美しい仏炎苞が魅力的なスパティフィラム。すっきりとしたフォルムがインテリアとも馴染みやすい人気のインドアグリーンです。
ただ、せっかく育てるならできるだけ色つやよく丈夫に育ててあげたいですよね。そこで今回は、スパティフィラムにおすすめの肥料と、その使い方をくわしくご紹介します。
スパティフィラムにおすすめの肥料とその使い方とは?
スパティフィラムは比較的に肥料を好む観葉植物です。肥料を与えるのは生育がさかんになる気温20度~25度程度の時期がおすすめ。
冬場の施肥は基本的に不要です。適期ではない施肥は根を傷める原因にもなるため避けましょう。
スパティフィラムは開花期が長いため肥料を好む傾向
スパティフィラムの開花時期は5月~10月頃までですが、環境さえ整えば一年中花を咲かせてくれる植物です。
適切に肥料を与えることでより長くスパティフィラムの品のある花を楽しむことができるでしょう。
また、肥料が不足すると、下葉が黄色っぽく変色してきたり、葉の色つやが悪くなってきたり(主に薄くなる)、花付きが悪くなってくるなどの症状が出始めます。
スパティフィラムにおすすめの肥料はハイポネックス
では、スパティフィラムに適している肥料はどのようなものでしょうか。ホームセンターや園芸店にはさまざまな肥料が並んでおり、どれを選べばいいか分からないという方も多いでしょう。
筆者のおすすめは液体肥料の代名詞ともいえる「ハイポネックス(原液)」です。(下写真)
1978年から販売され続けている定番の液体肥料で、一度は見かけたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
ときどき、スーパーにも置いてあります。これを暖かい時期に水で薄めて月に1~2回与える、これだけです。
気温が15度~30度程度の時期は2週間に一度の施肥
スパティフィラムの生育が旺盛になるのは、気温が15度~30度程度の暖かく過ごしやすい時期です。
この時期は根が水分をよく吸い上げます。そのため、肥料を与えるのに適した時期と言えますね。
この時期にハイポネックスを水で約500倍に薄め、春から秋にかけての暖かい時期に水やりとして月に1~2回ほど与えます。これだけです。
逆に、気温が15度以下となる時期は根が水分を吸う力が弱まります。
そのため、冬場の施肥は吸いきれずに鉢内に残った水分・養分によって根を傷め根腐れを引き起こすことがあるため、冬場の施肥は避けます。
また、30度以上となる高温期は葉焼けを起こして株が弱っていることも考えられます。その場合は肥料を与えるのをお休みするのが無難です。
土の表面に置くだけのプロミックも便利
また、春先に土の表面に置き肥しておくのもおすすめです。水やりの度に成分が溶けだして効果を発揮してくれます。
なかでも「プロミック」はにおいがほとんどなく、室内でも清潔に使用することができるのでおすすめですよ。効果は約2か月になります。
効果を早く実感しやすいのが液肥、ゆっくり長く効くのが置き肥
「じゃあ、結局、液肥(ハイポネックス)と置き肥はどっちがいいの?」
このように思われるでしょう。答えは「それぞれの株の状態に合わせて使い分ける」です。
人が使う薬にたとえるならば、置き肥は漢方のようなイメージで、液肥は薬のようなイメージでしょうか。
株の状態を見ながら使い分けるor併用する
筆者の場合は、
「春先に置き肥⇒気温が安定して20度以上になってきたら月に1~2回ほどの液肥⇒気温が15度以下になったら肥料をやめる」
という使い方をしていますが、葉の色や花付きなどをみながらお好みで調整してもいいと思います。ただし、肥料のあげすぎはいけません。逆に株を傷めてしまうことになるからですね。
これは人間にとっての薬と同じで、たくさん飲めばいいというものではないのと同じでしょう。
筆者の場合は鉢植えが多いため、春先にハイポネックスの800mlボトルを1本購入し、秋までに使い切るようにしています。もちろん、小さなボトルもありますよ(他には160ml、450ml)。
ちなみに、「表面に錠剤(置き肥)が見えるのがあまり好きではない」という方は、あらかじめ土に混ぜ込んでおくタイプの緩効性肥料(ゆっくり長く効くタイプ)もあります。
こちらは「マグァンプK」という商品です。プロミックと同じくにおいがほぼ無いので、室内でも清潔に使えますよ。
ちなみにマグァンプKは土に混ぜ込んでから効き目が約一年も続きます。そのため、春先に植え替える場合はこちらを使った方がその後の手間を省けるのでおすすめですね。
筆者の場合は、マグァンプKを土に混ぜた場合はプロミックは使わず、その後はハイポネックスを月に1~2回与えるのみです。
やはり、肥料を忘れていると葉の色が薄くなってきたり、全体の色つやが購入時よりも悪くなってくることが多いですよ。
▲冬場、葉の色がくすんできたスパティフィラム
特に、スパティフィラムの場合はそれが顕著に感じます。(上写真)
肥料を与える前には根詰まりしていないかを確認しよう!
スパティフィラムに肥料を与える場合、まずは根詰まりを起こしていないか確認しましょう。
根が過密になっている状態で肥料を与えると、そのまま鉢内に停滞した養分によって根を傷めてしまう恐れがあるからです。
根詰まりしたままの施肥は根を傷める原因になりえる
上写真のスパティフィラムは2年以上株分けしていません。そのため、鉢から葉がはみ出て大きな株に見えますね。
上写真は1枚目のスパティフィラムの内部です。大きく見えた株は、実は小さな株の集合体となっていました。スパティフィラムは親株のまわりに子株を増やしながら生長していく植物です。
そのため2年以上株分けしないままだと、根元が詰まって新しい葉や花芽が付きにくくなってきます。
根詰まりを解消した上で適切に肥料を与えよう!
▲株分け後のスパティフィラム
根詰まりした状態での施肥は、逆に根を傷めて根腐れを招く原因にもなりえます。肥料を与える場合は根詰まりしていないかを確認した上で適切に与えましょう。
▲スパティフィラムの花芽
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まとめ
今回は、スパティフィラムにおすすめの肥料とその使い方をご紹介しました。
他の多くの観葉植物に比べ、花を咲かせるスパティフィラムには肥料が欠かせないものになります。
もちろん、肥料なしでもすぐに枯れるということはないものの、花付きが悪くなったり、色が薄くなったりといった症状が出てくることが多いです。
とはいえ、肥料の与えすぎは禁物ですね。また、生育が緩慢になる時期の肥料も控えましょう。
スパティフィラムにおすすめの肥料とその使い方
- まずは根詰まりしていないかを確認し、詰まっているなら鉢替え・株分けを検討
- 根詰まりが解消できたらしばらくは風通しのよい半日陰で根が活着するのを待つ
- 土の表面に置き肥(プロミック)し様子をみて液肥(ハイポネックス原液)も併用する、あらかじめ土にマグァンプKを混ぜておくのもよい
- 気温が15度以下になったら肥料は基本、与えない
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