イルカ型の葉が可愛いドルフィンネックレス。グリーンネックレスと七宝樹の交配種であるドルフィンネックレスは、キク科セネシオ属の多肉植物です。
暑さ、寒さともに比較的強く、丈夫で育てやすいのが特徴の多肉植物ですが、冬越しにはちょっとしたコツが必要になります。
そこで今回は、ドルフィンネックレスを冬越しさせる際に抑えておくべき3つのポイントを解説しましょう。
ドルフィンネックレス 冬越しのポイント3つ!断水気味に管理し霜に当てない
寒さに強いものの、霜に当ててしまうと葉や根が傷んでしまいます。冬場は水やりを控え、断水気味に管理するのがコツです。くわしくみていきましょう。
ドルフィンネックレス 冬越しのポイント①ほぼ断水

ドルフィンネックレスの生長がさかんになるのが春と秋です。夏と冬は極端な高温と低温により生長がほぼ止まる「休眠期」になります。
休眠期のドルフィンネックレスは生長がほぼ止まると同時に、根が水分を吸い上げる力自体も弱まっています。
この状態で春・秋と同じように水を与え続けていると、鉢の中が常に湿った状態となり、根が呼吸できずに腐るのです。
そのため、生長がほぼ止まっている冬は水やりを控え、ほぼ断水気味に管理する必要があります。土が乾いても数日放置。水やりは葉にシワがよってからでも問題ありません。
「枯れない程度の必要最小限の水やり」がポイントになります。冬場は「水のやり忘れ」よりも「水のやり過ぎによるリスク」の方がグッと高くなるからです。
水やりの目安は月1回~2回程度、暖かい時間帯に
土がカラカラに乾いてさらに3~4日ほどしてから常温の水(30度程度)を与えます。水を与えるのはできるだけ暖かい時間帯にしてください。目安は月に1回、与えても2回程度です。
水やり後はしっかりと水気を切り、受け皿に溜まった水はこまめに捨てましょう。夜間の水やりは根を冷やしてしまうため避けます。
水やりのタイミングが分からない場合は水やりチェッカーを使いましょう。

ドルフィンネックレス 冬越しのポイント②霜に当てない
ドルフィンネックレスを冬越しさせる際に欠かせないのが「霜に当てない」ということです。
霜とは、空気中の水分が夜間に冷えた物体(植物や土など)に触れることで結晶化したものをいいます。
もちろん、雪や凍結もNGです。多くの多肉植物は霜に当たることで凍傷状態となり、株自体が傷んでダメになってしまうのです。
霜に当たると葉や茎がぶよぶよになったり、変色したり、根が傷んでそのまま枯れてしまったり…といった症状が出てきます。
昼以降の水やりは控え、土が湿った状態で冷え込みそうなら室内への移動を検討
空気中の水分量が多いとその分、霜に当たりやすくなります。つまり、冬場の夜間の水やりは避けるべきでしょう。
霜に当たらなくとも、鉢内に残った水分が夜間のうちに冷え込み、根に深刻なダメージを与えてしまうことが考えられるからです。
また、断水気味に管理することで、根腐れや根の冷えを防ぐことはもちろん、樹液濃度を高めて寒さに備えることもできます。
とはいえ、冬場は土が乾くまで時間がかかります。もし、夜間の冷え込みがきつくなりそうなら室内へ避難させておくのが安心です。

ドルフィンネックレス 冬越しのポイント③日光に当てる
ドルフィンネックレスは寒さに強く、マイナス1度~2度くらいまでなら耐えられます。
ちなみに筆者の場合、マイナス4度まででも屋外で冬越しできました。ただし、「断水気味に管理している」「株が充実している(丈夫である)」ということが条件です。
気温が許す限りは屋外の日向に置きます。十分な日光と風に当てることで株がギュッと締まり、丈夫で色つやのよい姿に育ちますよ。
逆に、室内に置きっぱなしだとどうしても日光が不足し徒長します。(下写真)

徒長とは光線不足が主な原因となり、茎ばかりがひょろひょろと伸びていくトラブルのことです。

十分な日光と風に当てることで株が充実し花を咲かせることも

株が充実してくると花芽を付けてくれることも。ドルフィンネックレスの花は、グリーンネックレスや七宝樹と同じ白いポップコーンのような個性的な花です。

ただ、見た目はグリーンネックレスの花に瓜二つでも、香りは七宝樹の花譲り。つまり、ちょっぴりツンとした独特の臭いがします。人によっては「クサイ」と感じるかもしれません。

筆者の場合、株が弱ってしまうことを懸念し(独特の香りも気になったので…)、8割ほどの花芽をカットしました。

花をそのままにしていると種子を作るために栄養が花芽に移行し、元株が弱ってしまうこともあるようです。


ドルフィンネックレスの冬越しに関するよくある質問
Q1. 冬は本当に「断水気味」にして大丈夫?枯れない?
A. はい、大丈夫です。冬は完全に近い休眠期になるため、根はほとんど水を吸いません。
むしろ「水のやりすぎ」の方が根腐れや冷害の原因になります。
葉が少しシワっぽくなるくらいでOK。そこから水を与えても十分間に合います。
Q2. 冬の水やりはどれくらいのペースが正解?
A. 目安は月1〜2回。
土がカラカラに乾いてから数日放置し、暖かい時間(昼〜午後)に常温の水を与えます。
夜間の水やりは根を冷やすためNGです。
Q3. どこまで寒さに耐えられるの?
A. 目安は マイナス1〜2℃程度まで。ただし、
- 完全に断水気味
- 株が丈夫
- 濡れていない
という条件が揃っていることが前提です。
霜に当たると一気に傷むため、冷え込みが強い地域では室内避難が安心です。
Q4. 外で冬越しさせたいけど霜対策は?
A. 最低気温が0℃前後なら、
- 軒下に置く
- 夜だけ室内に取り込む
- 不織布や段ボールで覆う
などの対策がおすすめ。最も重要なのは「霜を避けること」です。
Q5. 葉がぶよぶよになったのは寒さ?それとも水のやりすぎ?
A. 両方の可能性がありますが、冬は、
- 霜・凍害 → 葉がぶよぶよ
- 根腐れ → 葉も茎も柔らかく変色
となるケースが多いです。ぶよぶよ部分は元に戻らないため、傷んだ部分だけカットして様子を見ましょう。
Q6. 日光があまり入らない室内でも冬越しできる?
A. できますが、徒長しやすくなるため、
- 南向きの窓辺
- 補光ライト
があると理想的です。
光が弱いほど、茎が細くひょろひょろと伸びていきます。
Q7. 冬でも花は咲くの?
A. 条件が揃えば咲きます。
特に屋外で日光と風にしっかり当てて育てている株は、冬〜早春に花を付けることがあります。
ただし、花を残すと株が弱る場合があるので注意。
Q8. 冬に切り戻しや挿し芽をしてもいい?
A. 基本的には春〜秋がベストですが、ドルフィンネックレスは比較的丈夫なので冬でも発根する場合があります。
ただし失敗リスクが上がるため、可能なら暖かい季節に行うのがおすすめです。
Q9. 冬の室内管理で気をつけることは?
A. 主に3つです。
- エアコンの風を直接当てない
- 日光が届く場所に置く
- 水やりを控える
特に温風 + 乾燥は葉先の傷みの原因になります。
Q10. 冬に弱ってしまった株はどうすれば復活する?
A. 春になり気温が安定してから、
- 傷んだ部分を取り除く
- 明るい場所に置く
- 徐々に水やりを再開する
ことで立て直せる場合があります。冬の間は「無理に回復させようとしない」のがコツです。
まとめ

今回は、イルカ型の可愛い多肉植物ドルフィンネックレスの冬越し方法をご紹介しました。
可愛らしい見た目とは裏腹に、ネックレス系多肉の中でもかなり丈夫で育てやすいですよ。
ちなみに、筆者はドルフィンネックレスの他にも、グリーンネックレス・三日月ネックレス・ルビーネックレス・ピーチネックレスなどを育てています。
この中でも、もっとも丈夫で増やすのも簡単なのがドルフィンネックレスとルビーネックレスでは?と感じています。
試しに冬場、挿し芽に挑戦したときもほぼ100%発根しました。

かなり丈夫なので、気温が許す限りは屋外の日光と風に当ててやるとたくましく冬を越してくれるはずですよ。

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