丸みのある小さな葉が涼し気な印象を与えてくれる植物「シルクジャスミン」。
月橘(げっけつ)やオレンジジャスミンとも呼ばれるシルクジャスミンは、実はミカンの仲間の柑橘類です。
そのため、シルクジャスミンは葉以外にも、香りの良い花や実も楽しむことができます。
今回は、そんなシルクジャスミンの葉が落ちる原因と対処法をご紹介します。
シルクジャスミンの葉が落ちる原因

まずは、シルクジャスミンの葉が落ちる主な原因をみていきましょう。
寒さ
シルクジャスミンの原産地は東南アジアです。そのため、シルクジャスミンは暑さ強い反面、寒さには強くありません。
5度以下になると徐々に葉を落として枯れてしまいます。
過度の乾燥
シルクジャスミンは過度の乾燥にはあまり強くありません。過度の乾燥により葉が落ちることもあります。
土が乾いてからの水やりだと、やや乾燥し過ぎるかもしれません。シルクジャスミンの水やりは、土の表面が乾いてからがベストです。
ただ、冬場は乾燥気味に管理することで根腐れを防ぎます。
▶シルクジャスミンの葉がパリパリになる原因とは?枯らさないコツ3つ
日光不足
シルクジャスミンは日光を好む植物です。もちろん、室内でも育てられる観葉植物として出回ってはいますが、本来は日光を好みます。
そのため、ずっと室内で管理している場合、日光不足に陥っている可能性もあります。
日光が不足することで起こるのが「徒長(とちょう)」です。
徒長したシルクジャスミンはひょろひょろと間延びした見た目になります。徒長した株はどうしても弱々しくなり、ちょっとしてストレスで葉が落ちやすくなったりしやすいです。
徒長した植物の特徴は?
・葉と葉の間隔が広い、間延びした印象
・枝が縦方向にばかりひょろひょろと伸びている
根詰まり
長く植え替えをしていない鉢では、根がいっぱいに広がり「根詰まり」を起こします。
- 水やりしてもすぐに乾く/鉢底から水が出にくい
- 鉢底から根がはみ出している
- 生育が止まっている
こうした症状があれば根詰まりの可能性大です。
根詰まりを放置すると水や養分を吸えず、葉落ちや株の衰弱につながります。
病害虫
弱った株には「病害虫」が発生しやすく、それが葉落ちの原因になることも。
特に注意したいのは以下の害虫です。
- ハダニ:乾燥時期に発生しやすく、葉の裏に白い斑点やクモの巣状の糸が出る
- カイガラムシ:葉や枝にこびりつき、吸汁して弱らせる。放置するとベタベタ(すす病)の原因にも
対策
- 霧吹きで葉水をして乾燥を防ぐ
- 発生初期は歯ブラシや濡れティッシュで取り除く
- 被害が広がる場合は市販の殺虫スプレーを使う
▶観葉植物の害虫対策と駆除方法!虫を防ぐために押さえておくべきポイント3つ
シルクジャスミンが枯れているかどうかの見分け方
シルクジャスミンは、葉がすべて落ちても「まだ復活できる株」と「完全に枯れてしまった株」があります。
以下のポイントをチェックして、株の状態を見極めましょう。
幹や枝を軽く押すとブヨブヨしている場合
幹や枝が柔らかくブヨブヨしている場合、すでに組織が腐敗している可能性が高いです。
この状態では水や養分をうまく吸えないため、残念ながら復活は難しいでしょう。
幹や枝が固くしっかりしている場合
枝や幹を触ってみて、固さが残っている場合はまだ生きています。
葉が落ちてしまっても幹がしっかりしていれば、環境を整えることで再び新芽を出す可能性があります。
幹を少し削ってみて内側が緑色の場合
幹の表面を爪で軽く削ってみて、内側が緑色をしていれば生きている証拠です。
植物は外側が茶色くても、内部に水分や組織が残っていれば再生力があります。
幹や枝が茶色でパサパサに乾いている場合
幹の中まで茶色く乾ききっている場合は、完全に枯れてしまっている可能性が高いです。
この場合は残念ながら復活は期待できません。株を更新することを考えましょう。
新芽や芽吹きが確認できる場合
枝や幹の節から小さな新芽が出ている場合は、株がまだ生きているサインです。
新芽が出ているなら光や水分を調整してあげれば、葉が再び茂る可能性が十分にあります。
シルクジャスミンの葉が落ちる時の対処法

次に。シルクジャスミンの葉が落ちる時の対処法をご紹介します。
寒さが原因で葉が落ちている可能性が高いとき
シルクジャスミンをできるだけ丈夫に冬越しさせるには、最低でも10度は確保したいところです。
屋外で育てている場合は、最高気温が15度以下になってきたら、徐々に室内への管理へ移行します。
室内でも、できるだけ明るく風通しの良い場所で育ててあげましょう。ただし、窓際は意外に冷え込みます。
夜になったら窓から1m離すだけでも、冷え対策になるのでお試しください。
乾燥が原因で葉が落ちている可能性が高いとき
シルクジャスミンは過度な乾燥が続くと葉を落としやすいです。
でも、水を与える前に、まずは土の状態を観察してみましょう。シルクジャスミンを植え付けている土が、「乾いている」か「湿っている」かで対処法が異なります。
・土がカラカラに乾いている(鉢植えを持ち上げて軽い)⇒鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与える、葉水で株全体に霧吹きで水をかける ・土が湿っている(鉢植えを持ち上げて重い)⇒根腐れに発展している可能性があります。しばらくは乾燥気味に管理し、葉水を与えます。直射日光に当たっている場合は、半日陰に移動させ、肥料を与えずにしばらく休ませて様子をみます。 ※葉水(はみず)…霧吹きで水をかけるお手入れ方法。葉の表だけではなく裏面からもまんべんなく吹きかけるのがコツ。

日光不足が原因で葉が落ちている可能性が高いとき
日光不足による徒長が疑われる場合、徐々に慣らしながら日当たりの良い場所へ移動します。
いきなり強光の下に移動させるのは要注意
室内からいきなり屋外の日当たりの良い場所へ移動させるのは避けます。理由は「葉焼け」です。葉焼けは葉の一部が焼け焦げたように変色する生理障害のひとつです。
一度焼けた部分は元通りにはなりません。
株へのダメージを防ぐためにも、鉢植えを移動する場合は数日かけて少しずつおこないましょう。
例:室内⇒屋外の日陰(一週間程)⇒屋外の半日陰(一週間程)⇒屋外の日当たりの良い場所
※特に高温期は葉焼けのリスクが高まります。様子を見ながら少しずつ適した場所を見つけてあげましょう。

季節別|シルクジャスミンの葉落ち原因
シルクジャスミンは季節ごとに環境の変化を受けやすく、その影響で葉が落ちることがあります。
どの時期にどんな要因があるのかを知っておくと、安心して育てられます。
冬|寒さと乾燥による葉落ち
シルクジャスミンは東南アジア原産のため寒さに弱く、気温が5度以下になると葉を落とし始めます。さらに、冬の室内は暖房による乾燥も加わり、葉がしおれて落ちる原因になります。
春|植え替え後のストレスによる葉落ち
春は植え替えの適期ですが、作業後すぐは根がダメージを受けて一時的に葉を落とすことがあります。
これは株が新しい環境に慣れるまでの自然な反応で、根が回復すれば再び新芽が出てきます。
夏|水切れや直射日光による葉落ち
真夏は成長が活発になりますが、水切れすると一気に葉を落とすことがあります。
また、直射日光に当たりすぎると「葉焼け」を起こし、葉の一部が茶色く枯れ込むことも。
秋|気温低下や根詰まりによる葉落ち
秋になると気温が下がり始め、冬に備えて徐々に葉を落とすことがあります。自然な落葉であれば問題ありません。
ただし、数年植え替えていない株では「根詰まり」により養分や水分を吸えず、弱って葉を落とすケースもあります。
まとめ|シルクジャスミンの葉落ちは原因を見極めれば復活できる
シルクジャスミンは、寒さや乾燥、日光不足、根詰まりや病害虫など、さまざまな理由で葉を落とすことがあります。
しかし、葉が落ちたからといってすぐに枯れたわけではありません。
幹や根が生きていれば、新芽を出して再び元気に育つ可能性は十分あります。
- 冬は寒さと乾燥対策をしてあげる
- 春の植え替え後はストレスに注意
- 夏は水切れ・葉焼け防止を心がける
- 秋は自然な落葉と根詰まりの見極めが大切
これらのポイントを押さえて適切にケアすれば、シルクジャスミンはまた青々とした葉を茂らせてくれるでしょう。
👉 葉が落ちても慌てず、原因を見極めて対処することが長く楽しむコツです。
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