光沢のある艶やかな濃いグリーンの葉が美しいコーヒーの木。ホームセンターや園芸店のみならず、100円ショップなどでも入手できる人気のグリーンです。
そんなコーヒーの木ですが、店頭に並ぶものの多くが、高さ30cm未満の幼木である場合が多いです。そして、「コーヒーの木がなかなか大きくならない…」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、コーヒーの木がなかなか大きくならない理由と、なかなか大きくならない時の対処法を合わせてご紹介します。
コーヒーの木が大きくならない時の原因と対処法とは?
せっかくなら大きく育てて長く楽しみたいですよね。コーヒーの木を育てていく上で気を付けたいのが「寒さ」「根詰まり」「日光不足」の3つです。
コーヒーの木が大きくならない原因①寒さ
▲寒さで弱り気味のコーヒーの木…
コーヒーの木の原産地はエチオピア南西部の高地です。そのため、コーヒーの木は一年を通して暖かく風通しのよい場所を好みます。生育適温は15度~25度くらいです。
そのため、日本の冬はコーヒーの木にとって大きな試練となります。コーヒーの木が耐えられる寒さは8度程度までです。
15度以下になると徐々に生長が緩慢になり、水を吸い上げる力も弱まります。
寒さが厳しい冬場は、コーヒーの木の生長は「一旦止まるもの」と認識し、できるだけ株を弱らせずに暖かくなる春を待つのがよいでしょう。
最低気温が15度以下になってきたら水やりの間隔を空けて耐寒性を確保
最低気温が15度を下回るようになったら水やりの間隔を空けて冬越しに備えましょう。寒さの厳しい時期は、樹液濃度を高くすることで耐寒性を確保します。
寒さの厳しい冬場の水やりの目安は、月に1~2回程度です。土がしっかりと乾いて、さらに2~3日ほど経過してから30度程度の常温の水を与えましょう。以下表は、コーヒーの木の季節別の水やり目安になります。
約20度~30度未満(春~秋) | 土が乾いたらたっぷりと与える |
最低気温が15度以下(秋~冬) | 土が乾いてさらに2~3日経ってから常温の水を暖かい時間帯に与える(月1~2回ほど) |
ちなみに、「土の乾き具合がイマイチ分からない…」という方は、水やりチェッカーを活用すると管理が楽になるだけでなく、根腐れも防ぐことができますよ。(下写真)
▲土に挿すだけで土の乾き具合が分かる
- 土が濡れている時⇒水色
- 土が乾いている時⇒白
あわせて読みたい「コーヒーの木 冬の管理方法【冬越し3つのコツ!】」はこちら
コーヒーの木が大きくならない原因②根詰まり
コーヒーの木は春から秋にかけての暖かい時期には非常によく育ちます。そのため、最低でも2年に1回は植え替えが必要になるでしょう。
「暖かい時期のはずなのになかなか新しい葉が展開しない」「葉先が茶色く枯れるようになってきた」「水やり後、水分がなかなか土に浸み込まない」
上記のような症状がみられる場合、まずは鉢底から根がはみ出ていないか確認してみましょう。
▲鉢底を覗いてみて根が出ていれば根詰まりサイン
鉢内が根でいっぱいになる根詰まりを起こしている場合、根がスムーズに水分や養分を吸い上げられず、生育に影響を及ぼしている恐れがあるからです。
また、鉢底から根が出ていなくとも、土がカチコチに固まっている場合は土の劣化によって排水性が悪くなっていることも考えられます。
▲鉢底から根は出ていなかったが鉢内は根が詰まっている状態…
根詰まりを解消することはもちろん、古くなった土を更新してやる目的でも1~2年に一度の植え替えが必要になります。
ただし、冬場の植え替えは避けた方が無難です。コーヒーの木は何といっても寒さで弱りやすい植物です。
コーヒーの木の植え替え適期は春から秋の暖かい時期になります。最低気温が15度以下になったらできるだけ植え替えは避け、暖かくなるのを待ちましょう。
さらにくわしく 「コーヒーの木 葉先が枯れる原因と対処法を徹底解説します」はこちら
地上部に比べて想像以上に根が広がる傾向がある
コーヒーの木は地上部の大きさに比べて地中の根が想像以上に広がる傾向にあります。たとえば下写真のコーヒーの木をご覧ください。
▲元気そうに見えるコーヒーの木
こちらの株は植え替えをして一年ほど経過しています。鉢と株のバランスが丁度良いようにも見えますが、鉢から株を取り出して見ると…。
▲コーヒーの木の根鉢(ねばち・根と土の塊のこと)
すでに鉢内が根でぎゅうぎゅう詰めになり根詰まりを起こしていました。コーヒーの木の場合、葉先が茶色くなってきたら根詰まりしていることが多いです。
この場合は、ひとまわり大きめの鉢植えに植え替えてやります。
▲植え替え後のコーヒーの木
根詰まりした状態を放置し続けた場合、生育に影響を及ぼす(なかなか大きくならない)だけでなく、鉢内の水はけが悪くなることで根腐れを引き起こすリスクも高くなります。
暖かい時期に根詰まりに気付いたら、できるだけ早めにひとまわり大きめの鉢へ植え替えてやりましょう。
あわせて読みたい 「コーヒーの木が元気ない…原因は?元気がないときの対処法も」はこちら
コーヒーの木が大きくならない原因③日光不足
植物を大きく育てるために欠かせないのが「日光」「水」「風」の3つです。これらの中でも、室内に置きっぱなしにしていると不足しがちなのが「日光」と「風」でしょう。
特にコーヒーの木は幼木の方が耐陰性が強く、観葉植物として見かけることが多い傾向です。
しかし、コーヒーの木は生長とともに株が大きくなると、より多くの日光を欲するようになります。
そのため、一年を通して室内に置きっぱなしにしていると、どうしてもなかなか大きくならず、ひょろひょろとした弱々しい姿になりがちです。
とはいえ、コーヒーの木は直射日光によって葉焼けを起こしやすいという特徴もあります。室内であれば南向きの窓際のレースカーテン越しがおすすめの置き場所です。
▲葉焼けしたコーヒーの木の葉…
また、同じ室内でも、お部屋の中心部や壁際などは、日当たりのよい窓際と比べて、日光の量や風通しの面で大きく差が出ます。
※耐陰性(たいいんせい)とは?…日光が少ない室内でも生育する力のこと
じゃあ、コーヒーの木を大きくしたい場合は一体どこに置けばいいの?
コーヒーの木を大きくしたい場合、一年中室内に置きっぱなしにするのはおすすめしません。なぜなら、植物が大きく育つ上で欠かせないのが「風」だからです。
植物は風を受けることで気孔の開閉が活発になり、光合成もさかんになるといわれています。
そこで、以下ではコーヒーの木を大きくしたい方におすすめの「季節別の置き場所」をご紹介します。ただ、栽培環境によっても最適な置き場所は異なります。あくまで目安としてご参考にされてくださいね。
20度~28度未満の春~秋 | 室内の窓際(窓は基本、開けた状態)or屋外の半日陰、直射日光や西日が心配な場合は夜間から朝にかけてのみ屋外に出し、朝になったら取り込む(朝晩に15度以下にならない場合)。 |
30度以上の真夏 | 室内のレースカーテン越しの窓際or屋外の日陰(直射日光、西日×)。とにかく葉焼けに注意。 |
最低気温が15度以下になる秋~冬 | 室内の窓際。暖かい日中は窓を開けて風通しよく。 |
15度以下の真冬 | 室内の窓際。夜になったら窓から1~2m離し冷えを防ぐ。 |
※気温が許す限りはできるだけ屋外に置き、十分な風通しと日光に当てることで生育をよくすることが出来ます。ただし、直射日光によって葉が焼けやすいので葉の異変に気付いたらできるだけ早めに対処(場所の移動or遮光ネットを使用等)します。
あわせて読みたい「コーヒーの木が葉焼けする原因とは?葉が焼けたときの対処法」はこちら
冬場は光線不足によって葉の色つやが悪くなりがちだが、そこは焦らずグッと耐える
気温や日照時間が不足する冬場は、どうしてもコーヒーの木の色つやが落ちてくるでしょう。
そんな時に、「今日は暖かそうだし、久しぶりに日光浴させてあげよう!」と、屋外に鉢を移動させるのは危険です。
その理由は、久しぶりに屋外の日に当てることで葉焼けを起こすリスクが高まるからです。また、うっかり寒さに当たって株を弱らせてしまうことも考えられます。
▲寒さと葉焼けで傷んだコーヒーの葉…
冬場のコーヒーの木はどうしても元気がなくなります。そこで焦らずグッと堪え、暖かい春がくるまでは基本の管理を続けるのがおすすめです。
▲暖かくなれば生育がさかんになり、また新しい葉を見せてくれる
もちろん、生育が緩慢な冬場の施肥は逆に根を傷める原因になることもあるため、基本的に必要ありません。
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まとめ
今回は、コーヒーの木が大きくならない主な原因とその対処法をくわしくご紹介しました。
コーヒーの木がなかなか大きくならない…と感じられているのが冬の場合、寒さによって生育が緩慢になっている可能性が高いです。ここは冬越しに焦点を当ててグッと堪えましょう。
コーヒーの木がなかなか大きくならない・新しい葉が出てこないと感じているのが、春から秋にかけての暖かい時期の場合、根詰まりや光線不足などにより生育が遅くなっていることも考えられます。
特に肥料を与える場合、必ず事前に根詰まりしていないか確認してみてください。根詰まりしたまま肥料を与えると、根が傷んでしまう恐れがあるからです。
コーヒーの木が大きくならない3つの理由
- 寒さ(15度以下)
- 根詰まり
- 日光不足
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