オリヅルランの葉先が枯れる原因は?対処法も

葉先が枯れたオリヅルラン 観葉植物
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爽やかな葉色と垂れ下がる子株が涼し気な雰囲気を醸し出してくれる植物「オリヅルラン」。丈夫で園芸初心者でも育てやすく、園芸店やホームセンターなどでも見かけることの多い植物ですね。

そんなオリヅルランですが、「葉先が枯れる」「葉先が茶色く変色してしまった」ということがよくあります。

今回は、オリヅルランの葉先が枯れる原因と対処法をくわしくご紹介します。

葉先が枯れたオリヅルラン
葉先が枯れたオリヅルラン

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ボタニカルライター。農業高校で園芸を専門に3年間学ぶ。現在は熱帯原産の観葉植物を中心に自宅で100種類ほど植物を育成中。主に観葉植物に関するお役立ち情報を発信中!

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オリヅルランの葉先が枯れる原因は?

まずは、オリヅルランの葉先が枯れる主な原因を見ていきましょう。

オリヅルランの葉先が枯れる原因①「根詰まり」

オリヅルランは春から秋にかけて非常によく生長します。そのため、何年も植え替えないままだとどうしても鉢内が根でいっぱいになる「根詰まり」を招きやすいです。

根詰まりしたオリヅルランは、根が水分や養分をスムーズに吸収できずにうまく生長できなくなり、葉先が枯れる原因となります。

根詰まりしたオリヅルランの根鉢
オリヅルランは生育旺盛!
鉢底をのぞいてみよう!
根詰まり
根詰まりによって行き場を失った根っこ

根詰まりのサインとしてもっとも分かりやすいのが、「鉢底からはみ出た根っこ」です。上写真はカポックという植物の鉢底ですが、かなり根詰まりしているのが分かります。

これだけ根が詰まると、徐々に葉が茶色や黄色に変色してきます。そして、オリヅルランの場合には、根詰まりにより「葉先が枯れる」という現象が起きやすいです。

穴の少ない鉢植えの場合は要注意

穴の少ない鉢植えの場合、鉢底から根っこが見えていなくても根詰まりしている場合があります。また、オリヅルランの根っこは太いため、なかなか鉢底から出てこないことも。

例えばこちら。下写真のオリヅルランは葉先が茶色く枯れています。

オリヅルランの葉先が枯れている

根詰まりが原因の場合、「鉢底から根っこが出ている」ということがひとつの目安になります。見てみましょう。

オリヅルランの鉢底
一見、根詰まりしている様子はありませんが…

いかがですか?根っこがはみ出ている様子はありません。しかし、よーく穴の中をご覧ください。なんとなく白い物体が見えます。

このような場合、実際に鉢から株を取り出して見るのが早いです。鉢の側面をこぶしでトントンと叩き、すぐに株が取り出せたら根詰まりの可能性は低いでしょう。

しかし、「なかなか鉢から株が抜けない…」という場合、根がびっしり詰まって根詰まりしている可能性が高いのです。

実際に、こちらのオリヅルランを鉢から取り出して見ましょう。

オリヅルランの根っこ

鉢底からは根がはみ出ていなかったのにも関わらず、こんなに根が詰まっていました。これだけ根が張っていると鉢から取り出すのも一苦労です。

ちなみにこちらのオリヅルラン、4月に一度植え替えています(現在9月上旬)。これだけ生長が早く、根が詰まりやすいのがオリヅルランの特徴です。

そのため、最低でも年に1回は植え替えないと高確率で根詰まりを起こします。

オリヅルランの葉先が枯れる原因②「寒さ」

寒さに弱いオリヅルラン

オリヅルランは、熱帯アフリカやインドなどが原産地の植物です。そのため、暑さには強いものの寒さにはあまり強くありません。

寒さに当たることで葉先が黒くなったり、葉がしおれたりすることもあるでしょう。

オリヅルランの美しい葉を傷めることなく、できるだけ丈夫な株姿を保ちたいのであれば、寒さを避ける必要があります。

オリヅルランが枯れないための最低温度は5度程度です。

オリヅルランの葉先が枯れる原因③「水不足」

オリヅルランの水やりを長い間忘れていると、葉先から茶色く枯れてきます。土が乾いていたらたっぷりと水を与えましょう。

ただ、オリヅルランの根は太く水分をたくさん蓄えています。そのため、乾燥には非常に強いです。

とはいえあまりにも乾燥状態が続くと、葉先から枯れてくるので気を付けましょう。

土が乾いてから水やりしてるのになかなか水分が土に浸み込まない場合

オリヅルランの表土が乾いてから水やりしているのに、「なかなか水分が土に浸み込んでいかない」「浸みこむまで時間がかかる」という場合、根詰まりを起こしている可能性が高いです。

オリヅルランはとにかく生長が早いです。春に植え替えても秋には根詰まりを起こすのは珍しくありません。

葉先が枯れる原因が他に見当たらない場合、とりあえず鉢から株を取り出してみましょう。根が詰まっていたらひとまわり大きな鉢に植え替えます。

ただし、冬場の植え替えは避けましょう。オリヅルランの植え替えに適しているのは、4月~9月頃までです。

オリヅルランの葉先が枯れる原因④「直射日光」

オリヅルランは半日陰程度の日当たりで丈夫に育ちますが、真夏の直射日光は「葉焼け」の原因になります。葉焼けとは、強すぎる日光によって葉が焦げて黒く変色するトラブルです。

葉焼け

ただ、オリヅルランが葉焼けしている場合、葉先だけではなく葉のいたるところに茶色っぽいシミが現れます。

特に、色素が薄い葉の白い部分が葉焼けしやすいです。高温によって葉焼けリスクは高まるため、真夏の直射日光は避けます。

消去法でオリヅルランの葉先が枯れている原因を探ろう

いかがでしたか?ここまでで思い当たる項目はあったでしょうか。現在の管理方法や置き場所、葉の様子などを考慮した上で原因を探ってみましょう。

  • 鉢底から根っこがはみ出ている⇒根詰まりのサイン
  • 鉢底から根がはみ出ていなくても根詰まりの可能性あり(鉢底の穴が小さい場合)⇒実際に取り出してみる
  • 何年も植え替えていない⇒オリヅルランは少なくとも2年に1回、できれば毎年植え替るのが理想的
  • 冬でも屋外に置いている⇒寒さで葉が傷んでいる可能性あり
  • 葉先だけではなく葉のいたるところに茶色のシミがある⇒直射日光により葉焼けを起こしている可能性が高い
  • 土が乾ききらないうちに水やりしている⇒根腐れによって葉が傷んでいる可能性もあり

あわせて読みたい「オリヅルランの育て方 水やり方法、置き場所などを解説!」はこちら

オリヅルランの葉先が枯れたときの対処法は?

次に、オリヅルランの葉先が枯れた際の対処法をご紹介します。

すでに枯れてしまった部分は、残念ながら元通りにはなりません。枯れた葉先のみカットしても構いませんが、再発させないためには管理方法や置き場所を見直す必要があります。

オリヅルランの葉先が枯れた時の対処法①「植え替え」

「オリヅルランを何年も植え替えていない」

「鉢底から根っこが出ている」

このような場合、根詰まりが原因で葉先が枯れている可能性が高いです。場合によっては、春先に植え替えたにも関わらず、秋には根詰まりを起こすこともある程、オリヅルランは春~秋にかけてよく育ちます。

葉先が枯れたオリヅルラン
葉先がカラッカラに枯れています
オリヅルランの植え替えは暖かい時期に済ませよう

オリヅルランの植え替えをする場合、生長期である春から秋が適期です。冬場は植え替えによって株にダメージを与えることになるため、できるだけ避けます。

植え替えの際には、現在よりもひとまわり大きめの鉢を選択しましょう。具体的に言うと、現在の鉢よりも直径が3cm程大き目のものが相応しいです。

いきなり大きすぎる鉢に植え替えると、吸いきれずに残った水分が根を腐らせる「根腐れ」を引き起こすことがあります。

植え替えようの鉢を用意
事前に鉢底石と用土を入れて準備しておく

オリヅルラン植え替え【手順】

  1. 適期は春~秋まで(暖かい時期に済ませる)
  2. ひとまり大き目の鉢、鉢底石、水はけの良い土、割りばしを準備
  3. 新しい鉢に鉢底石を入れ、用土を鉢の1/3程度入れる
  4. オリヅルランを鉢から取り出す(鉢の側面をこぶしでトントン叩くと振動で抜けやすい)
  5. 根鉢を1/3程崩して古い土を割りばしでつついてある程度落す(下写真)
  6. 高さを調節しながら株を新しい鉢の中央に配置
  7. 根と鉢の隙間に用土を入れる(隙間ができないよう割りばしで軽くつつきながら作業するとうまくいく)
  8. 最後にたっぷり水やりする
  9. 風通しの良い半日陰で休ませる(株に触れて抵抗を感じるくらいまで)
オリヅルランの根鉢
古い根鉢はだいたいで構わないので落しておく
「そうはいっても冬に根腐れに気づいてしまった…」という場合

冬にオリヅルランの根腐れに気づいた場合、できるだけ暖かくなるまで待つのが無難です。葉先が枯れるだけではなく、株全体が弱ってきたという場合のみ、できるだけ暖かい場所で植え替えを済ませます。

この場合、根鉢(根っこと土の塊)には触らず、できるだけ植え替え作業を早目に終わらせます。また、冬のオリヅルランは根腐れを起こしやすいため、水やりは控え目にしましょう。

オリヅルランの根っこ
オリヅルランの根っこは太く、水を貯えることができるため株は乾燥に強い!

あわせて読みたい「オリヅルラン 冬の管理方法のコツ3つ!【冬越しの方法】」はこちら

オリヅルランの葉先が枯れた時の対処法②「直射日光を避ける」

オリヅルランは日当たりの良い場所を好みますが、直射日光を当てると葉焼けを起こしやすいです。特に真夏は要注意。西日も避けます。オリヅルランは半日陰でもよく育ちます。

オリヅルランに適した半日陰とは
  • 日光の当たっている場所のすぐ隣の陰
  • こもれびのような場所(日光がまだらに当たる)
  • レースカーテン越しの光
  • (ルクス値は、約10000~15000)
こもれび

オリヅルランの葉先が枯れた時の対処法③「10度は確保する」

オリヅルランの生育適温は15度~25度くらい。前述したように、オリヅルランは暑さには強いですが、寒さにはあまり強くありません。

冬場はできるだけ室内に避難させましょう。最低でも10度くらいは確保することで、株姿を綺麗に保つことができます。

冬場、窓際は朝晩の冷え込みに注意

冬場は日光不足になりがちです。できるだけ日当たりの良い場所に置いて管理します。

ただ、窓際は朝晩の冷え込みがきついため注意が必要です。夜になったら部屋の中央あたりに移動させるなどして冷気を避けます。

風通しの悪くなる冬場は害虫にも注意

冬場は暖房を付けることが増え、窓を閉め切ることが増えます。そのため、どうしても風通しが悪くなりがちです。

風通しが悪くなることで起こりやすいのが、カビや害虫による被害です。定期的に空気の入れ替えをするのが理想的ですが、冬場は難しいですね。

そんなときは、扇風機やサーキュレーターを活用しましょう。室内の空気を動かすことで、植物にとっても人間にとっても快適な環境になります。

ときどきは葉水もして、葉の乾燥を防ぐとともに害虫も予防しましょう。

サーキュレーター
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あわせて読みたい「サーキュレーターと扇風機の違い【植物に適しているのは?】」はこちら

人気急上昇中のオリヅルラン「ボニー」

最後に、今話題のオリヅルランをご紹介します。「ボニー」という品種で、くるくるとカールした葉が可愛らしい新しいオリヅルランです。

葉が内側にツイストしたオリヅルラン「ボニー」

ボニーは葉が内側に向かってくるんとカールしたような姿が特徴のオリヅルランです。オランダで誕生した新しい品種だそうですよ。

まだなかなか出回っていないため、見つけたら必ず購入したいオリヅルランです。子株もくるくるしていますね。

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まとめ

今回は、オリヅルランの葉先が枯れる主な原因と対処法をくわしくご紹介しました。

オリヅルランはさわやかな見た目が人気の理由ですが、実は、空気清浄効果も非常に高いといわれています。

特に、シックハウス症候群の原因といわれる「ホルムアルデヒド(有害性のある揮発性化学物質)」の除去能力に長けているのがオリヅルランだそう。

エコプラントとしてもすぐれるオリヅルランは、室内に一鉢は置いて育てたい植物のひとつですね。今回の記事を参考に、ぜひ、魅力てんこ盛りのオリヅルランを育ててみてください。

オリヅルランの葉先が枯れる主な原因
  1. 根詰まり⇒オリヅルランは非常に根詰まりしやすいためまずは根詰まりしていないか確認しよう
  2. 寒さ
  3. 水不足⇒根詰まりによって水分や養分がうまく吸収できていない場合もある
  4. 直射日光による葉焼け
オリヅルランの葉先が枯れたときの対処法
  • 2年以上植え替えていない、鉢底から根が出ている植え替える
  • 直射日光に当てている半日陰へ移動し様子を見る
  • 寒さに当てているできるだけ寒さは避ける(最低でも10度は欲しい)
  • 土が乾かないうちに水やりしている土が乾いてからが基本

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