「気づいたらスニーカーに雑草の種子のようなものがたくさんついていた…」
「子供の靴下やズボンにひっつき虫が大量についてしまっている…」
知らないうちに人の靴や衣類にくっついてイライラさせられる迷惑な「ひっつき虫」。
ひっつき虫とよばれる植物はいくつかありますが、近年、爆発的に増えているのが「アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)」という名の雑草です。
その名の通り、荒れ地化した空き地にいつの間にか増殖している雑草で、種子が靴や服にひっつくという迷惑な特徴をもちます。
ただ、自宅の敷地内にアレチヌスビトハギが増殖したら困りますよね。そこで今回は、アレチヌスビトハギを増殖させないための対策と駆除方法をご紹介します。

アレチヌスビトハギの駆除と対策3つ
まずはじめに、アレチヌスビトハギを完全に駆除するのはかなり困難です。その理由は、アレチヌスビトハギのもつ「地下茎(ちかけい)」にあります。
地下茎は地中に存在する茎のことで、アレチヌスビトハギの場合、この地下茎が非常に硬く太いのです。
とはいえ、放置したままではアレチヌスビトハギがどんどん増えてしまいます。ここでは、アレチヌスビトハギを減らすためにできる対策を3つご紹介します。
アレチヌスビトハギ駆除と対策①小さいうちに刈り取る
アレチヌスビトハギには硬く太い地下茎があります。そのため、根本的な解決にはなりませんが、これ以上増やさないためも「小さいうちにできるだけ摘み取っておく」のが効果的です。
そして、刈り取ったアレチヌスビトハギは、必ずゴミ袋に詰めて分別し、適切に処分することが大事です。少なくとも、花が咲く9月~10月前に刈り取ります。理由は、花が咲いた後では種子ができてしまうから。
そのまま近くに捨ててしまうと種子がこぼれ、さらに増殖することにもなりかねません。

ただ、冒頭でお伝えした通り、アレチヌスビトハギは強靭な地下茎をもちます。そのため、地上部分を綺麗に刈り取っても、時間が経てば元通り復活します。
少なくとも関東以西では冬を越し、暖かくなるとアレチヌスビトハギの新芽が出てきて元通りです。
アレチヌスビトハギの駆除と対策②熱湯をかけてみる
「できるだけ薬剤を使いたくない」という方におすすめなのが、熱湯をかけるという方法です。「とりあえず見えている部分の雑草を手っ取り早く枯らせたい」という場合に効果的でしょう。
ただ、アレチヌスビトハギの場合、効果はあったとしても一時的なものです。地中にはアレチヌスビトハギの強靭な地下茎が存在します。
アレチヌスビトハギを本気で駆除したいのであれば、強靭な地下茎にダメージを与える必要があります。
※熱湯を使用する際は火傷に十分お気を付けください。誤って足元にかかることのないよう十分お気を付けください。
アレチヌスビトハギの駆除と対策③地下茎に効果のある除草剤を使う
アレチヌスビトハギの地下茎は木質化(もくしつか)しているものが多いです。非常に硬く、手作業ではとても取り切れません。
この場合、地下茎に効果のある除草剤を使用するのが効果的です。1回での駆除は困難な場合が多く、数回はかかると覚悟しておいた方がよいでしょう。
かけた雑草だけに効果を発揮し、土に落ちた成分は微生物に分解される除草剤
アレチヌスビトハギを効果的に減らすためには、根まで効果のある除草剤を使用する必要があります。
おすすめは「ラウンドアップ マックスロードAL(家庭用除草剤)」という商品です。
- 葉から入って根まで枯らす
- 容器からそのままシャワーするだけ(分量を量ったり、薄める必要が無い)
- かけた雑草のみに効果を発揮する
- 土に落ちると効果を失くす
- 万が一、土に落ちた成分は自然に分解される
- アミノ酸系の除草剤である
アレチヌスビトハギを駆除するためには、地下茎まで効果が期待できる除草剤が不可欠です。
最近では、上記のような高性能の除草剤を使用することで、土壌に負担をかけることなく雑草を駆除することもできます。
アレチヌスビトハギとは?【ひっつき虫の正体】

「服とか靴下とかスニーカーとか、とにかく色々なものにくっついてしまう」
「洗濯してもくっついたまま…」
大迷惑な雑草のひとつ・アレチヌスビトハギについてくわしくみていきましょう。
アレチヌスビトハギはマメ科ヌスビトハギ属の雑草
大迷惑なひっつき虫の正体のひとつアレチヌスビトハギ。北アメリカ原産の帰化植物です。
アレチヌスビトハギは、生長すると背丈が1mほどになります。
花は紫色で夕方になると閉じて赤色に。豆状の種子が成ります。
※帰化植物…外来種。人為的な手段で持ち込まれた植物。特に栽培したわけでもないのに勝手に増えて、野生化したものをいう。
アレチヌスビトハギは非常に繁殖能力が高い

非常に高い繁殖能力をもつアレチヌスビトハギ。抜いても抜いても、茎が木みたいに強靭です。
さらに、地上部を除去しても硬い根っこが地中に残ったままだと、翌年、そこからまた復活します。
大きく育ったアレチヌスビトハギの茎は道端で横に倒れ、そこに通りかかった人の靴や衣類に種子がひっつくことが多いです。
アレチヌスビトハギの種子は丸みのある三角形をしており、緑色から茶色に変わります。

小さな株に見えても強靭な地下茎が存在する場合が多い
下写真はアレチヌスビトハギです。まだまだ小さいですね。手で簡単に引っこ抜けそうです。

では、実際に引っ張ってみましょう。すんなりと抜けてくれるでしょうか。

かなり力を入れて引っ張りましたが抜けません。指が擦れて痛みがでる程です。これが、アレチヌスビトハギが迷惑といわれる原因です。
実際に引っ張ってみるとお分かりいただけると思いますが、雑草というより木に近いです。かなり地中深くまで木質化した根が張っていると考えられます。
やはり、アレチヌスビトハギの駆除は一筋縄ではいきませんね。
まとめ

今回は、アレチヌスビトハギの駆除と対策を3つご紹介しました。
アレチヌスビトハギは非常に繁殖力が高く、気づいたときには「あたり一面がアレチヌスビトハギになっていた…」ということも決して珍しくありません。
筆者の住む関西地方でも、数年前まではアレチヌスビトハギをときどき見かける程度でしたが、ここ最近は一気に増えています。

「ひっつき虫」として、さまざまな場所に運ばれ勢力を拡大しているアレチヌスビトハギ。大繁殖して手に負えなくなる前に、見つけたら小さいうちに抜き取ることが大切です。
今回の記事をご参考に、アレチヌスビトハギの駆除と対策をしてみてください。
アレチヌスビトハギ駆除と対策3つ
- 小さいうちに抜き取る(刈り取る)
- 熱湯をかけてみる
- 地下茎まで効果が期待できる除草剤を使う

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