空気清浄効果が高く、海外では寝室に置く植物として人気のインテリアグリーン「サンスベリア」。
ホームセンターや園芸店で手軽に購入できるサンスベリアですが、葉を土に挿して増やす「葉挿し【はざし】」ができるのをご存じですか?
今回は、園芸初心者でも簡単に挑戦できる、サンスベリアの葉挿し方法を分かりやすく解説します。

この記事を読めば、
- サンスベリアの葉挿しのやり方
- サンスベリアを葉挿しで増やすメリット、デメリット
- 実際にサンスベリアを葉挿ししてみた経過レポート
が分るよ。
☆★観葉植物を取り入れたいけど「すぐ枯らしてしまう…」「虫が嫌い過ぎて勇気が出ない…」という方におすすめの記事↓↓
サンスベリア葉挿しの方法を分かりやすく解説します!
では、サンスベリアの葉挿しで増やす手順をみていきましょう。
サンスベリアの葉挿し 手順①適期は5月~8月の暖かい時期

サンスベリアの葉挿しを成功させる最大のコツは適期におこなうことです。
暖かい時期はサンスベリアの生長が旺盛なため、葉挿しが成功しやすくなります。

逆に、寒い時期はサンスベリアの生育が緩慢になっているから、葉挿しにしても発根しにくく、失敗しやすいんだ。
サンスベリアの葉挿し 手順②太く厚みのある葉をカット

清潔なハサミを使用し、思い切って根元からサンスベリアの葉をカットします。

切れ味のよい清潔なハサミを使ってね。
サンスベリアの葉挿し 手順③3~4等分にカット

根元からカットしたサンスベリアの葉は幅5~6cm程度にカットします。
上下が分からなくならないよう、印をつけておきましょう。

真ん中あたりの葉は上下が分からなくなりがちです。

上下を間違えて土に挿した場合うまく発根できない。この時点で印を付けておこう。
サンスベリアの葉挿し 手順④2~3日、切り口を乾燥させる

サンスベリアの葉の切り口が乾燥するまで2~3日待ちます。
風通しの良い場所に置き乾かしましょう。
なぜ、切り口を乾燥させるの?
切り口を乾燥させてから葉挿しする理由は、鉢内で腐るのを防ぐためです。

カットしてすぐ土に挿すと葉に残った水分によって、切り口が腐ってしまうことがあるんだ。
サンスベリアの葉挿し 手順⑤乾いた土に挿す

水はけよく、清潔で肥料分を含まない土を用意しましょう。
使い古しの土は雑菌が含まれている可能性があるので避けた方が無難です。

市販の「種まき挿し木用土」または、赤玉土(小粒)、川砂、バーミキュライトなどでもok!
葉の上下に気を付けて土に挿す、水は与えない

土の表面から3cm程の深さまで、切り口が乾燥したサンスベリアの葉を挿します。

このとき、葉の上下を間違えないように気を付けてね!
風通しのよい半日陰に置いてください。水はすぐに与えず、3日ほど待ちましょう。
サンスベリアの葉挿し 手順⑥3日程経ったら鉢底から給水
葉挿しにして3日程経過したら、鉢の底から水を吸水させます。バケツや大き目の受け皿などに水を張り、ゆっくりと鉢ごと水に浸けます。
土が湿ってきたら水から上げて、再び風通しのよい半日陰で管理を続けます。

うまくいけば1か月程で発根するよ!
サンスベリアの葉挿し 手順⑦観葉植物用の土に植え替える
子株が大きく育ってきたら、養分を含む観葉植物用の土に植え替えます。

日当たりの良い場所に置くことで太く丈夫に育つよ。
サンスベリアを葉挿しでふやすメリット・デメリット

次に、サンスベリアを葉挿しで増やすメリットとデメリットをみていきましょう。
サンスベリアの葉挿し【メリット】
- 弱った株を仕立て直すことが可能(葉をカットし別の鉢で再生させる)
- 切って挿すだけなので一気にたくさん増やせる
サンスベリアの葉挿し【デメリット】
- 斑入りの品種の場合、葉挿しすると先祖返りする(斑が消える)
- 一人前の株に育つまでに時間がかかる(子株が出るまでには少なくとも半年ほど、冬を挟めばもっとかかる)
手っ取り早くサンスベリアを増やしたいなら、葉挿しよりも株分けがおすすめ
あわせて読みたい「サンスベリアの株分け方法をくわしく解説します【増やす】」
サンスベリアを冬に葉挿しした結果は…?
ここからは、筆者が実際にサンスベリアを葉挿した経過をお届けします。
まずは適期ではない冬に実施した結果からご覧ください。

冬に葉挿しした結果は…?
サンスベリアの葉が折れた
こちらは私の不注意で折れてしまったサンスベリアです。(下写真)

捨ててしまおうかと思いましたが、サンスベリアは葉挿しでの復活もありえます。
とはいえ季節は冬…。しかも寒さの厳しい12月。

難しいとは思うけどやってみないと分からない!ということで、レッツトライ!!
あわせて読みたい「サンスベリア 伸びすぎる原因と対処法【倒れる】」
折れたサンスベリアの親株
ちなみに、こちらが折れたサンスベリアの親株です。

何本かだけヒョローーっと徒長していますね。折れた葉もこの徒長気味の葉です。元々、弱かったのでしょう。
あわせて読みたい「サンスベリアがひょろひょろになる原因と対策!」
サンスベリアの葉をハサミでカット
まずは、消毒した清潔なハサミで折れたサンスベリアの葉を約10cm幅にカットします。

サンスベリアの葉先は尖っているので上下が一目瞭然です。
しかし、サンスベリアをカットした中間の葉は、このままでは上下が分からなくなってしまいます。

サンスベリアの葉の上下が分からなくならないように、油性ペンで矢印を書いたよ。
サンスベリアの切り口を2~3日乾燥させる

このまま数日、切り口を乾燥させます。
サンスベリアの葉を土に挿す
折れたサンスベリアを葉挿しにするため、約10cm幅にカットして二日半経過しました。

切り口がしっかりと乾燥していますね。では、これを土に挿していきましょう。

土は水はけのよい赤玉土を使用。家にあった鹿沼土も少し混ぜたよ。

この状態のまま、水やりせずに1か月ほど様子を見ます。
ただ、季節は冬。成功率はかなり低いでしょう。
サンスベリアの葉を土に挿す際に気を付けること
・葉の方向を間違えない(根本は下)
・深く挿しすぎない、倒れない程度に挿す
あわせて読みたい「サンスベリア 冬の管理のコツ3つ【冬越しの方法とは?】」
サンスベリアの葉挿しから1か月経過【1月】
さて、折れたサンスベリアを葉挿しにしてから1か月が経ち1月です。

どうなったかな?

特に変化がありません。発根しているか、何本かの葉を土から取り出して確認してみましょう。
※抜き取る場合、せっかく発根した根を傷める場合があるので慎重に。。

まったく変化がありません。他の葉も見てみましょう。
切り口が腐ってしまったサンスベリア

切り口が腐ってカビています。やはり時期は大切ですね。残念。

春になったら再挑戦するぞ!
サンスベリアを春に葉挿しした結果は…?
春です。気温が上がってきて、サンスベリアの葉挿しに適した時期になりました。

いざ、リベンジ!!
サンスベリアの葉をカット、乾燥【2021/5/8】

今回は太くて元気そうな葉を根元からカットします。その後、3等分して2~3日程切り口を乾燥させますよ。

前回、冬に葉挿しした時は徒長した弱々しい葉だったよね。

腐敗を防ぐためにも十分に切り口を十分に乾燥させます。
切り口を乾燥させた葉を土に挿す【2021/5/10】

サンスベリアの切り口が乾燥したので、土に挿します。土は水はけのよい多肉植物用の物を使用することに。
「トレーに穴を空ける⇒土を入れる⇒サンスベリアの葉を挿す⇒土を被せる」

ベランダの風通し良い場所に置きます。

数日したら底から水分を吸収させるよ!
サンスベリアの葉挿し【2021/6/12】
葉挿しにして1か月経ちました。

3枚中、1枚の葉に発根が確認できました。残り2枚はまだです。
土に挿し直して発根をもう少し待ってみましょう。

サンスベリアの葉挿し【2021/9/23】
サンスベリアの葉を挿して約4か月経過です。

少し深さのあるスリット鉢に挿しています。葉に触れると動きません。しっかりと根が張っていると思われます。
土からひょっこりと芽を出してくれるのはいつになるでしょうか?

やっぱり、葉挿しで育てるのは時間がかかるね。。
根っこの状態を確認してみましょう。

しっかりと発根しています。

そろそろ肥料を含む土に植え替えよう。
小さめの鉢にそれぞれの葉を植え付けます。
今後は寒くなることも考え、室内向けの土に植え付けました。虫の湧きにくい土で、化成肥料入りです。


虫が湧きにくい室内向けの土なら、室内でも清潔に観葉植物を育てられるよ。
2つはスリット鉢に、もう1つはダイソーの素焼き鉢に植え付けました。

地上に芽を出してくれるのは来春でしょうか?やはり葉挿しは時間がかかりますね。
サンスベリアを手っ取り早く増やすのならやはり株分けが一番です。

とはいえ、育てる楽しみは葉挿しの方が感じられるね。
室内で冬越ししたサンスベリアの葉挿し【2022/4/9】
冬の間、室内で寒さをしのいだサンスベリアの葉挿したちです。

相変わらずの見た目。触れると少しぐらぐら。冬の寒さで弱ってしまったかも。。
実は写真右の素焼き鉢の葉挿しのみ、冬場も屋外に出しっぱなしでした。
ベランダの簡易ビニールハウスの中に断水して放置していたため、葉がしわしわになっています。
ついに子株がでてきたサンスベリアの葉挿し【2022/6/23】
どんどん気温が上がり今年も梅雨入りしました。蒸し暑い日が続いています。

サンスベリアの葉挿したちはどうかな?そろそろ子株が顔を出してくれないかな?
まだ時間がかかりそうだなぁ…と思ったその時、3鉢のうちの1鉢に子株を確認しました。
葉の脇から2つの子株が顔を出しています。

葉挿しスタートから約1年2か月。やはり葉挿しは時間を要するね。とはいえ、子株を確認した瞬間の喜びは格別。
土からそっと取り出して見ましょう。
かわいい子株が2つも。嬉しいですね。ただ、子株が出るまでかなり時間がかかりました。

繰り返しだけど、手っ取り早くサンスベリアを増やしたいという方に葉挿しはおすすめしない。とはいえ、子株が出た時の感動はすごい!
残り2枚の葉挿しも無事、子株を出してくれるでしょうか?
すべての葉挿しに子株が誕生【2022/7/24】
暑い夏がきました。サンスベリアの葉挿したち、無事にすべての葉から子株が出てきましたよ。
1枚の葉から2~3つの子株が出てきました。すくすく育っています。
子株が顔を出すまで一年以上かかりましたが、顔を出してからは生長が早いです。
ちなみに、すべての子株に斑は入っていません。

前にカネノナルキの斑入り品種を葉挿しした際、一枚だけ斑入りの子株が出たのでサンスベリアももしかしたら…と思ったけど、今回はすべて原種だったよ。
でも、原種のサンスベリアもかっこいいですよね。下写真くらい立派に育てたいです。
植え替えてひとつの鉢にまとめます【2022/9/3】
その後、すくすくと育った子株たちはかなり大きくなりました。
少し窮屈そうです。気温が下がる前に、ひとつの鉢にまとめて植え替えることにしました。
まずは、鉢から葉を取り出して見ましょう。
一枚の葉から子株がたくさん出ています。一番多いもので、一枚の葉から子株が4つ出ていました。

すごい生命力…!!
とはいえ、まだまだ頼りないので元の葉から切り離さず、そのまま一緒に植え替えました。
葉挿しから1年4か月。
時間はかかりましたが、たった3枚の葉の切れ端からこれだけの子株が誕生しました。
葉挿しから2年経過したサンスベリアの葉挿し【2023/6/16】
葉挿しから約2年。
やっと観賞できるサイズ感になってきました。ここまで長かった。。

時間はかかるけど経過が楽しいサンスベリアの葉挿し。ぜひ、挑戦してみてね!
まとめ
サンスベリアの葉挿しは「カットして土に挿す」だけでとても簡単。
ただ、子株が出るまでには少なくとも1年、観賞できるくらいのサイズになるまでは2年程度かかります。
だからこそ、サンスベリアの葉挿しは適期におこなうことが成功のコツです。

空気清浄効果の高いサンスベリアをどんどん増やして、室内を快適な空間にしよう!
サンスベリアの葉挿し【手順】
①適期は5月~8月の暖かい時期
②丈夫そうな葉を根元からカット
③3~4等分にカット
④2~3日、切り口を乾燥させる
⑤乾いた土に挿す
⑥3日程経ったら鉢底から給水
サンスベリアの葉挿し【メリット・デメリット】
- メリット⇒弱った株を仕立て直すことが可能(葉をカットし別の鉢で再生させる)・切って挿すだけで一気に個体を増やすことができる
- デメリット⇒斑入りの品種の場合、葉挿しすると先祖返りする(斑が消える)・一人前の株になるまでは少なくとも一年はかかることが多い
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