空気清浄効果が高く、海外では寝室に置く植物として人気のインテリアグリーン「サンスベリア」。
ホームセンターや園芸店で手軽に購入できるサンスベリアですが、葉を土に挿して増やす「葉挿し【はざし】」ができるのをご存じですか?
今回は、園芸初心者でも簡単に挑戦できる、サンスベリアの葉挿し方法を分かりやすく解説します。
サンスベリア葉挿しの方法を分かりやすく解説します!
では、サンスベリアの葉挿し方法をくわしくご紹介します。
サンスベリアの葉挿し 手順①「適期は5月~8月の暖かい時期」

サンスベリアの葉挿しを成功させる最大のコツは適期におこなうことです。
暖かい時期はサンスベリアの生長が旺盛なため、葉挿しが成功しやすくなります。
逆に、寒い時期はサンスベリアの生育が緩慢になっているため、葉挿しにしても発根しにくく失敗しやすいでしょう。
サンスベリアの葉挿し 手順②「丈夫そうな葉を根元からカット」

清潔なハサミを使用し、思い切って根元からサンスベリアの葉をカットします。
サンスベリアの葉挿し 手順③「3~4等分にカット」

根元からカットしたサンスベリアの葉は幅5~6cm程度にカットします。上下が分からなくならないよう、印をつけておきましょう。

真ん中あたりの葉は上下が分からなくなりがちです。
上下を間違えて土に挿した場合うまく発根できないので、この時点で印を付けておきましょう。(上写真)
サンスベリアの葉挿し 手順④「2~3日、切り口を乾燥させる」

サンスベリアの葉の切り口が乾燥するまで2~3日まちます。風通しの良い場所に置き乾かしましょう。
なぜ、切り口を乾燥させるの?
切り口を乾燥させてから葉挿しする理由は、鉢内で腐るのを防ぐためです。
カットしてすぐ土に挿すと、葉に水分を含んでいる場合、切り口から腐ってしまうことがあります。
あわせて読みたい「サンスベリアが枯れる原因と対策を徹底解説します!」はこちら
サンスベリアの葉挿し 手順⑤「乾いた土に挿す」

土は水はけよく、清潔で肥料分を含まないものが葉挿しに適しています。
使い古しの土は雑菌が含まれている可能性があるので、避けた方が無難でしょう。
挿し木専用の土、または、赤玉土に川砂、バーミキュライト等を混ぜた土がベストです。
鉢底石をやや多めに入れる

深さのある鉢植えの場合、鉢底から3cm程の高さまで鉢底石(ごろ石)を敷き詰め、土の水はけを良くしておきます。
この上から、用意した水はけのよい土を入れましょう。
葉の上下に気を付けて土に挿す、水は与えない

土の表面から3cm程の深さまで、切り口が乾燥したサンスベリアの葉を挿します。
このときに、葉の上下を間違えないように気を付けてください。
風通しのよい半日陰に置いてください。水は与えずに3日程まちます。
サンスベリアの葉挿し 手順⑥「3日程経ったら鉢底から給水」
葉挿しにして3日程経過したら、鉢の底から水を吸水させます。バケツや大き目の受け皿などに水を張り、ゆっくりと鉢ごと水に浸けます。
土が湿ってきたら水から上げて、再び風通しのよい半日陰で管理を続けます。うまくいけば1か月程で発根します。
あわせて読みたい「おしゃれで機能性抜群!観葉植物好きが選ぶおすすめの鉢ポットまとめ」はこちら
サンスベリアの葉挿し【メリット・デメリット】

ここでは、サンスベリアを葉挿しで増やすメリットとデメリットをご紹介します。
サンスベリアの葉挿し【メリット】
- 弱った株を仕立て直すことが可能(葉をカットし別の鉢で再生させる)
- 切って挿すだけなので一気にたくさん増やせる
サンスベリアの葉挿し【デメリット】
▲葉挿しの場合、子株が出るまで一年ほどかかる。
- 斑入りの品種の場合、葉挿しすると先祖返りする可能性がある(斑が消える)
- 一人前の株に育つまでに時間がかかる(子株が出るまでには少なくとも半年ほど、冬を挟めばもっとかかる)
▲手っ取り早くサンスベリアを増やしたい方には葉挿しよりも株分けがおすすめ
あわせて読みたい「サンスベリアの株分け方法をくわしく解説します【増やす】」はこちら
サンスベリアを葉挿しで増やそう【12月】
ここからは、筆者が育てているサンスベリアの葉挿し記録です。まずは、冬場の葉挿しから。
適期とは異なる時期に葉挿しした経過です。はたして、成功するのでしょうか?
サンスベリアの葉が折れた

こちらは、私の不注意で折れてしまったサンスベリアです。(カーテンに引っかかった)捨ててしまおうかと思いましたが、サンスベリアは葉挿しでの復活もありうるとのこと。
ただ、季節は現在冬…。(12月です) 難しいとは思いますが、試してみましょう!
あわせて読みたい「サンスベリア 伸びすぎる原因と対処法【倒れる】」はこちら
折れたサンスベリアの親株
ちなみに、こちらが折れたサンスベリアの親株です。

何本かだけ、ヒョローーっと徒長していますね。折れた葉もこの徒長気味の葉です。元々、弱かったのでしょう。
あわせて読みたい「サンスベリアがひょろひょろになる原因と対策!」はこちら
サンスベリアの葉をハサミでカット
まずは、消毒した清潔なハサミで折れたサンスベリアの葉を約10cm幅にカットします。
サンスベリアの葉の上下が分からなくならないように、油性ペンで矢印を書きました。

サンスベリアの葉先は尖っているので上下が一目瞭然です。
しかし、サンスベリアをカットした中間の葉は、このままでは上下が分からなくなってしまいます。なので、ペンで矢印を付けます。
サンスベリアの切り口を2~3日乾燥させる

このまま切り口を乾燥させます。
サンスベリアの葉を土に挿す
折れたサンスベリアを葉挿しにするため、約10cm幅にカットして二日半経過しました。

切り口がしっかりと乾燥していますね。では、これを土に挿していきましょう。土は水はけのよい赤玉土を使用します。家にあった鹿沼土も少し混ぜました。

この状態のまま、水やりせずに1か月ほど様子を見ます。ただ、季節は冬。成功率はかなり低いでしょう。
サンスベリアの葉を土に挿す際に気を付けること
・葉の方向を間違えない(根本は下)
・深く挿しすぎない、倒れない程度に挿す
あわせて読みたい「サンスベリア 冬の管理のコツ3つ【冬越しの方法とは?】」はこちら
サンスベリアの葉挿しから1か月経過【1月】
さて、折れたサンスベリアを葉挿しにしてから1か月が経ち1月です。経過を見ていきましょう。

特に変化が分かりません。発根しているか、何本かの葉を確認してみましょう。
※抜き取る場合、せっかく発根した根を傷める場合があるので慎重に。

まったく変化がありません。他の葉も見てみましょう。
切り口が腐ってしまったサンスベリア

切り口が腐ってカビたサンスベリアの葉です。やはり時期は大切ですね。残念。春になったら再挑戦します。
あわせて読みたい「サンスベリアがしわしわになる原因と対処法!」はこちら
「サンスベリア ふにゃふにゃになる原因と対処方法を解説!」はこちら
サンスベリアを葉挿しで増やそう【5月】
サンスベリアの葉挿しに適した時期になりました。再挑戦です。
サンスベリアの葉をカット、乾燥【2021/5/8】

太くて元気そうな葉を根元からカットします。その後、3等分して2~3日程切り口を乾燥させます。

腐敗を防ぐためにも十分に切り口を乾燥させます。
切り口を乾燥させた葉を土に挿す【2021/5/10】

サンスベリアの切り口が乾燥したので、土に挿します。土は、多肉植物用の物を使用することに。
「トレーに穴を空ける⇒土を入れる⇒サンスベリアの葉を挿す⇒土を被せる」

ベランダの風通し良い場所に置きます。数日したら底から水分を吸収させます。
サンスベリアの葉挿し【2021/6/12】
葉挿しにして1か月経ちました。

3枚中、1枚の葉に発根が確認できました。残り2枚はまだです。土に挿し直して発根をもう少しまってみましょう。

あわせて読みたい「サンスベリア 植え替え方法とコツ【写真で解説】」はこちら
サンスベリアの葉挿し【2021/9/23】
サンスベリアの葉を差して4か月弱経過です。

少し深さのあるスリット鉢に挿しています。葉に触れると動きません。しっかりと根が張っていると思われます。
土からひょっこりと芽を出してくれるのはいつになるでしょうか。やはり、葉挿しで育てるのは時間を要します。
ただ、なんとなく狭そうなので一旦、土から出してみました。

しっかりと発根していますね。このタイミングで肥料を含む土に植え替えることにしました。
小さめの鉢にそれぞれの葉を植え付けます。今後は寒くなることも考え、室内向けの土に植え付けています。虫の湧きにくい土で、化成肥料入りです。

あわせて読みたい「観葉植物のコバエ対策 効果的な方法とは?【徹底解説】」はこちら
2つはスリット鉢に、もう1つはダイソーの素焼き鉢に植え付けました。

地上に芽を出してくれるのは来春でしょうか。葉挿しは時間がかかりますね。
サンスベリアを手っ取り早く増やすのなら、やはり株分けが一番です。とはいえ、育てる楽しみは葉挿しの方が感じられますね。
室内で冬越ししたサンスベリアの葉挿し【2022/4/9】
冬の間、室内で寒さをしのいだサンスベリアの葉挿したちです。
相変わらずの見た目ですね。触れると少しぐらぐらします。冬の寒さで弱ってしまったかもしれません。
実は、写真右の素焼き鉢の葉挿しのみ、冬場も屋外に出しっぱなしでした。実は、ベランダの簡易ビニールハウスの中に断水して放置していたんです。そのため、葉がしわしわになっています。
ついに子株がでてきたサンスベリアの葉挿し【2022/6/23】
どんどん気温が上がり、今年も梅雨入りしました。蒸し暑い日が続いています。
サンスベリアの葉挿したちはどうでしょうか?そろそろ子株が顔を出してくれるといいのですが…。
まだ時間がかかりそうだなぁと思ったその時、3鉢のうちの1鉢に子株を発見しました。
▲葉の脇から2つの子株が顔を出しています!
葉挿しスタートから約1年2か月。やはり葉挿しはかなり時間を要しますね…。
かわいい子株が2つも。嬉しいですね。ただ、子株が出るまでかなり時間がかかりました。
手っ取り早くサンスベリアを増やしたいという方には葉挿しはおすすめしません。とはいえ、子株が出た時の感動はすごいです。
残り2枚の葉挿しも無事、子株を出してくれるでしょうか。
すべての葉挿しに子株が誕生【2022/7/24】
暑い夏がきました。サンスベリアの葉挿したち、無事にすべての葉から子株が出てきましたよ。
1枚の葉から2~3つの子株が出てきました。すくすく育っています。
子株が顔を出すまで一年以上かかりましたが、顔を出してからは生長が早いです。
すべての子株に斑は入っていません。
以前、カネノナルキの斑入り品種を葉挿しした際、一枚だけ斑入りの子株が出たのでサンスベリアももしかしたら…と思いましたが、今回はすべて原種でした。
でも、原種のサンスベリアもかっこいいですよね。下写真くらい立派に育てたいです。
植え替えてひとつの鉢にまとめます【2022/9/3】
その後、すくすくと育った子株たちはかなり大きくなりました。
少し窮屈そうです。気温が下がる前に、ひとつの鉢にまとめて植え替えることにしました。まずは、鉢から葉を取り出して見ましょう。
一枚の葉から子株がたくさん出ています。一番多いもので、一枚の葉から子株が4つ出ていました。すごい生命力です。
とはいえ、まだまだ頼りないので元の葉から切り離さず、そのまま一緒に植え替えました。
葉挿しから1年4か月。時間はかかりましたが、たった3枚の葉の切れ端からこれだけの子株が誕生しました。今後の生長も楽しみです。
まとめ

今回はサンスベリアを葉挿しで増やす方法をくわしくご紹介しました。
サンスベリアの葉挿しは「カットして土に挿す」だけでとても簡単です。ただ、子株が出て大きな株に生長するまでには少なくとも一年以上はかかるでしょう。
だからこそ、サンスベリアの葉挿しは適期におこなうことが成功のコツですね。
今回の記事を参考に、ぜひ、サンスベリアの葉挿しに挑戦してみてくださいね。空気清浄効果の高いサンスベリアをどんどん増やして、室内を快適な空間にしましょう!
サンスベリアの葉挿し【手順】
①適期は5月~8月の暖かい時期
②丈夫そうな葉を根元からカット
③3~4等分にカット
④2~3日、切り口を乾燥させる
⑤乾いた土に挿す
⑥3日程経ったら鉢底から給水
サンスベリアの葉挿し【メリット・デメリット】
- メリット⇒弱った株を仕立て直すことが可能(葉をカットし別の鉢で再生させる)・切って挿すだけで一気に個体を増やすことができる
- デメリット⇒斑入りの品種の場合、葉挿しすると先祖返りする(斑が消える)・一人前の株になるまでは少なくとも一年はかかることが多い
人気のその他topics
「【口コミ】プリマオンラインの人工観葉植物って高いけど、実際どうなの?」はこちら
「モンステラの増やし方【初心者でも簡単にできる方法!】」はこちら
「観葉植物のコバエ対策 効果的な方法とは?【徹底解説】」はこちら
「スパティフィラム 花が咲かない原因と4つの対処法とは?」はこちら
「サーキュレーターと扇風機の違い【植物に適しているのは?】」はこちら
サンスベリアのその他topics
「サンスベリア 葉が広がる原因と対処法【葉が倒れる!】」はこちら
「サンスベリアの花が不吉といわれる理由【なぜ咲く?】」はこちら
大型観葉植物を新鮮な状態で届けてくれる専門店はこちら
「できるだけ費用を抑えて、状態のよい新鮮なグリーンを自宅まで届けて欲しい。」
「贈り物として観葉植物を送りたいけど、きちんと届けてもらえるか不安…。」
このような場合におすすめしたいのが、観葉植物専門店「ブルーミングスケープ」です。
プロが厳選した植物を新鮮な状態で自宅まで届けてくれます。送料無料の商品も豊富で、お部屋の雰囲気に合ったグリーンを見つけられますよ。
●◎観葉植物ギフトを選ぶなら
「ブルーミングスケープ」
御祝の贈り物として、長く楽しめて長く記憶に残る「観葉植物」はいかがですか?