・ポインセチアは寒さに弱く、冬は最低10℃、できれば15℃以上をキープ
・水やりは土が乾いてから2~3日後、昼間の常温水を少量与える
・夜間の窓際は避け、室内中心部で管理して寒さを防ぐ
クリスマスの定番として知られるポインセチア。
でも、実は寒さに弱いことをご存じですか?
今回は、ポインセチアを長く美しく楽しむための冬の管理ポイントと、寒さで元気がなくなったときの復活手順をご紹介します!
ポインセチアの寒さ対策!冬に押さえておくべき3つのポイント

ポインセチアの原産地は、メキシコや中南米など一年を通して暖かい地域。実は、意外にも寒さに強くない(むしろ弱い)のがポインセチアなのですね。
そのため、一般家庭でポインセチアを冬越しさせるには、いくつかのポイントを抑えておく必要があります。
今回はポインセチアを冬越しさせるコツを3つにまとめて分かりやすく解説します。
最低でも10度を確保

ポインセチアの生育適温は20度~30度くらいです。15度以下になると生長がほぼ止まり、10度を下回ると徐々に弱って5度以下になると葉が落ちてしまいます。
ポインセチアの美しい姿を保つためには最低でも10度、できれば15度は確保したいところです。
ポインセチアの近くには温度計を置き、寒くなり過ぎていないかときどきチェックしましょう。
室内でも注意したいのが夜間の窓際!

「室内に置いているし、寒さは問題ないよね。」
このように思われている方も多いのではないでしょうか?しかし、室内であっても冷え込みやすいのが「朝晩の窓際」です。
ポインセチアは日当たりのよい場所を好みます。そのため、窓際に置くのがベストです。

しかし、日が暮れた後の冬の窓際は、朝晩にかけて想像以上に冷え込みます。さらに、夜間は暖房を切る方も多いでしょう。
夜になったら鉢を窓から1~2mは離し、できればお部屋の中心近くへ鉢を移動します。翌日、気温が上がってきたら元の場所に戻しましょう。
あわせて読みたい「ポインセチアがしおれる原因とは?しおれた時はどうすべき?」
水やりは土が乾いて2、3日してから

気温が15度以下となる冬のポインセチアは生長が緩慢になっています。それと同時に、根が水分を吸い上げる力も弱くなっているのですね。
そのため、冬場も暖かい季節と同じ間隔で水やりを続けていると、根が吸いきれずに残った水分が長く鉢の中に停滞することとなります。
すると、根が常に湿った状態となり根腐れを引き起こすことも。さらに、冬に起こしがちなのが「根の冷え(水温の低下)による根腐れ」です。
鉢内に溜まったままの水分が朝晩の冷え込みでキンキンに冷やされ、そのまま根にダメージを与えてしまうのですね。

そのため、水やりを控え目にすることはもちろんですが、水を与える時間帯にも注意が必要です。
夜の灌水は控え、できるだけ暖かい時間帯に30度程度の常温の水を与えます。水やりのタイミングは、土が乾いてさらに2~3日程してからです。
このように、冬場は水やりを控え目にすることで植物の樹液濃度を高め、耐寒性を付けることができます。
水やり後はしっかりと水気を切り、受け皿に溜まった水もこまめに捨てます。汚れた水をそのままにしていると、根腐れや病害虫の発生を招くこともあるからです。
▲夏場のポインセチアは土が乾いたタイミングでたっぷりと水を与えます
サスティーを使って水やりの失敗を防ぐ!
「冬の水やりは土が乾いて2~3日ほどしてから、ということは分かった。でも、土が乾いた時ってどうやったら分かるの?」
土が乾いた状態を確認する方法は、「鉢を持ち上げて軽い」「土に指を2~3cmほど差して水気を感じない」「鉢底から見える土がカラカラに乾いている」などです。
普段から水やり後の鉢の重さと、乾いている時の鉢の重さを実際に持って、感覚を覚えておくのがおすすめです。
とはいえ、いちいち鉢を持ち上げたり、土の乾き具合をチェックするのは、管理している鉢植えが多いほど大変な上、面倒ですね。
そんな時に重宝するアイテムがサスティーです。(下写真)
▲土が乾いたら「白」、濡れていれば「青」
スティック状のチェッカーを土に挿しておくだけで、土の乾き具合を色で確認できるアイテムです。
これなら一目瞭然ですね。冬の場合は、チェッカーが白になって2~3日してから、土全体が湿る程度に水を与えます。
水やり後はできるだけ風通しのよい場所に置き、根腐れを防ぎましょう。
扇風機やサーキュレーターをフル活用
ポインセチアを冬越しさせる上で気を付けたいのが「蒸れ」です。
冬場の室内は暖房を効かせているため、窓を閉め切ることが増えますね。
すると、風通しが悪くなることで湿気が一か所に停滞し、根腐れや病害虫のリスクを高めてしまいます。
▲窓を閉め切った室内に置きっぱなしにしていると害虫が湧くことも…
とはいえ、寒さの厳しい冬場に窓を頻繁に開け閉めするのは現実的ではありません。そんな時に活躍するのが扇風機やサーキュレーターです。
サーキュレーターは電気代も安い!

サーキュレーターや扇風機を使うことで、室内の停止していた空気を動かすことができます。
すると、一か所に溜まっていた湿気や冷気、暖気などがかき混ぜられ、空気の流れを作ることが出来ます。
特に、冷気は下に溜まるという性質を持ちます。逆に、暖気は天井近くに溜まるのですね。
▲床に直接置かないことも寒さ対策になる
特にサーキュレーターは直線的な風で効率的に空気をかき混ぜてくれます。サーキュレーターをうまく活用することで、暖房を効率的に使えるようにもなります。
その結果、電気代の節約も期待できるのですね。さらにサーキュレーターは電気代も安く、1日回しっぱなしにしても約12円です。


ポインセチアが寒さで枯れる典型例|こんな症状は要注意!
ポインセチアは南国原産のため、寒さに当たるとすぐに体調不良のサインが表れます。
「これって寒さのせい?」と判断しやすいよう、典型的な症状を写真つきで分かりやすくまとめました。
① 葉が下向きに垂れる(しんなりしている)

寒気に当たったポインセチアは、まず葉がしんなりと垂れ下がるのが特徴です。
水切れとよく似ていますが、水切れの場合は土がカラカラ。一方、土が湿っているのに葉が垂れる時は寒さの疑いが大です。
② 葉の縁が黒くなる(低温障害の初期サイン)
寒さによるダメージが進むと、葉先や葉縁が黒く変色します。
これは「低温障害」と呼ばれる症状で、5〜10℃の冷え込みに数時間さらされるだけでも発生します。
とくに夜間、窓際に置いたままにすると翌朝この症状が出ることが多いです。
③ 葉がポロポロ落ちる(急激な温度変化)
ポインセチアは寒さでストレスがかかると、葉を守るために落としてしまう習性があります。
以下のようなときに落葉が多発します。
- 夜の冷え込みが5℃以下
- 暖房を切った直後の急激な温度差
- 玄関など外気が入りやすい場所に置いている
④ 土は湿っているのにしおれる(根が冷えて水を吸えない)
根が冷えすぎると、ポインセチアは水分を吸い上げられずにしおれてしまいます。
冬の鉢内は冷えやすく、
- 夜間に冷たい水を与えた
- 外気の伝わる窓際に置いていた
- 受け皿に水が溜まっていた
などで根が冷え、水切れに似た「低温しおれ」が起こります。
この場合、水を足しても改善せず、暖かい場所へ移動することで回復します。
寒さのサインを見つけたら、まずすべきこと

ポインセチアに寒さの症状(葉が垂れる・縁が黒い・落葉など)が出た場合は、
できるだけ早く環境を整えることが回復のカギです。下記の5つをすぐに試してみてください。
① 窓際 → 部屋の中央へ移動する
夜間の窓際は室温より5〜10℃も低くなることがあります。
寒さの症状が出た時は、まずは窓際から1〜2m離し、部屋の中央など暖かい場所へ移動させましょう。
② 受け皿の水をすべて捨てる
受け皿にたまった水は、夜間に冷えて根を一気に冷やす原因になります。
落葉やしおれが出ている場合は、すぐに受け皿の水を捨て、鉢底を乾かすことが重要です。
③ 夜間の暖房を見直す(最低10℃以上をキープ)
ポインセチアは10℃を下回ると葉が落ち始めるため、夜間の設定温度が低すぎると症状が悪化します。
最低でも室温10℃以上、できれば12〜15℃を保つのが理想です。
④ 次の水やりまで数日空ける(根の冷え防止)
寒さで弱った根は水を吸えないため、濡れた土が続くとさらに根が冷えて根腐れに進行します。
土が濡れている場合は、最低2〜3日、水やりを空けて様子を見るようにしましょう。
⑤ 暖房の直風・冷気の直撃を避ける
暖房の風は葉を乾燥させ、冷気は低温障害を悪化させます。
症状が出た時は、直風の当たらない場所に置き直すことが大切です。
ポインセチアが寒さでダメになりかけた時の復活手順

STEP1|まずは暖かい場所へ移動(最優先)
寒さダメージを受けたポインセチアは、根が吸水できず“生理的しおれ”を起こしていることが多いです。
最初にすべきは 「10〜15℃以上の場所に移動」 すること。
- 窓際 → 部屋の中央へ
- 玄関 → 暖房のある部屋へ
- 暖房の直風が当たらない位置を選ぶ
ここで水やりは絶対にしない。冷えて弱った根に水を与えると、逆に傷みが進みます。
STEP2|鉢底の状態チェック(過湿がないか)
寒さに加えて “土が湿ったまま” の状態は最悪の組み合わせ。
鉢を軽く持ち上げて、重いようなら水分過多の可能性が高いです。
- 受け皿の水は捨てる
- 鉢底の通気を確保(スノコやスタンドに乗せる)
- 鉢を新聞紙やキッチンペーパーの上に置き、余分な水分を吸わせるのも有効
STEP3|葉の状態を見て“切り戻すか”判断
寒さで傷んだ葉は、黒ずんだり変色したりして元に戻りません。
無理に残すとカビの原因になるため、以下の葉はカットします。
- 黒く変色した葉
- ぐったり垂れ下がった葉
- 軽く触れるだけで落ちる葉
葉がすべて落ちても、茎が緑なら復活可能です。
STEP4|水やりは3〜5日後。土が完全に乾いてから最低2日待つ
寒さダメージ後は根が吸い上げる力が弱っています。
その状態で水を与えると 根腐れへ直行 します。
復活の鉄則
- 土が乾いてから 2日以上 待つ
- 昼間(10〜15時)の暖かい時間に少量与える
- 冷水はNG。常温の水を使う
STEP5|日中は明るい場所で光合成させる
暖かく日当たりのよい室内に置き、葉が残っている場合は光合成を促します。
ただし、直射日光は避けて レースカーテン越しの柔らかい光 が理想です。
STEP6|1〜3週間は様子を見る(変化の目安)
復活の目安は下記のとおり:
- 茎が固く・緑色 → 復活の可能性が高い
- 茎が黒ずむ・柔らかい → 回復は難しい場合も
- 新芽が動き始めたら完全復活コース
よくある質問(FAQ)10選
Q1:ポインセチアは何度以下で危険になりますか?夜間の最低温度はどれくらい必要ですか?
A: ポインセチアは寒さに弱く、夜間は最低でも10℃以上を目安にしてください。12〜15℃あれば安心。5℃前後に長時間さらされると葉の落下や低温障害(葉縁の黒ずみなど)が起こりやすく、回復が難しくなることがあります。夜間は窓際を避け、部屋の中心に置くなど温度管理を心がけましょう。
Q2:冬の水やりはどれくらいの頻度で行えばいいですか?
A: 冬は生長が鈍るため水の消費が少なくなります。土が乾いてからさらに2〜3日待ってから昼間の暖かい時間帯に常温の水を与えます。受け皿に水をためない、夜の水やりは避ける、という点も重要です。鉢を持ち上げて重さで判断するか、サスティーなどの水分計を使うと失敗が減ります。
Q3:ポインセチアの葉が急にしおれました。対処方法は?
A: まず窓際から暖かい場所(部屋の中央)へ移動し、受け皿の水を捨てます。土が湿っている場合は数日水やりを控え、鉢底を乾かします。葉が黒く変色しているものは切り戻し、茎の色が緑であれば回復する可能性が高いです。茎が柔らかく黒ずんでいる場合は回復が難しいため、早めに処置(切除や廃棄)を検討してください。
Q4:葉の縁が黒くなってきました。これは病気ですか?
A: 多くの場合、低温障害(寒さ)によるものです。冷気や夜間の低温にさらされると葉先や縁が黒ずみます。まずは置き場所と温度を見直し、黒くなった葉は取り除くと見た目も衛生面も改善します。黒変が広がる・茎まで黒くなる場合は別の病気(カビや根腐れ)も疑うので、湿度と土の状態も確認してください。
Q5:ポインセチアの葉が落ち続けます。助かりますか?
A: 葉が落ちても茎の状態が緑でしっかりしていれば復活可能です。まずは環境改善(暖かい場所・風通しの確保・受け皿の水捨て)を行い、土が乾いたら少量の水を与えます。茎が黒ずんだり柔らかくなっている場合は回復が難しいことが多いです。完全に枯れているかどうかの判断は、茎を爪で軽くこすって緑色が出るかで確認できます。
Q6:暖房のある部屋に置いてもいいですか?注意点は?
A: 暖房は基本OKですが、風が直接当たらない場所を選んでください。直風は葉を乾燥させて傷めます。加湿器を併用して室内の乾燥を和らげると葉の乾燥予防になります(ただし葉に直接水滴を大量にかけない)。床暖房の上に直置きすると鉢底が過熱することがあるので、台にのせて空気を通しましょう。
Q7:買ってきたばかりのポインセチアがすぐに元気がなくなった。原因は?
A: 流通・販売時の温度ストレスや輸送中の低温、または水やり不足/過多が原因であることが多いです。買ってきたらまず室温に慣らし(温度ショックを避け)、受け皿の水を確認し、直射日光の強い場所は避けて明るい室内に置くこと。購入直後はすぐに肥料は与えず、環境に馴染ませてから通常管理に戻しましょう。
Q8:ポインセチアに適した置き場所(部屋別)は?寝室や玄関でも大丈夫?
A: 日当たりの良いリビングや窓辺の明るい場所(昼間)が最適。ただし夜間は窓際を避けて暖かい場所に移動するのが理想です。玄関は外気の影響を受けやすく寒暖差が激しいため冬は不向き。寝室は暖房の設定によりますが、暖房直風や極端な温度差が避けられるなら問題ありません。
Q9:冬に肥料はあげていい?与えるならいつから?
A: 冬(生育が止まる時期)は基本的に追肥は不要です。早春、成長が再開する頃(気温が安定して15℃前後)になってから、薄めの液体肥料や緩効性肥料を少量から始めると安全です。冬に無理に肥料を与えると根に負担がかかりやすいので避けてください。
Q10:ポインセチアはペットや子どもに有害ですか?安全性は?
A: ポインセチアはトウダイグサ科で、茎や葉に刺激性の乳液(白い汁)が含まれており、口や皮膚に刺激を与えることがあります。一般的には致命的な毒性は低いとされていますが、誤食した場合は吐き気や腹痛、皮膚に触れると炎症が出ることがあるため、ペットや小さな子どもの手の届かない場所に置くことをおすすめします。万が一大量に食べた・異常が出た場合は獣医師や医師に相談してください。
まとめ

今回は、寒さが苦手なポインセチアを冬越しさせるコツを3つご紹介しました。
冬の寒さが大の苦手のポインセチア。おうちに迎え入れたらできるだけ日当たりのよい、暖かい場所に置いてあげます。
ただし、エアコンや暖房の温風が直接当たらないよう注意。乾燥で葉が傷んでしまうからです。
暖かく風通しのよい場所で乾燥気味に管理するのが、ポインセチアを冬越しさせるコツですね。
また、葉が乾燥で傷みやすいため、ときどき霧吹きで水分を吹きかける「葉水」をしてやるのもおすすめです。

あわせて読みたい「ポインセチアの花が終わったらどうする?長く楽しむための方法」
ポインセチアの寒さ対策!長く楽しむためのポイント3つ
- 最低でも10度は確保、できれば15度欲しい
- 水やりは土が乾いて2,3日してから常温のものを与える
- 扇風機やサーキュレーターをフル活用し風通しを確保
ポインセチアの人気topics
「ポインセチアの元気がない…原因は?対処法まで解説」はこちら
「ポインセチアを大きくする方法を分かりやすく解説します!」はこちら
「ポインセチアを赤くする方法を分かりやすくご紹介します」はこちら


