「ガジュマルを挿し木で増やしたい。でもイマイチやり方が分からない」
「今あるガジュマルをもう一つ増やしたい」
「ガジュマルの挿し木を徹底的に分かりやすく解説してほしい」
丈夫で育てやすく、「多幸の木」としても知られる縁起の良い観葉植物「ガジュマル」。
今回は、初心者でも簡単!ガジュマルの挿し木のやり方を分かりやすく解説します!
- ガジュマルの挿し木の方法を分かりやすく解説します【初心者でも簡単!】
- ガジュマルの挿し木がなかなか太くならないときの対処法は?
- 挿し木に適した土って、どんな土?
- ガジュマルの挿し木 どんなふうに育っていくの?【経過レポート】
- ガジュマルを挿し木で育てる魅力とは?
- まとめ
ガジュマルの挿し木の方法を分かりやすく解説します【初心者でも簡単!】
それでは、さっそくガジュマルを挿し木で増やしましょう。とっても簡単なのでご安心くださいね。
ガジュマルの挿し木 手順①「適期は4月~6月頃」
ガジュマルの挿し木に適しているのは生長期初期に当たる春先の4月~6月頃。
この時期は生長が旺盛になる時期です。そのため、この時期に挿し木することで、失敗しにくくなります。
「適期におこなう」ことは、挿し木を成功させるもっとも大切なポイントです。
ガジュマルの挿し木は「梅雨挿し」がおすすめ!
「梅雨挿し」という言葉をご存じですか?
植物を挿し木で増やす場合、暖かく湿気が一定に保たれた環境が成功させるポイントです。
つまり、梅雨時期は挿し木に適したな時期といえます。そのため、「梅雨挿し」とよばれているのです。
ガジュマルの挿し木 手順②「3~4節ある枝をカット」
元気なガジュマルから、伸びすぎている枝をカットします。発根しやすいのは、「太くて丈夫そうな枝」です。
そして、葉が付いている場所が節です。この節が3~4つになるよう枝をカットし挿し穂とします。
挿し穂の断面から流れてくる白い樹液は、水でサッと流します。
あわせて読みたい「切り戻しでガジュマルの樹形を整える方法を分かりやすく解説」はこちら
ガジュマルの白い樹液に気を付けて
ガジュマルは、葉や枝、茎をカットすると断面から白い樹液が滲み出てきます。(下写真)
この樹液は「ラテックス」というゴムの原料となる成分を含みます。
そして、この樹液に、素手で触れないように気を付けてください。理由は、皮膚がかぶれることがあるからです。
ガジュマルの挿し木・剪定をする際には手袋をつけて作業しましょう。もし、付着した場合はすぐに水で洗い流しましょう。
ガジュマルの挿し木 手順③「下葉をカット」
土に挿す際に邪魔になる下葉はカットしておきます。(上写真)
また、葉が付いたままでは土の中で腐る可能性もあるため、事前に取り除いておきます。
ガジュマルは葉の断面からも、白い樹液が出てくるので気を付けてください。
そして、切り口は水分がより多く吸えるように斜めにカットしておきます。
葉が多い場合は調整を
また、葉が大きいと感じる場合、面積を少し減らすため葉を半分くらいにカットしてもよいです。
上写真は調整前の挿し穂です。
このままでは葉が多すぎるため、土に挿す際に邪魔な下の葉を取り除き、面積の広すぎる葉は半分くらいにカットしています。(下写真)
植物は「蒸散」といって、葉からも水分を蒸発させます。
そのため、根っこを失い、水分が不足しやすい挿し穂にとって、葉が多すぎると大きな負担になるのです。
乾燥による失敗を防ぐためにも、葉が多い場合は調整します。
ガジュマルの挿し木 手順④「1時間程吸水させる」
根っこを失った挿し穂は水分を吸い上げる力が衰えています。そのため、発根までの水分をここで少しでも蓄えておきましょう。
切り口の断面は斜めにカットします。断面の面積を広くとることでより効率的に吸水させることができます。
断面は潰れてしまうとうまく水分を吸いえません。清潔で切れ味のよいハサミを使ってカットします。
ガジュマルの挿し木 手順⑤「鉢と土を用意」
次に、挿し穂を挿すための鉢と土を用意します。
挿し木に適した鉢
鉢の材質はプラスチックでも素焼きでも構いませんが、大事なのはサイズです。大きすぎると水分が長く停滞するため腐敗につながりやすいです。
挿し穂の本数やサイズに見合った鉢or容器を用意しましょう。
ガジュマルの挿し木 手順⑥「土にたっぷり水を与える」
挿し木する前に、鉢に入れた土にたっぷりと水を与えましょう。鉢底から流れてくる水の色が透明になるまでが理想です。
このようにすることで、土の汚れや粉塵を事前に排出させられ、水やりの度に受け皿が汚れるというストレスを減らせます。
ガジュマルの挿し木 手順⑦「穴を空けて枝を挿す」
湿らせた土に割りばしやピンセットなどで事前に穴を空けます。
このようにすることで、挿し穂を土に差す際に折れたり傷むのを避けます。
発根促進剤を使うと成功しやすい
「発根促進剤」を使用し、挿し木すると発根しやすいです。
商品名では、「メネデール」や「ルートン」などが、ホームセンターや園芸店、ネットに多く出回っていますよ。
もし、「なるべく失敗したくない…」「とにかく不安…」ということであれば、発根促進剤を活用するのもおすすめです。
ガジュマルの挿し木 手順⑧「たっぷり水やり」
最後に、たっぷり水を与えて挿し木、作業完了です!(おつかれさまです)
あとは、直射日光を避け、風通しのよい場所で管理します。うまくいけば1か月くらいで発根するでしょう。
ガジュマルの挿し木 手順⑨「乾燥させないように気を付ける」
発根が確認できるまでは、過度の乾燥に気を付けてください。
土が乾いていたら少し湿らせる程度に水を与えます。また、葉も乾燥しやすいのでこまめに葉水(はみず)して潤します。
発根が確認できたら通常の管理に戻しましょう。
ガジュマルの水やりは「土が乾いてから、たっぷりと」です。
発根したか?してないか?の確認方法
- 挿し穂に触って抵抗を感じる(グラグラ感がない)
- 新しい葉が出始める
☆★ガジュマルに直射日光を当てても大丈夫?最適な置き場所↓↓
ガジュマルの挿し木がなかなか太くならないときの対処法は?
▲ガジュマルの挿し木(約3年目)。幹の気根が少し増えて太く見える。
挿し木のガジュマルは太くならない?
▲挿し木のガジュマル(3年目)
挿し木で増やしたガジュマルは実生(種から育てた株)に比べると太くなりにくいですが、太くならないわけじゃありません。
十分な日光と風通しに当てることで根を肥大化させ、気根を増やすことができます。
挿し木のガジュマルを太くする方法
▲はじめはやや深めに植え付ける
▲1~2年ほど経ったら鉢から取り出し、やや浅めに植え付ける
春から秋の暖かい時期は屋外で管理すること。植物は適度な風に晒されることで組織を増強し、柔軟性を維持するために追加の細胞を生成する。窓を閉め切った室内に置きっぱなしじゃ、どうしても弱々しい姿になりがち…。
☆★ガジュマルを太くする方法!太らせたいなら春~秋のお手入れが重要↓↓
挿し木に適した土って、どんな土?
挿し木に使う土は、以下3つの条件をすべて満たしている必要があります。
挿し木に適した土の条件
- 「清潔である(使いまわしじゃない)」
- 「排水性に優れる」
- 「養分を含まない」
これら3つの条件をクリアした土が挿し木に適した土です。
市販の「種蒔き・挿し木用の土」でok。なければ、「赤玉土(小粒)」「バーミキュライト」「鹿沼土(小粒)」「川砂」でも大丈夫。
ガジュマルの挿し木 どんなふうに育っていくの?【経過レポート】
次に、筆者が実際に育てているガジュマルの挿し木の経過を随時更新します。
失敗・成功含めすべて晒しますので、ぜひ、ご参考にされてください。
ガジュマルの挿し木を実施【2020/6/5】
まずは、挿し木にする前のガジュマルです。
上写真の徒長しまくっているガジュマルから枝をとり、挿し木にして仕立て直します。
この株の場合、ひょろりと伸びた枝が1本しかありません。つまり、丸坊主ですね。思い切って切り落としましょう。
あわせて読みたい「ガジュマルが徒長(とちょう)する原因と対処方法を解説!」はこちら
切り落とした枝は、数時間水に浸けて吸水させます。その後、土に挿して半日陰で管理です。
☆★ガジュマル剪定 丸坊主に挑戦レポ!剪定から1年後までの記録↓↓
ガジュマルの挿し木【2021/4】
切り落としたガジュマルの枝で挿し木にしてから約一年経ちました。
無事、生長しているでしょうか?
すくすくと育っています。ただ、ガジュマルの魅力である太い幹はありません。
ここから気長に幹も太らせていけたらと考えています。1か月程前に伸びすぎた枝を剪定したため、新しい黄緑の葉が展開していますね。
もちろん、丸坊主にした親株も順調に育っています。(下写真)
こちらは以前の面影はありませんね。丸坊主で樹形がかなり整いました。
☆★ガジュマルの植え替え時期は?【植え替え方法と管理のコツ】↓↓
ガジュマルの挿し木から一年3か月、植え替え【2021/7/11】
かなり根っこが張って根詰まり気味になり、葉の色が悪くなってきました。
今のうちに植え替えておくことにします。
根っこがぐるぐると渦を作っています。ある程度、根鉢を崩してひとまわり大きい鉢に植え替えましょう。
それにしても、ひょろひょろだった枝は少しずつですが太くなってきました。気根も結構出てます。よかった。
受け皿も同じ色味でないと恰好悪いですね。次回、ホームセンターに行ったら買います。
少し込み合っている枝をカットしています。
土はプロトリーフさんの室内用の土。この土はコバエやキノコの原因となる堆肥が含まれていないから虫が湧きにくいよ。
この土に、オルトランとマグアンプを混ぜ込み植え付けています。
これまで葉水は1日2回くらい。気づいたときに(というか、ベランダ出るたびに)シュッシュしてました。
その甲斐あってか、幹から気根が少し出ていますね。
夏越ししたガジュマルの挿し木【2021/9/15】
暑い夏をベランダで越しました。ほぼ直射日光に当てて育てていますが、葉焼けもなく育っています。
根元あたりが少し太くなった気がします。
2週間に1回程、ハイポネックスを薄めて水やりと一緒に与えています。プロトリーフさんの土もいい感じです。
虫が湧きにくい土なので、寒くなったらこのまま室内へ移動できるよ。冬までにもうひと生長してくれるはず。
☆★虫がわかない土のおすすめは?清潔に観葉植物を楽しむなら土選びが超重要↓↓
ガジュマルを挿し木で育てる魅力とは?
「ガジュマルは挿し木で簡単に増やせるのは分かった。でも、なんか見た目が物足りない…」
ガジュマルの挿し木をして成功したものの、こんな風に思うかもしれません。
そこで最後に、挿し木で育てたガジュマルの魅力を個人的見解でご紹介します。
挿し木のガジュマル 魅力①「色々、試せる」
挿し木のガジュマルはどうしても幹が細いです。ただ、何といってもガジュマルの魅力はユニークな太い幹ですね。
「どうやったら幹が太くなるのかな?」
「どうしたら葉にもっとボリューム出るのだろうか?」
「盆栽仕立てにしてみるか?」
こんなことを考えつつガジュマルを育てられるのも意外と楽しいよ(#^.^#)
挿し木のガジュマル 特徴②「自分好みに仕立てられる」
市販のガジュマルはすでに幹が太く面白い形をしていますよね。
ただ、「自分好みに仕立てたい」なら、幹が細いうちから試行錯誤するのも楽しみになります。
ある年は幹を太らせることに重きをおいてみたり…ある年からは気根を目立たせてみたり…盆栽鉢で仕立ててみたり…。
挿し木のガジュマルは幹が細いうちから色々と試しながら育てられるため、それらが可能。
挿し木のガジュマル 特徴③「大きくなる過程を楽しめる」
挿し木のガジュマルは、見た目がガジュマルとは分からない程とにかく頼りない。
しかし、ガジュマルは何といっても生育旺盛!
大きくなるのは想像している以上に早いことが多いです。
まるで、小さかった子供が大きく立派になっていく過程を見ているよう…。
生長してく過程を見られるのもガジュマルを挿し木で育てる魅力!
まとめ
今回はガジュマルを挿し木で増やす方法をくわしくご紹介しました。
色々と書いてしまいましたが、基本、「暖かくなってきたら枝を切って土に挿す」だけで成功することが多いのがガジュマル!
みなさんも、ぜひ試してみてくださいね。
ガジュマルの挿し木【手順】
- 適期は4月~6月頃
- 3~4節ある枝をカット
- 下葉をカット
- 1時間程吸水させる
- 鉢と土を用意
- 土にたっぷり水を与える
- 穴を空けて枝を挿す
- たっぷり水やり
- 発根するまでは乾燥に気を付ける
ガジュマルの挿し木を育てる魅力とは?【3つ】
- 色々、試せる
- 自分好みに仕立てられる
- 生長する過程を楽しめる
ガジュマルのその他topics
「ガジュマル 冬の育て方のコツ5つを徹底解説します!」はこちら
「ガジュマルを盆栽風にする簡単な方法を解説します!」はこちら
「ガジュマル 元気がないときの原因と対処方法【多幸の木】」はこちら