葉に空いた丸い穴がエキゾチックな雰囲気を醸し出す人気の観葉植物・マドカズラ。
個性的な姿が魅力ですが、寒さが苦手なため、冬の管理には少し工夫が必要です。
そこで今回は、マドカズラを枯らさずに冬越しさせるための3つのコツを詳しくご紹介します。
マドカズラを冬越しさせる！簡単な3つのコツとは？
では、マドカズラを冬越しさせるコツ3つをみていきましょう。
コツ①10度は保つ
マドカズラは寒さに強く、5度程度までなら耐えられます。
しかし、マドカズラの魅力である美しい葉をよりよい状態で保つのであれば、冬場であっても最低10度は必要です。
適温は20度～30度になります。
室内でも油断は大敵！冬にマドカズラが弱るよくある原因
「室内に置いているし寒さ対策は大丈夫！」
このように思われる方も多いでしょう。しかし、室内であっても油断は大敵です。
室内で冬場に植物が弱る原因としてよくあるのが、「窓際の冷え込みによるダメージ」「水やり後の冷え込み」「風通しの悪さによる根腐れ、害虫」です。
特に、戸建て住宅の場合は集合住宅に比べて夜間に冷え込みやすい傾向にあります。夜になったら窓から1～2mは離して寒さを防ぎましょう。
できればお部屋の中心近くに移動させられると寒さ対策として効果的です。
コツ②乾かし気味に管理
冬場はマドカズラの生長が緩慢になる時期です。そのため、暖かい時期と比べて根が水を吸う力自体が弱まっています。
この状態でいつものように水を与えてしまうと吸いきれずに残った水分が長く鉢内に停滞することになります。
すると、吸いきれずに残った水分が冷えて根を傷める原因となりやすいです。また、根腐れの心配もあります。
冬の水やりは控え目にするのが基本です。
また、水やりの際には常温(30度程度)の水を使用し、できるだけ暖かい時間帯(午前中ころ)に水やりを済ませましょう。
夜間に与えると、そのまま鉢内で水温が低下し冷えによって株を弱らせてしまう可能性も大いにあるからです。
水やり後はしっかりと水を切る
水やり後に受け皿に溜まった水はこまめに捨てましょう。
受け皿の汚れた水をそのままにしておくと、根腐れだけでなく病害虫の温床ともなりやすいからです。
また、鉢内の余分な水分をできるだけ排出させておくこともポイント。
水やり後、受け皿に水がで切った後に、キッチンペーパーやいらない布などを折りたたんで鉢底に敷きます(下写真)。
余分な水分を出しておくことで、冷えによる根へのストレスや根腐れリスクを低くします。
コツ③こまめな葉水(はみず)
水やりを控え目にしているとどうしても葉が乾燥してきます。
葉が乾燥するとしおれてきたり、ハダニ(吸汁によって株を弱らせる害虫)がつきやすくなるため、こまめな葉水で株全体を保湿してあげます。
葉水のポイントは、葉の表面だけでなく裏面・葉の付け根、茎など全体的に水分を吹きかけることです。
マドカズラが好む温度と湿度【目安】
・温度
⇒20度～30度
・湿度
⇒40％～70％
※秋や冬場は湿度が40％以下になることが多いため気を付ける
冬のマドカズラにやってはいけない3つのNG習慣
① 土が乾いたらすぐ水やりする
冬は気温が低く、マドカズラの生長がゆるやかになります。
この時期に土が乾くたびに水を与えていると、吸いきれずに鉢内に水が滞留し、根腐れを起こす原因に。
冬は「乾いてさらに数日経ってから」を目安に水やりするのがポイントです。
② 暖房の風が直接当たる場所に置く
エアコンやストーブの風が直接当たると、葉が乾燥してチリチリになったり、葉焼けを起こすことがあります。
また、温風と冷気の差で株がストレスを感じやすくなります。暖房の風が当たらない場所を選びましょう。
③ 夜間に窓際へ放置する
夜になると窓際は外気の影響で急激に温度が下がります。
日中は日当たりを確保するために窓辺に置いてもOKですが、夜は窓から1〜2mほど離して部屋の中心近くに移動させましょう。
冷気を避けるだけで、冬のダメージを大幅に減らせます。
私のマドカズラ冬越し体験談：購入から復活まで
5年前のクリスマスに、割引されていたマドカズラを購入しました。
当時はハイドロカルチャーとして売られていたのですが、実際に家に持ち帰ってみると、根腐れを起こして弱っている状態でした。
葉も少なく元気がなく、正直「大丈夫かな…」と不安になったことを覚えています。
根腐れ株を復活させるまで
まずは株を土から取り出し、水はけのよい土に植え替えました。
その後は暖かい室内で管理し、何とか春まで持ちこたえさせることができました。
この期間は、ゆっくり観察しながら水やりを控えめにして、株が無理なく回復できる環境を意識しました。
春以降の急成長
春が訪れると、マドカズラは一気に葉を茂らせ、鉢が見えなくなるほどボリュームが出てきました。
あのとき丁寧に冬越しをしてよかったと実感した瞬間です。
葉水の注意点
また、マドカズラの葉は新芽のときにくるくると巻いて出てきます。
このとき、葉水をして巻いた隙間に水が残ってしまうと、葉が開いた際に茶色く傷むことがあります。
私も何度か経験しましたが、この点だけは注意が必要です。
マドカズラ 冬のよくある質問【FAQ】
Q1. 冬でも肥料を与えたほうがいい？
A. 冬の間は肥料は与えなくて大丈夫です。マドカズラは寒い時期になると生長がほとんど止まります。その状態で肥料を与えると、株が吸収しきれず「肥料焼け」を起こすことがあります。春になって生長が再開してから、少量ずつ与えるのが安全です。
Q2. 葉が黄色くなってきたけど、枯れた？
A. 葉が黄色くなるのは、一時的な寒さや乾燥の影響かもしれません。根が健康であれば、春になれば新芽が出て再び元気になります。焦って株全体を処分する必要はありません。
Q3. 冬でも外に出していい？
A. 冬の屋外管理はおすすめできません。マドカズラは寒さに弱く、5度以下になると葉や茎が傷みやすく、最悪の場合枯れてしまいます。冬は室内で管理しましょう。
Q4. 暖房の効いた部屋に置いても大丈夫？
A. 基本的には問題ありませんが、注意点があります。暖房の風が直接葉や株に当たると乾燥や葉焼けの原因になるため、風が直接当たらない場所に置きましょう。また、冬場は室内が乾燥しやすいので、加湿器や葉水で湿度を保つと安心です。
Q5. 葉が丸まってきたけど病気？
A. 多くの場合、乾燥のサインです。空気中の湿度が低いと葉が丸まって水分を保持しようとします。霧吹きで葉水を行い、葉や茎に適度な湿度を与えることで改善します。
Q6. 冬に植え替えてもいい？
A. 冬は植え替えを避けましょう。寒い時期に根を触ると株に負担がかかり、回復が遅れることがあります。安全なのは春（5〜6月頃）で、気温が安定してから植え替えを行うのがおすすめです。
Q7. 水やりを忘れてしまった場合は？
A. 葉がしおれていても、根が生きていれば回復可能です。まずは少量のぬるま湯を与え、株全体を乾燥させないように様子を見ましょう。急にたくさん水を与えると根が傷むことがあるので注意してください。
Q8. マドカズラの葉にカビのような白い粉が出た場合は？
A. 乾燥や風通しの悪さが原因で、白い粉（カビやカビ状の汚れ）が発生することがあります。見つけたら、柔らかい布やティッシュでやさしく拭き取り、風通しを改善してください。株を湿度が高すぎる場所に置かないことも大切です。
Q9. 照明が暗い部屋でも冬越しできる？
A. 日当たりが十分でない場合は、植物用のLEDライトを補助的に使うと安心です。光が少ないと生長が遅くなり、葉が薄くなったり黄変することがあります。ライトは1日6〜8時間を目安に当てるとよいでしょう。
▶観葉植物の育成をサポート！失敗しない植物育成ライトの選び方とは？
Q10. 枝先を切っても大丈夫？
A. 冬の剪定は控えましょう。切り口が冷気にさらされると傷みやすく、病気のリスクも高まります。剪定は春に生長が始まってから行うと、株への負担が少なく安全です。
まとめ
マドカズラを冬越しさせるポイント
- 温度は最低でも10度を保つ
- 水やりは控えめに、乾かし気味に管理
- こまめな葉水で湿度をキープ
モンステラの仲間でもあるマドカズラは、高温多湿を好む熱帯植物です。
寒さ対策と乾燥対策を意識すれば、冬でも美しい葉を楽しむことができますよ。
