「発財樹」ともよばれるパキラは縁起のよい観葉植物として人気のインテリアグリーンです。ふっくらとした幹から伸びる枝先には、放射状にツヤのある葉が広がります。
そんなパキラですが、なんとなくボリュームが無くなってスカスカな見た目になってはいませんか?
そこで今回は、パキラの枝を増やして丈夫な株に育てる方法をご紹介します。
パキラの枝の増やし方!ボリュームのある元気な株にする方法
パキラの枝を増やしてボリュームのある元気な株に育てたいという場合、まずは、「パキラが観葉植物である」ということを忘れる必要があります。
本来のパキラは太陽の光をさんさんと浴びながら、高さ15m以上にもなる大木です。年中室内に置きっぱなしでも枯れることは少ないものの、どうしても弱々しい姿に変わっていきます。
パキラの枝の増やし方 手順①春~秋にかけて十分な日光と風に当てる
パキラの枝を増やしてボリュームのある丈夫な株にしたい場合、生育期である春から秋にかけては屋外に置いてみましょう。
数日かけて少しずつ日光に慣らすことで、葉が傷むのを防ぐことができます。いきなり直射日光に当てると、葉が焼け焦げたり色抜けしたりする「葉焼け」を起こしやすいので注意しましょう。(下写真)
外に出す目安は、「最高気温が安定して15度以上になってきたら」です。ただし、10度以下になる場合は暖かい室内へ戻します。パキラは寒さが苦手です。
植物は風に当たることで葉の裏にある気孔の開閉が盛んになり、光合成がより活発におこなわれるようになります。
室内では風通しの面で、どうしても屋外には敵いません。
ただし、30度以上になる真夏は直射日光により葉焼けを起こす可能性もあります。25度以上になってきたら半日陰に移動させるのが無難です。遮光ネットを利用するのもよいでしょう。
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すでにひょろひょろに伸びたパキラの枝はどうすべき?
日光不足により枝ばかりがひょろひょろと間延びする症状を徒長(とちょう)といいます。そして、残念ながらすでに徒長した枝を元通りにすることはできないのですね。
この場合、生育が盛んになる春頃に思い切って間延びした枝をカットしてしまうという方法もあります。
すべての枝葉を切って幹だけにする「丸坊主」という剪定方法もありますが、心配な場合は枝を数枚残して特にひょろひょろな枝をカットするのでもよいでしょう。
▲丸坊主にしたガジュマル
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暖かい時期であれば、1か月もすれば幹から新しい丈夫な枝が出てきてくれるはずですよ。ただし、冬場の切り戻しは避けてください。そのまま弱ってしまうリスクがあるからです。
切り戻し後は、できるだけ暖かく風通しの良い場所で管理を続けましょう。水やりは土がしっかりと乾いてから与えます。
▲剪定前のパキラ
▲剪定後のパキラ
パキラの枝の増やし方 手順②春~秋にかけては肥料を与えて生育を促す
パキラの生育がさかんになるのは気温が15度以上になる春から秋にかけての暖かい時期です。
つまり、この時期に十分な日光と風に当たることで生育がより盛んになります。
生育が盛んな時期は根が水分を吸収する速度も冬場よりも早いです。この時期は、肥料を与えることでより生育をよくすることもできます。
液体肥料や固形肥料などを適切に与えることで、より株を丈夫にして枝を増やすことも期待できます。
おすすめは効果の分かりやすいハイポネックス
筆者のおすすめは効果の実感しやすいハイポネックスです。ホームセンターや園芸店には必ず置いてある液体肥料のひとつですね。
見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?(下写真)
これを土が乾いたパキラに水で薄めて与えます。観葉植物の場合は約500倍に薄めて与えましょう。
水やりとして与えることで、より生育をよくし葉の色艶もよくしてくれますよ。
ハイポネックスの原液はブルーです。そのため、水で薄めると上写真のようなライトブルーになります。
受け皿に溜まった水はこまめに捨てることで、風通しをよくし根腐れや病害虫を防ぐことができます。パキラは多湿を嫌うため、水やり後はしっかりと水気を切ることが大切です。
基本的に、冬場の肥料は不要です。
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パキラの枝の増やし方 手順③冬場は10度以下を避けて乾燥気味に管理、葉水はまめに
春から秋にかけて枝を増やしたパキラ。秋から冬にかけて気温が下がってきたら室内へ移動させます。
理由は、パキラは寒さが苦手だからです。中南米が原産のパキラは暑さには強い反面、寒さには非常に弱いです。
パキラが耐えられるのは5度程度までといわれますが、丈夫な株を保つなら最低でも10度、できれば15度は保ちたいところです。
また、気温が低い時期のパキラは生長がほぼ止まる休眠期を迎えています。そのため、暖かい時期に比べると水を吸い上げる力自体が弱くなります。
そのため、春から秋にかけての時期と同じ感覚で水やりしていると招きがちなのが根腐れです。
冬場の水やりは、「土が乾いてさらに3~4日ほどしてから」が基本になります。乾燥気味に管理することで樹液濃度を高め、耐寒性をつけられるのですね。
とはいえ、地上部は乾燥すると葉が傷む原因にもなります。乾燥する時期は1日に数回、霧吹きで水分を吹きかける葉水(はみず)をしてあげましょう。
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まとめ
今回は、パキラの枝を増やしてボリュームのある元気な株にする方法をくわしくご紹介しました。
本来は日光を好むパキラ。耐陰性があり乾燥にもよく耐えるため、日本では「手のかからない観葉植物」として知られています。
とはいえ、植物を丈夫に育てる上で欠かせないのが「日光」「水」「風」です。
これらの条件を十分に満たしてあげることで、パキラをより元気に保つことができますよ。ぜひ、試してみてくださいね。
パキラの枝を増やして丈夫な株に育てる方法【手順】
- 春から秋にかけては屋外に置き十分な日光と風を確保する
- 暖かい時期は肥料を与えることでさらに生長を促す
- 冬は最低でも10度は保ち、乾燥気味に管理することで耐寒性を高める
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