ふわふわの葉からただよう爽やかな香りが人気の多肉質ハーブ「アロマティカス」。
可愛いらしい見た目と香りのよさが人気のシソ科の植物です。
アロマティカスは生育旺盛で増やすのも容易。特に、春から秋の暖かい時期にはどんどんと葉を茂らせてくれます。
そんなアロマティカスですが、いつの間にか株元の茎が茶色くなって組織が硬くなる「木質化(もくしつか)」を起こしていませんか?
このままにしておいていいものか?それとも、伸びた部分をカットして挿し木で育て直した方がいいのか…。
木質化したアロマティカスに頭を抱えている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、木質化したアロマティカスをそのまま育てるべきか、挿し木で育て直すべきかを検証してみました。
ぜひ、アロマティカスのお手入れのご参考にされてください。
木質化したアロマティカスはそのままでok?
生長するにつれ株元が茶色くなる「木質化」を起こす
アロマティカスは生長するにつれ、地面近くの茎が茶色く硬化する「木質化(もくしつか)」を起こします。
ただ、木質化したからといって弱っている、育て方が悪い…ということではありません。株が充実してくるとどうしても木質化してきます。
もちろん、そのまま育てていてもokです。ではなぜ、アロマティカスの木質化を嫌う人が多いのでしょうか?
木質化した部分は脇芽が出にくく香りが劣りやすい
アロマティカスは木質化すると、どうしても鑑賞価値が下がってしまいます。言い方が悪いですが、ちょっと汚い感じを受ける方も少なくないでしょう。
また、アロマティカスの特徴といえばさわやかな香りですが、木質化した部分は緑色の部分よりも香りにくくなります。
このことから、木質化したアロマティカスは挿し芽で育て直す、という方が多いのが事実です。
さらにくわしく「アロマティカスの元気がない!原因と対処法とは?」はこちら
こんもりした姿に仕立て直すなら「挿し芽」がおすすめ
挿し芽とは、アロマティカスの茎をカットし土に挿して増やす方法のことをいいます。
上写真はアロマティカスの茎を水に差して2週間ほど経過したものです。
あとはこれを水はけの良い土に植えれば、新しいアロマティカスの鉢植えが完成します。
そして、挿し芽をして数か月もすると下写真のようにこんもりしてきます。
▲挿し芽から約2か月後
さらに生長が進むと株元が木質化してくるのですね。
▲挿し芽から約1年後。株元が木質化している。
さらにくわしく「アロマティカスの増やし方【多肉質な癒しハーブを増やそう!】」はこちら
木質化してきたら根詰まりしていないかチェックを
また、木質化しているということは株がかなり充実してきたということであり、同時に鉢内が根っこで詰まっている可能性も高いです。
アロマティカスは蒸れを嫌うため、根詰まりした状態を長く放置していると鉢内の水はけが悪くなり「根腐れ」を起こしやすくなります。(下写真)
▲根詰まりからの蒸れで根腐れ気味のアロマティカス
根腐れに発展すると、根が腐って水分や養分を吸い上げることができなくなります。結果、そのまま枯れてしまうことが多いのです。
さらにくわしく 「アロマティカスの葉が落ちるときに確認すべきこと4つ」はこちら
根腐れを防ぐためにも、木質化してきたら根詰まりしていないか確認します。根詰まりが疑われる場合は暖かい時期にひとまわり大きめの鉢に植え替えましょう。
▲根詰まりすると鉢内が根でぎゅうぎゅうになり、同時に「根腐れ」のリスクも高まる
また、これ以上鉢を大きくしたくない、という場合はさきほどご紹介した挿し芽で育て直すのがよいでしょう。
アロマティカスの挿し芽はとっても簡単で失敗しにくいのが特徴です。
さらにくわしく 「アロマティカスが枯れる原因と元気がないときの対処法を徹底解説」はこちら
まとめ
今回は、アロマティカスが木質化した時はどうすべきかをご紹介しました。
アロマティカスはとにかく生育が旺盛です。丈夫で増やすのも簡単。
▲こんもり茂りすぎたアロマティカス
ただ、上写真のように葉が茂り過ぎると風通しが悪くなり、根腐れや蒸れによりダメージを受けることもあります(特に、梅雨時期や夏場)。
この場合、伸びすぎている部分を剪定します。剪定後の姿が下写真です。
▲剪定後、スカスカになって木質化した部分が丸見えに…
このように、株元の脇芽を残しておけば、数か月もすればまたこんもり茂ってくれますよ。
そして、剪定で出たアロマティカスの葉が下写真です。
大収穫ですね。
剪定で出た茎をそのまま挿し芽にすれば、全体が緑色の新しいアロマティカスの鉢を作ることができちゃいます。
アロマティカスが木質化したら、まずは根詰まりを起こしていないか確認してみましょう。
根詰まりの症状には以下のようなものがあります。
- 鉢底から根がはみ出ている
- 土に水が浸透するまで時間がかかるようになってきた
- 表土に枯れ葉が沢山落ちている
- 株元近くの葉の色が黄色っぽくなってきた
- 1年以上植え替えていない
などの症状がみられる場合は根詰まりを起こしている可能性が高いです。
根詰まりが疑われる場合、気温が15度以上になったら鉢から一旦、株を取り出して根でいっぱいになっていないか実際に確認してみましょう。
ただ、これ以上鉢を大きくしたくないという場合は挿し芽で育て直すのがおすすめです。
もちろん、親株をさらに大きくしてカットした挿し芽を使ってさらにアロマティカスを増やしたいという方は、
「親株の植え替え」とあわせて、剪定で生じた茎を使った「挿し芽」にも挑戦してみてはいかがでしょうか?
木質化したアロマティカス、そのまま育てる?挿し芽で育て直す?
- まずは根詰まりを起こしていないかチェック
- 根詰まりが疑われる場合で親株を今後も長く育てていきたい時は、ひとまわり大きめの鉢に親株を植え替える(適期は春から秋)
- これ以上鉢を大きくしたくない場合は「挿し芽」で新しい株を作る
- 葉が茂り過ぎていると風通しが悪くなることで根腐れや蒸れ、病害虫のリスクが高くなりがち。葉が混みあっている場合は剪定で出た茎を使って挿し芽をしてみるのもよい。←筆者的には、これがもっとも手軽でおすすめ
※アロマティカスは寒さが大の苦手。気温が15度以下になると生育が鈍るため、植え替えや剪定などは気温20度以上の時期に済ませます。