ふんわりとしたフォルムの小ぶりな葉が癒し系のワイヤープランツ。風で揺れる優し気な葉がハンギングにもぴったりのインドアグリーンです。
針金のような細い茎が特徴のワイヤープランツは、暖かい時期と寒い冬とで管理方法が微妙に異なります。
そこで今回は、ワイヤープランツの冬の育て方についてくわしくご紹介しましょう。
ワイヤープランツは冬に枯れる?寒さに強い?

結論からいうと、ワイヤープランツは寒さに比較的強い植物です。関東以南の地域なら、屋外でも問題なく冬越しできます。
① 寒さに比較的強く、屋外でも越冬できる
ワイヤープランツは見た目の繊細さに反して、0℃前後の寒さにも耐えられる丈夫な植物です。
特に地植えしている場合は、根がしっかり張ることで寒さへの耐性が高まります。
関東~九州などの地域では、基本的に防寒なしでも冬越し可能。葉が多少落ちても、春になると再び新芽が出てきます。
② 寒冷地では地上部が枯れても根は生きていることが多い
北海道や東北などの寒冷地では、厳冬期に地上部が一度枯れ込むことがあります。
しかし、根が凍っていなければ春に新芽が出るケースが多いです。
見た目が完全に枯れたようでも、春まで抜かずにそのまま様子を見るのがおすすめ。
③ 室内では乾燥と徒長に注意
室内で冬を過ごす場合、暖房の影響で空気が乾燥しやすくなります。
乾燥が進むと、葉がチリチリに縮れて見た目が悪くなることも。
加湿器を使ったり、時々霧吹きで葉に水を与えることで対策できます。
また、室内では日照不足で茎がひょろひょろと伸びやすい(徒長)ため、できるだけ明るい窓辺に置くのが理想です。
▶ワイヤープランツは室内だと枯れる?失敗を防ぐコツは水やりと置き場所
ワイヤープランツが冬に枯れる理由

ワイヤープランツ」の葉が冬に落ちる理由には、いくつかの要因があります。以下にその主な理由を説明します。
寒さによるダメージ
冬季に室内の温度が低くなると、ストレスを感じて葉を落とすことがあります。
特に、夜間の温度が低くなると葉が落ちやすいです。
室温を一定に保つために、暖房を使用したり、植物を窓際から離して冷気を避けることが寒さ対策になります。
日照不足
冬は日照時間が短くなり、室内に入る光の量も減少します。
ワイヤープランツは明るい場所を好むため、日照不足になると光合成が十分に行われず、葉を落とすことがあります。
可能であれば、南向きの窓際に置いたり、植物育成ライトを使用するのが良いでしょう。

空気の乾燥、エアコンが直接当たった

冬季は暖房を使用するため、室内の空気がどうしても乾燥しがちです。
ワイヤープランツの葉が薄く繊細なため、乾燥した空気は大きなストレスとなり、葉が落ちる原因になります。
エアコンの風が直接当たる場所に飾るのは厳禁です。
自然な生理現象によるもの
ワイヤープランツに限らず、多くの観葉植物は季節の変わり目に一部の葉を落とすことがあります。
これは新しい葉を成長させるための自然な生理現象です。
特に古い葉が落ちる場合は、新しい成長を促すためのものであり、過度に心配する必要はありません。
ワイヤープランツの冬越しのコツ

ワイヤープランツは暑さ、寒さともに比較的強く丈夫な植物です。耐えられる寒さはマイナス5度程度まで。地域によっては屋外で冬越しすることも可能でしょう。
冬のワイヤープランツ・水やり

冬のワイヤープランツは生育が緩慢になっています。そのため、暖かい時期と比べて根が水分を吸い上げる力も弱まっています。
冬の水やりは土の表面が乾いてさらに2~3日ほどしてからおこないましょう。水やり後は根腐れや害虫を防ぐためにも、受け皿に溜まった水はこまめに捨てます。
ワイヤープランツは葉が薄く繊細なため、土が乾燥しすぎると葉がしおれやすいので注意してください。

※ちなみに、水やりチェッカーがあると管理が楽になりおすすめです。スティック状のチェッカーを土に差しておくだけで土の乾き具合を測定し、最適な水やりのタイミングを色で知ることができます。(下画像)

ワイヤープランツは空気が乾燥すると葉が傷みやすい

また、ワイヤープランツの葉は空気の乾燥でカラカラに傷みやすいです。特に冬は、暖房によって室内の空気はどうしても乾燥します。
冬は夜間を避けた暖かい時間帯に、株全体に水分を吹きかける「葉水(はみず)」をすることで、葉が乾燥で傷むのを防ぎましょう。
スプレー容器は微細ミストが噴射できるタイプのものがあると便利です。水滴が細かいと葉に付着した水分が床に垂れにくくなります。
室内で観葉植物を多く育てている方はひとつ持っておくと便利です
冬のワイヤープランツ・置き場所
マイナス5度程度までは耐えられるほど寒さに強いワイヤープランツ。地域によっては屋外で冬越しすることもできます。
室内なら日当たりよく風通しのよい場所がよいでしょう。南~東向きの窓際がおすすめです。
とはいえ、冬の窓際は昼間は暖かくても朝晩に冷え込みがち。夜になったら窓から1~2m離してやると安心です。

エアコンや暖房器具の温風が直接当たらない場所を選ぼう
ただし、気を付けたいのがエアコンや暖房器具の温風です。
暖房器具の温風が直接ワイヤープランツに当たると、葉が乾燥によってカラカラに傷みます。
葉がカラカラにしおれたり、パラパラと落葉するようであれば、温湿度計を置いて湿度チェックをしてみましょう。最低でも40%以上の湿度を保てるのが理想です。
デジタルの温湿度計があると便利!
| 温度 | 湿度 | |
| 人が快適と感じる環境の目安 | 18度~27度程度 | 40%~60%程度 |
| ワイヤープランツに適した環境の目安 | 極端な暑さや寒さを避けた場所、寒暖の差が少ない場所(15度~30度くらい) | 理想は70%以上。葉水をメインに加湿器でサポートするのがよい。エアコンの風が直接当たらない場所に置くことがポイント |
※補足:ハンギング(吊り鉢)にして飾っている場合、天井近くだと空気が乾燥しやすい傾向も。暖かい空気は上に溜まる性質を持ちます。葉の乾燥が気になる場合、冬の間のみ、机の上や棚の上などの少し低い位置に置くと乾燥を防ぐことができるかもしれません。ご参考までに。
あわせて読みたい 「ワイヤープランツの葉が落ちる原因と対処法」
冬のワイヤープランツ・肥料

ワイヤープランツの生育がが盛んなのは春から秋にかけての暖かい時期です。寒さに強いとはいえ、冬場は生育が鈍ります。
そのため、冬の肥料は基本的に必要ありません。
元気がないからと言って不要な肥料を与えていると、逆に根や葉を傷めてしまう「肥料焼け」の原因になることもなります。

あわせて読みたい 「ワイヤープランツが枯れる原因3つとは?管理のコツも!」
活力剤は与えてもok?
まずはじめに、肥料と活力剤は似て非なるものです。よくあるアンプル剤は活力剤である場合が多いです。
※アンプルタイプの肥料もあるため、購入時に「肥料」か「活力剤」かをきちんと確認しましょう。
活力剤の場合、肥料とは違って冬でも与えることができます。ただ、与え過ぎは×です。

冬のワイヤープランツ・植え替え

ワイヤープランツを冬に植え替えるのは避けた方が無難です。寒さによって生育が鈍っているため、植え替え後にそのまま弱ってしまうことがあるからです。
ワイヤープランツを植え替えるなら、生育がさかんな春から秋にしましょう。おすすめは気温が上がり始める4月~6月頃です。
伸びすぎたつるはカットして増やすこともできる

ワイヤープランツは春から秋にかけてどんどん葉を茂らせます。伸びすぎたつるはカットし、挿し木で増やすのも比較的に簡単です。
ワイヤープランツの挿し木は春から秋におこなうのがよいでしょう。

冬は生育が鈍っているため発根しにくい傾向にあります。
伸びすぎたつるを整える程度にカットするなら冬でもできますが、根元近くまで大胆に切り戻すなら暖かい時期にしましょう。

実際に育ててみてわかった!ワイヤープランツの冬越しポイント
私は長年ワイヤープランツを育てていますが、経験上「寒さには意外と強い植物」だと感じています。
地植えでも冬越しできた

屋外の花壇に地植えしておいた株も、特に防寒対策をしなくても問題なく冬を越し、春になると小さな花を咲かせてくれました。
屋外で育てた株は、茎がしっかり太く育ち、葉も密に茂るのが特徴です。
室内の株は地植え株に比べると弱々しい

一方、室内に置いた株はどうしても“ひょろひょろ”と徒長しやすく、茎が細くなりがち。
同じ植物でも、置き場所によってこんなに違うのかと驚かされます。
冬は空気の乾燥で葉が傷みがち

また、冬場は空気が乾燥するため、室内管理では葉がチリチリと乾燥してしまうことがあります。
加湿器を使ったり、時々霧吹きで葉に水を与えるなど、湿度を保つ工夫が大切です。
暖房の風に当たらないよう注意

とはいえ、基本的には寒さに強い植物なので、過度に心配する必要はありません。
室内で育てる場合は、エアコンの温風が直接当たらない場所に置いておくだけでも、冬を元気に乗り切ることができます。
ワイヤープランツの冬越しに関するよくある質問
1. ワイヤープランツは冬に外で育てても大丈夫ですか?いつ屋内に入れればいい?
ワイヤープランツは比較的耐寒性がありますが、氷点下(0℃以下)〜約−5℃を下回る環境は避けたほうが安心です。
寒冷地や霜が降りる地域では、夜間に0℃を下回り始めるタイミングで屋内に取り込むか、霜よけ(不織布や寒冷紗)を検討しましょう。
目安としては、最低気温が0〜2℃を下回りそうな季節の到来前に移動を検討すると安全です。
2. 冬に葉が黄色や茶色になって落ちるのは枯れた証拠ですか?
必ずしも枯れているとは限りません。
冬の低温・日照不足・乾燥による生理的落葉や古い葉の自然脱落はよくある現象です。
茎を軽く押して中が緑色(または柔らかく弾力がある)なら生きている可能性が高いです。
完全に枯れているか心配なら、春まで乾燥や過度の処置を避けて様子を見てください。春に新芽が出ることがあります。
3. 冬の水やりはどうすればいい?頻度と量の目安は?
生育が鈍る冬は水やりを控えめに。
目安は「土の表面が乾いてからさらに2〜3日待つ」方法です。鉢底からの排水がよいことを確認し、受け皿に水が溜まらないように。
頻度は室温や鉢の大きさで変わるので、土の軽さ(鉢を持ってみる)と表面の乾きで判断してください。
室内で暖房を強めに使う場合は乾燥で土が速く乾くので、やや頻度を上げる必要がありますが過湿は根腐れの原因になるので注意。
▶ワイヤープランツの育て方を徹底解説!失敗を防ぐコツは水やりと葉水
4. 空気が乾燥して葉がパリパリになる。具体的な加湿方法は?
葉水+加湿器+配置(暖房の風に当てない)が有効です。
- 葉水(霧吹き)を朝〜昼の暖かい時間帯に1回程度、葉全体に軽く吹きかける。水滴が多いと床に落ちるのでミスト細めのスプレーを推奨。
- 加湿器で室内湿度を40〜60%に保つ。特に暖房を使う部屋は要注意。
- 暖房の温風が直接当たらない場所へ移動する。天井付近(ハンギング)は乾燥しやすいので、冬だけ低い位置に下げるのも手。
5. 冬に肥料は必要?活力剤は使っていい?
肥料は基本的に不要。活力剤は少量なら可。
冬は生育が止まりがちなので、窒素肥料などの通常肥料は与えないでください(肥料焼けのリスク)。
市販の「活力剤(葉の元気付け)」は少量なら問題ないですが、商品の用途表示を確認して、推奨頻度・希釈を守りましょう。
▶初心者でも使いやすくて効果的!観葉植物におすすめの肥料【厳選・3選】
6. 冬に植え替えや大きな剪定をしてもいい?
避けたほうが無難。春に行うのがベター。
植え替えや強い切り戻しは、根や株にストレスを与え回復に時間がかかります。
植え替え・挿し木・大胆な剪定は生育期(4〜6月など)に行いましょう。 冬に軽い整枝(見た目を整える程度)は問題ありません。
7. ハンギングで吊るしているけど冬はどうするのが良い?
乾燥対策と冷気回避がポイント。
天井近くは暖かい空気が上に溜まるため一見暖かいように感じますが、空気が乾燥しやすい場所でもあります。
冬は少し低めの位置に下げる/窓から離す/加湿器や葉水で保湿すると安心。
▶ワイヤープランツのおしゃれな飾り方!便利アイテムを活用して空間を有効活用
8. 冬に葉が全部落ちた。どうやって復活させれば良い?
まずは落ち着いて管理を続けること。
- 茎や根がまだ生きているかチェック(茎を折らずに切って断面が緑なら生きている)。
- 過度な水やりは避け、土をやや乾かし気味に保つ(ただし完全乾燥も不可)。
- 日中の暖かい時間に日光を当てる(直射は避けつつ明るい場所へ)。
- 春になり気温が安定したら軽い追肥・根回しを検討。
多くの場合、根が無事なら春に芽吹きます。焦って強い剪定や薬剤を使わないこと。
9. 冬に発生しやすい病害虫とその対処法は?
乾燥やストレスで害虫が目につきやすくなる。カイガラムシ/アブラムシ/ハダニなどが発生することがあります。
対処法
まずは目で確認して、柔らかい布や割り箸で拭き取る/葉水で流す。
広がっている場合は市販の園芸用殺虫剤(表示に従う)や、オイル系スプレー、石けん水(希釈)で対処します。
薬剤使用前に目に見える部分を掃除し、隔離して様子を見ると安全です。
▶観葉植物の害虫対策と駆除方法!虫を防ぐために押さえておくべきポイント3つ
10. 挿し木で増やしたいけど、冬でもできる?成功率は?
冬は発根しにくいため基本的におすすめしない。
ワイヤープランツの挿し木は春〜秋の生育期に行うと成功率が高いです。
冬にどうしても増やしたい場合、発根を促すため15〜25℃程度に置き、湿度管理をしっかり行うと多少は可能ですが、発根が遅く失敗しやすいです。
▶ワイヤープランツを水差しで増やす方法!発根しない理由も解説
まとめ

ということで、今回はワイヤープランツの冬の育て方についてくわしくご紹介しました。
ふんわりとした葉が涼し気なワイヤープランツ。葉が薄く繊細なため、多くの観葉植物に比べて空気の乾燥に弱いという特徴を持ちます。
特に秋~冬は室内の空気が乾燥しがち。また、土があまりにも乾燥すると葉がしおれやすいです。
ゴムの木やサンスベリアなど、葉が硬く厚みのある観葉植物よりは水やりの頻度を多めにしてやることで、美しい姿を長く楽しむことができますよ。
株が充実してくると、春先に黄緑色の小さな花を咲かせてくれることも!
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