいにも関わらず葉が開かなかったり、葉が小さくなったりする場合は、鉢底をチェックし根詰まりしていないかも確認してみてください。
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水やりチェッカーで管理を楽にし、根腐れも防ぐ!
外に出て、「肌寒い…」「カーディガンが欲しい…」と感じるようになれば、観葉植物も同じように感じている場合が多いです。
特にシンゴニウムは寒さがとっても苦手。秋~冬にかけては乾かし気味に管理し、樹液濃度を高めて寒さに備えます。
「水やりのタイミングがいまいち分からない」「土の乾き具合をいちいち確認するのは面倒」「できるだけ枯らしたくない!」
このような場合は、水やりチェッカーを使うと管理が楽になるだけでなく、水のやり忘れややり過ぎを防いでくれますよ。
▲土の乾き具合が一目瞭然
春~秋(20度以上) | チェッカーが「白」になったタイミングでたっぷりと水やり |
秋~冬(15度以下) | チェッカーが「白」になってさらに2日~3日ほどしてから常温の水を暖かい時間帯に与える |
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まとめ
今回は、シンゴニウムの元気がない原因と対処法についてくわしくご紹介しました。
シンゴニウムが体調を崩しがちなのが気温が下がる秋口です。この時期は、ついつい暖かい時期と同じ感覚で水やりをしがち。
比較的水を好むシンゴニウムでも、土が長く湿り続けることで根が傷んで根腐れを起こす原因になります。(下写真)
この場合、すでに根が黒く腐ってしまえば復活は難しいです。しかし、茎がまだ硬いならカットし、水差しで発根できる可能性も残されています。
また、直射日光が苦手で水が好きなシンゴニウムはハイドロカルチャーで育てるのもおすすめです。
▲室内でも清潔に管理できるハイドロカルチャーはシンゴニウムにもおすすめの栽培方法
ハイドロカルチャーなら土を使わないため、室内でも清潔にシンゴニウムを管理することができますよ。
ただ、株を大きく充実させたいのであればやはり土が適しています。
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