
冬になってから、キセログラフィカの葉先が茶色くなってきた…これってもう枯れてるの?
そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
“エアプランツの王様”と呼ばれるキセログラフィカは、見た目の美しさとは裏腹に寒さや湿気の管理を間違えると弱りやすい繊細な植物です。
この記事では、冬に枯れる・茶色くなる原因と、元気なまま冬越しさせるための3つのポイントと復活のコツを詳しく解説します!
キセログラフィカの冬越しが難しい理由

原産地が温暖な地域のため寒さに弱い
キセログラフィカは中南米などの温暖な地域が原産。
生育適温は20〜30℃と高めで、寒さや乾燥にはやや弱い性質があります。
「寒さ+濡れ」で一気にダメージを受ける
気温が5℃を下回ると生理機能が低下し、葉が茶色くなったり付け根が黒ずんだりします。
特に寒い日に水分が残っていると、冷えと湿気が重なり根元から腐ることも。
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キセログラフィカが枯れたように見えるときの見極め方

茶色くなってもすぐに「枯れた」とは限らない
冬場に葉が茶色くなっても、すぐに枯れたと判断するのは早計です。
寒さや乾燥による一時的なダメージで、中心部が生きていれば再生することがあります。
復活の見込みがあるサイン
以下のような状態なら、まだ回復のチャンスがあります。
- 葉の根元が硬く、緑や銀白色をしている
- 株を持ち上げたとき、極端に軽くなっていない
- 茎の中心がしっかりしている
キセログラフィカを冬越しさせる方法!押さえておくべきポイント3つ
濡れた状態で寒さに当てない

キセログラフィカの生育適温は20度~30度くらいです。
寒さは得意ではないため、濡れた状態で寒さに当たると葉や付け根が傷んで大きなダメージを受けてしまいます。

最低気温が15度以下になったら、水やりは日中に済ませておくのがおすすめ。
付け根に水を貯めない

キセログラフィカは、付け根に水を貯めて水を吸収する「タンクタイプ」のエアプランツです。
ただし、冬の室内管理の場合は、付け根に水を貯めると高確率で付け根が傷みます。

水やり後は株を逆さにし、付け根に溜まった水を切っておこう。
10度以下なら室内管理

キセログラフィカを屋外で管理している場合、10度以下なら室内へ移動し寒さを防ぎます。
天気予報の最低気温が15度以下になってきたら、徐々に室内へ移動しておくと安心です。

キセログラフィカが耐えられる寒さは5度程度まで。ただし、それは枯れないための最低気温。美しい葉を保つなら、最低でも10度はキープすること。
キセログラフィカが冬に枯れる時の主な原因は2つ
濡れた状態で寒さに当たる

室内であっても、暖房を切ったあとの冬の朝晩は想像以上に冷え込みます。
濡れた状態で寒さに晒されると、葉や付け根が傷んで弱ってしまうことも多いです。

夜に関しては水やりを日中に済ませておくのがおすすめ。
エアコンの風に直接当たる

エアコンの風は非常に乾燥しています。
キセログラフィカに直接エアコンの温風が当たると、乾燥によって葉が傷み大きなダメージを受けてしまいます。

キセログラフィカを天井から吊るしている場合、エアコンの風がうっかり当たっていることも多いから注意!
キセログラフィカの冬の水やり方法は?
冬の水やりは日中のうちに済ませるのがおすすめ

キセログラフィカをはじめとするエアプランツは、夜に気孔を開く「CAM植物」です。
暖かい時期であれば夕方以降の水やりが基本ですが、冬の場合は朝晩に冷え込みます。
冬だけは暖かい日中のうちに水やりを済ませておくのが無難でしょう。

びしょびしょのまま寒さに当たると一気に株が冷え、葉や付け根がダメージを受けてしまうんだ。夜間でも20度以上を保てて風通しも確保できるならいいけど、一般的な家庭内では難しい…。
管理環境によっても異なるが、目安は週1~2回ほど

管理環境によっても異なりますが、一般的な冬の室内(15度~20度くらい)であれば、週に1~2回ほどの水やりが目安です。
また、冬の室内は空気が乾燥しがちです。
加湿器を使い、最低でも湿度50%以上は保てるよう湿度管理にも気を配りましょう。
| 気温の目安 | 湿度の目安 | |
| 人が快適と感じる環境 | 18度~27度くらい | 40%~60%くらい |
| エアプランツの生育に適した環境 | 20度~30度くらい | 70%以上 |

空気が乾燥していると葉が傷みやすくなるよ。美しい葉を保つためにも湿度管理は必須だね。
葉の色が緑色に変わるくらいたっぷりと水やり

水やりは霧吹きでおこなうのが基本です。冬の間は株ごと水に浸けるソーキングはおすすめしません。
水の量は葉が全体的に緑色に変わるくらい与えますが、量は暖かい時期の半分ほどを意識します。

冷たい水は株を冷やしてしまうから避けて。筆者は35度くらいのぬるま湯を使っているよ。
付け根に溜まった水は株を逆さにして切っておく
水やり後は株を逆さに持ち、付け根に溜まった水を軽く切っておきましょう。
水が付け根に溜まったままだとそのまま株元が冷え、腐ってしまう恐れがあります。

光・気温・風が十分に確保されていれば、付け根の水はそのままにしていても大丈夫。ただ、冬の室内でそれをしちゃうと、高確率で基部が腐ってしまうんだ。
風通しの良い場所に吊るして乾かしておく
▲置く場合は浮かせるようにして、株元が蒸れないようにするのがコツ
水やり後は明るく風通しの良い、暖かい場所で全体を乾かしましょう。
水やりから3時間ほどで全体が乾くのが理想的です。

濡れた状態で寒さに晒されると株が冷えて傷みやすい。人間も体が濡れた状態で寒さに当たると辛いよね。プール後の着替え中みたいな感じ。
キセログラフィカの冬越しチェックリスト

☑ 濡れたまま寒さに当てない
キセログラフィカは、濡れた状態で冷気にさらされると葉や付け根が一気に傷みます。
冬場のミスティングや水やりは、日中の暖かい時間帯に行い、完全に乾かしてから夜を迎えるようにしましょう。
☑ 付け根の水は必ず切る
葉の重なり部分や付け根に水が溜まると、低温+湿気で腐敗の原因になります。
水やりやすすぎのあとは、逆さにして水を切るのが鉄則です。
☑ 室温10℃以上をキープ
キセログラフィカは5℃を下回ると生理機能が低下します。
理想は15〜25℃前後を維持すること。夜間の冷え込みが厳しいときは、窓辺から離して室内中央に移動させましょう。
☑ エアコンの風は避ける
温風が直接当たると、乾燥と温度変化のダメージで葉先がチリチリに。
エアコンの風向きを調整するか、風の当たらない位置に移動させるのがベストです。
☑ 湿度50%以上を維持
キセログラフィカは、空気が乾燥しすぎると葉が丸まってしまいます。
加湿器や濡れタオルを使って、湿度50〜60%程度をキープすると理想的です。
ただし、湿度を上げすぎて風通しが悪くなるのはNG。バランスが大切です。
実際に3年育てて感じた、冬越しで注意すべきポイント

私自身、キセログラフィカを育てて3年ほどになりますが、冬場に気をつけたいのは「寒さ」と「水のやりすぎによる根腐れ」です。
特に風通しが悪い場所に置いていると、どんなに気をつけていても根元が蒸れて腐りやすくなります。
夜になったら窓から離す
窓際に置いている場合は、昼間は暖かくても朝晩に冷え込みやすいため、夜だけでも窓から少し離すのが安心です。
また、水やりは暖かい日の午前中までに済ませるのがベスト。
できれば、その後数日晴れの日が続くタイミングの初日に行うと安全です。
サーキュレーターは必須

冬は窓を閉め切ることが多くなるため、サーキュレーターを回して空気を循環させるのもおすすめ。
蒸れを防げれば、それほど神経質にならなくてもキセログラフィカは無事に冬を越してくれます。
▶観葉植物が喜ぶサーキュレーター置き方!つけっぱなしでok?
よくある質問

キセログラフィカの耐寒性は?何度まで耐えられる?
キセログラフィカは意外と耐寒性が強いです。
耐えられるのは5度程度までですが、綺麗な葉を保つなら、最低でも10度は保つのが理想です。
キセログラフィカは冬に枯れるの?
10度以下だと生育がほぼ止まり、5度以下だと枯れてしまう恐れがあります。
ただし、室内管理であれば寒さで枯れるということはあまりありません。
朝晩の窓際の冷え込みには気を付けましょう。

室内管理の場合、寒さで枯れるというよりは、水やり後の蒸れや冷えで葉や付け根が傷んでしまうことが多いよ。冬の室内は空気が乾燥しやすい。加湿器の近くで管理するのもおすすめ。
バランス良く綺麗な形に育てるためには?
キセログラフィカを綺麗な形に育てるには、バランスよく光を当てる必要があります。
- 付け根が真下になるようにまっすぐ吊るすor置く
- 室内管理の場合はときどき株を回して光が全体に当たるようにする

室内の場合、窓から光が入り込むからずっと同じ位置だとバランスの悪い形状になりがち。ときどき回転して光がまんべんなく当たるように調整すると綺麗な形に整うよ。
エアコンの風を当てても大丈夫?
いいえ。直接当たるのはNGです。
エアコンの温風は空気を強く乾かすため、葉が水分を失って黒ずんだり葉先がチリチリになる「葉焼け」や変色を引き起こします。設置場所はエアコンの風が直接当たらない位置にし、やむを得ず近くに置く場合は風向きを変えるかフェイクのカバーで風を遮るなど工夫しましょう。
冬にソーキングしてもいい?
基本は避けたほうが安全です。
冬は気温が低く乾きにくいため、ソーキング(株を長時間水に浸す)をすると付け根が冷え長時間湿った状態になり、腐敗や凍結ダメージのリスクが高まります。どうしても行う場合は短時間(目安10分程度)にし、ぬるま湯を使い、必ず風通しの良い暖かい場所で素早く乾かしてください。
理想的な置き場所は?
日中は明るく暖かい場所、夜は窓際を避けて室内中央へ。
昼間は窓越しのやわらかい日光が当たる明るい場所が最適です。夜間は窓からの冷気が入るため窓際は避け、室内の中央や暖房器具の直接風が当たらない場所に移動しましょう。定期的に向きを変えて光が全体に当たるようにすると形もきれいに保てます。
霧吹きの水は水道水でいい?
基本は水道水で問題ありませんが、冷水は避けてぬるま湯がベターです。
特に冬は冷たい水が株を急激に冷やすため、室温に近いぬるま湯(30〜35℃程度)を使うと負担が少ないです。水道水のカルキが気になる場合は一度汲み置くか、軟水や浄水を使うとより安心です。
湿度が下がるとどうなる?
A:葉が丸まり、先端が茶色くパリパリに枯れることがあります。
空気が乾燥すると葉の内部の水分が奪われ、葉が巻いたり色が悪くなります。加湿器で室内湿度を50%以上に保つ、または受け皿に水を張って間接的に湿度を上げる、定期的に霧吹きを行うなどで対策しましょう。ただし湿度を上げる際は必ず風通しも確保してください。
夜間の室温が10℃を切ると?
葉先から傷みやすくなり、長期的には株全体の弱化につながります。
短期間なら致命傷にならない場合もありますが、夜間に10℃以下が続くと葉の変色や付け根の損傷が進みます。寒い夜は室内中央へ移動させる、薄手の布や専用の保温カバーで軽く覆うなどして保温してください。
冬でも日光に当てたほうがいい?
はい。日中は日光(レース越しの柔らかい光)が必要です。
光が不足すると弱って葉色が悪くなりやすいので、曇りの日でもなるべく窓際の明るい場所に置きます。直射日光が強い南向き窓の場合はレースカーテン越しにして葉焼けを防ぎましょう。
復活しないときは?
付け根まで黒く変色している場合は難しいことが多く、その場合はやむを得ず諦める判断も必要です。
まずは傷んだ部分を清潔なハサミで切り取り、暖かく風通しの良い場所でしばらく管理して様子を見てください。復活が見込めない場合は、新しい個体への置き換えや、手入れ不要で見た目を楽しめるフェイクエアプランツの導入も検討しましょう。
まとめ
- キセログラフィカの冬越しで気を付けるべきポイントは、「濡れた状態で寒さに当てない」「付け根に水を貯めたまま放置しない」「10度以下の寒さに当てない」の3つ
- キセログラフィカは5度程度まで耐えられるが、それは枯れないための最低温度。5度以下の寒さに当たると、枯れずとも葉はほぼ確実に傷む
- 冬の室内は乾燥するため加湿器を使って湿度を保つ(最低でも50%以上あるのが理想)
- エアコンの風に直接当たると乾燥によって大きなダメージを受けるので注意
- 冬の水やりは午前中に済ませるのが無難。目安は週1回~2回ほど
- 葉の色が緑色に変わるくらいたっぷりと水を吹きかける。ただし、量は暖かい時期の約1/2が目安
- 水やり後は、明るく風通しのよい暖かい場所でよく乾かすこと


