光沢のある色鮮やかな仏炎苞が美しい観葉植物「アンスリウム」。熱帯アメリカ原産で600種類以上あるといわれています。
そんなアンスリウムの魅力といえば美しい花ですね。しかし、しばらく育てているうちに花が付かなくなってしまったという方も多いのではないでしょうか?
花は付かないのに、葉っぱばかりはどんどん茂っている…一体、なぜ?
そこで今回は、葉っぱばかりになったアンスリウムについてくわしく見ていきましょう。
アンスリウムが葉っぱばかりになる主な原因と対処法
まずはじめに、アンスリウムが花芽を付ける条件が「一つの株が充実している」ということです。
そんなことない。葉がこんなに生い茂っているんだから、株は充実しているはずだ!
このように思われた方。ここで注目したいのが、充実させるべきはあくまで「一株」であるということ。くわしく見ていきましょう。
葉っぱばかりが茂って花芽が付かない場合、株元が詰まっている可能性が高い
アンスリウムは生長とともに、元株のまわりに子株が増えていきます。
そのため、何年も植え替えないままでいると、株元がぎゅうぎゅうに詰まって花芽が出にくくなっていることが多いのです。
株元が詰まると花芽は出にくくなります。また、鉢内の水はけ・通気性が悪くなることで根腐れも起こしやすくなるのです。
株分けは春から秋の暖かい時期に済ませよう
株分けは植物にとって大きな負担となるため、植え替えと同じく、春から秋の暖かい時期におこなうのが適しています。
2年以上植え替えていない場合、暖かい時期に植え替えて根元の詰まりを解消しよう
株分けすることで鉢内の詰まりを解消し、葉だけでなく花芽が出やすくなるのですね。
下写真はアンスリウムと同じく子株を増やしながら生長する観葉植物「スパティフィラム」です。
しかし、葉っぱばかりが生い茂って花芽がまったくついていません。本来のスパティフィラムはこんな感じ。(下写真)
アンスリウムと同じく美しい仏炎苞をつける熱帯性の観葉植物です。
実際に株分けしてみましょう
では、さきほどの葉っぱばかりになったスパティフィラムを鉢から取り出してみましょう。実際に株分けしてみます。
鉢から取り出し、株元を広げてみると…。
親株のまわりにびっしりと子株がついていますね。分けてみましょう。
なんと、一株に見えていたスパティフィラムは20個以上の子株の集合体となっていました。
これでは鉢内がぎゅうぎゅう詰めになり、花芽どころか生長自体スムーズにいきません。
その後、子株はそれぞれの鉢に分けて植え付けました。しばらくして花芽がつきましたよ。
こんな感じで、アンスリウムの場合も2年以上株分けしていない場合、鉢内が詰まっている可能性があります。
株詰まりによって鉢内が小さな株の集合体となっている場合、株分けで詰まりを解消してやると、葉だけでなく花芽も出やすくなることがあります。
まとめ
ということで、今回はアンスリウムが葉っぱばかりになる主な原因とその対処法をご紹介しました。
もちろん、花芽が付かずに葉っぱばかりになる原因は株詰まりだけではありません。他にも、「肥料のやり過ぎ」「寒さ」「光線不足」なども考えられるでしょう。
しかし、少なくとも色つやのよい葉っぱが生い茂っているという場合、今回ご紹介した「株詰まり」が関係している可能性は高いです。
とはいえ、気温の下がる秋から冬に植え替えや株分けを敢行するのは控えましょう。
春から秋の暖かい時期、最低でも20度以上ある時期に、一度鉢から取り出して株が詰まっていないかチェックしてみてくださいね。