「ツピタンサスの冬越しって難しいの？」
寒くなると葉がしおれたり、落ちてしまって不安になりますよね。
ツピタンサスは丈夫な観葉植物ですが、熱帯原産のため寒さにはやや弱い性質があります。
とはいえ、室内の温度・水やり・置き場所の3つを意識すれば、冬でも元気に育てることができます。
この記事では、ツピタンサスが冬に枯れる原因と、初心者でもできる冬越しのコツをわかりやすく解説します。
ツピタンサスの冬越しが難しいと言われる理由
原産地が熱帯で寒さに弱い
ツピタンサスは、東南アジアなどの熱帯地域が原産の植物です。
高温多湿な環境を好み、生育に適した温度はおおよそ20〜30℃といわれています。
寒さで起こるトラブル例
気温の低下によって、葉がしおれたり黒ずんだりすることがあります。
さらに冷え込みが続くと、葉が次々と落ちて茎が変色する「低温障害」を起こすことも。
ツピタンサスの冬越し！ポイントはたった3つ
すっきりしたフォルムの子葉が洗練された雰囲気のツピタンサス。
同じシェフレラの仲間であるホンコンカポックが強健なのに比べ、ツピタンサスはやや寒さに弱い傾向にあります。
①最低でも15度はキープ
ツピタンサスの生育適温は20度以上です。熱帯アジアが主な原産地であるツピタンサスは暑さには強い反面、寒さにはあまり強くありません。
耐えられる寒さは5度程度までといわれますが、ツピタンサスの美しい葉を保つためには最低でも10度、できれば15度はキープしておくのが理想的でしょう。
温度計をチェックする習慣をつけよう！
ツピタンサスを置いている場所の近くに温度計を置いてみましょう。昼間は暖かくても夜になると想像以上に冷え込むことも多いです。
特に、アパートやマンションなどの集合住宅に比べ、戸建て住宅は暖房を消した後の冷え込みが顕著な傾向にあります。
また、ツピタンサスを健康に保つには湿度も大切です。理想は60％以上ではありますが、冬の室内はどうしても乾燥しますね。
そんな時は霧吹きで葉の表や裏に水を吹きかけてあげます。これを葉水(はみず)といいます。葉水は害虫予防にも効果的です。
▲葉の表面に溜まった埃もときどき優しく拭ってあげよう！
②水やりは土が乾いて3～4日してから
ツピタンサスは、気温が15度くらいまで下がると生育が徐々に鈍くなり休眠に入ります。
気温が下がるのと同時に弱まるのが「根っこが水を吸う力」です。つまり、暖かい時期に比べ、冬は水やり後の土が乾ききるまで時間を要するようになります。
根っこは呼吸しているため、土が湿った状態が長く続くと腐ってしまいます。これが「根腐れ(ねぐされ)」です。
冬は水のやり過ぎによる根腐れを起こしやすいため注意が必要になります。15度以下になる冬は、土が乾いてさらに3～4日してから常温の水を与えましょう。
冬の水やりは難しい…そんな時のお助けアイテムも！
土が乾いたかどうかの確認方法は、「鉢を持ち上げて軽い」「土に指を2～3センチほど入れて湿気を感じない」などです。
とはいえ、どうしても感覚頼りになってしまいがち。これでは確実性も低く、ついつい水を与えすぎてしまうことが多いです。
そんな時に便利なのが水やりチェッカーです。
スティックタイプのチェッカーを土に差しておくだけで、土の乾き具合を測定し、最適な水やりのタイミングを色で確認することができます。
絶対に枯らしたくないお気に入りの鉢植えに使うのもおススメです。
▲見た目もシンプルで植物の邪魔をしないのが◎！
| 春～秋(20度以上の生育期) | チェッカーが「白」になったタイミングでたっぷりと水やり |
| 秋～冬(15度以下の休眠期) | チェッカーが「白」になってさらに3～4日ほどしたら土全体が湿る程度に水やり |
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③夜になったら窓から1～2m離す
室内とはいえ、冬の窓際は思っている以上に冷え込みます。日中は暖かくても夜から朝にかけては注意が必要です。
ツピタンサスの場合、同じシェフレラの中であるホンコンカポックに比べるとそこまで寒さに強くありません。
夜になったら窓からできるだけ離しましょう。
鉢が重くて移動が難しい場合はキャスター付きの鉢スタンドがあると便利！
鉢が大きすぎて移動が難しい場合は、キャスター付きの鉢スタンドがあると便利ですよ。
下写真は筆者が100円ショップで購入したキャスター付き鉢スタンドです。
▲セリアで購入したキャスター付き鉢ラック(200円)
いちいち移動するのは面倒ですよね。しかし、このちょっとしたひと手間がツピタンサスを冬の寒さから守ってくれますよ。
また、冬場は日照不足に悩まされる方も多いのではないでしょうか。南向き以外のお部屋の場合は特に薄暗い時間が長くなりがちです。
そんな時は植物育成ライトを使うのもおすすめ。育成ライトは太陽光に近い光を放つことで、植物の生長を助けてくれる電灯です。
ツピタンサスが冬に枯れたように見えるときの対処法
寒さで落葉しても根が生きていれば春に新芽が出る
ツピタンサスは寒さに弱く、冬場に葉をすべて落とすことがありますが、根が生きていれば春に再び新芽を出します。
まずは慌てず、根の状態を確認しましょう。
茎が青ければ復活の可能性あり
見た目が枯れていても、茎の内部が青ければまだ生きています。
爪で軽く茎を傷つけてみて、青みがあれば新芽が出るチャンスがあります。
枯れた葉は取り除き、暖かい場所で静かに管理
枯れた葉をそのままにしておくとカビの原因になります。
落ちた葉は取り除き、10℃以上の明るく暖かい場所で休ませてあげましょう。
水やりは控えめに、無理に肥料を与えない
冬のあいだは根が活動をほとんど止めているため、水を与えすぎると根腐れの原因に。
土がしっかり乾いてから控えめに水を与え、肥料は春までお休みします。
よくある質問（FAQ）
Q1. ツピタンサスは外で冬越しできますか？
A. 基本的にはおすすめできません。寒さに弱く、雪や氷点下の地域では確実にダメージを受けます。最低でも夜間に5℃以上を保てる環境でないと生存が難しいため、冬は室内で管理してください。
Q2. 冬に葉が黒くなる・落ちるのはなぜですか？
A. 主に低温障害や乾燥、あるいは水やりの不適切さ（過湿や急激な低温での水やり）が原因です。黒ずんだ葉は回復しないことが多いので取り除き、直ちに暖かい場所へ移しましょう。
Q3. 暖房の風を当てても大丈夫ですか？
A. 暖房の直風は乾燥や葉焼けの原因になるため避けてください。暖房器具からは1〜2m離し、間接的に暖かい場所に置くか、風が直接当たらないように角度や設置場所を工夫しましょう。
Q4. 冬の水やりはどのくらいの頻度で行えばよいですか？
A. 土が完全に乾いてからさらに3〜4日待ってから与えるのが目安です。頻度は室温・鉢サイズ・用土によって変わりますが、過湿は根腐れの元なので「控えめ」を心がけてください。
Q5. 葉が全部落ちてしまったらもうダメですか？
A. いいえ。見た目では枯れていても、根や茎内部が生きていれば春に再生する可能性があります。慌てて切り戻したり大量に水を与えたりせず、暖かい場所で様子を見ましょう。
Q6. 茎や根が生きているかどうかの見分け方は？
A. 茎を軽く引っかいたり、爪で表皮を少し剥いでみて中が緑〜淡い色であれば生きています。根は鉢を持ち上げて軽く乾き具合を確認するか、鉢の底から根が見える場合は弾力があるかどうかで判断します。
Q7. 冬に肥料は与えてもいいですか？
A. 冬は生育が停滞するため、基本的に肥料は与えないほうが安全です。無理に肥料を与えると根に負担がかかり、逆に状態が悪化することがあります。施すなら春の生育期まで待ってください。
Q8. 日当たりが悪い部屋でも育てられますか？育成ライトは必要？
A. 日照が極端に少ない場合は育成ライト（フルスペクトルや植物用LED）の使用を検討してください。特に窓のない部屋や北向きで日照が不足する場合、ライトを補助的に当てると葉の黄化や脱落を防げます。
Q9. 冬の室内が乾燥しているときの対策は？
A. 加湿器で室内湿度を上げるのが理想ですが、手軽には葉水（葉に霧吹き）や受け皿に水を張って鉢を直接置かない「間接加湿」も有効です。ただし、受け皿に常時水をためると根腐れリスクがあるため注意してください。
Q10. 寒さで弱ったときに出やすい病害虫はありますか？対処法は？
A. 冬でも室内ではコナカイガラムシやアブラムシ、ハダニなどが発生することがあります。弱った株は抵抗力が落ちるため発生しやすく、見つけ次第取り除く・濡れた綿や綿棒で拭く・市販の殺虫剤（観葉植物用）で対処するのが効果的です。使用時はラベルの指示に従ってください。
まとめ｜ツピタンサスの冬越しは「寒さと水やり」に注意！
ツピタンサスを冬に元気に保つためのポイントは、次の3つです。
冬越しで意識すべき3つのポイント
1️⃣ 室温はできるだけ15℃以上をキープする
2️⃣ 土が乾いて数日後に控えめな水やりをする
3️⃣ 夜間は窓際から離す（冷気を避ける）
寒さに弱い植物ですが、ちょっとした工夫で冬を越すことは十分可能です。
葉が落ちても根が生きていれば春にまた新芽を出す、生命力の強い植物でもあります。
焦らず、静かに見守りながらツピタンサスの回復を待ってあげましょう。
