・モンステラの仕立て直しは春(5〜6月頃)に行うのが基本
・切る位置は必ず節の少し上。切りすぎないことが失敗防止のコツ
・徒長・倒れ・葉の偏り・自立しない状態は仕立て直しのサイン
・剪定と同時に気根が当たる位置へ支柱を見直すと姿が安定する
・仕立て直し後は肥料・水・直射日光を控え、回復優先で管理
・実体験では春に剪定+屋外管理で、約7か月後にほぼ自立した
「モンステラが伸びすぎて形が崩れてしまった…」
「仕立て直したいけど、どこを切ればいいのかわからない」
「切ったら枯れそうで怖い…」
モンステラの仕立て直しで多いのが、「やったほうがいい気はするけど、失敗が怖くて手が出せない」という悩みです。
私自身も、はじめて仕立て直しをしたときは“ここを切って本当に大丈夫?”と何度もハサミを止めました。
でも、
✔ 時期
✔ 切る位置
✔ 仕立て直し後の管理
この3点を押さえれば、モンステラの仕立て直しは決して難しくありません。
この記事では、実際に仕立て直した経験をもとに、失敗しないための判断ポイントをわかりやすく解説します!
モンステラの「仕立て直し」とは?

まず前提として、仕立て直しとは、伸びすぎ・倒れ・バランス崩れを剪定や支柱で全体的に整え直すことを指します。
✔ まっすぐにしたい
✔ 葉が間延びしてスカスカ
✔ 支柱が合っていない
✔ 上だけ茂って下が寂しい
こうした状態を、一度リセットして整える作業です。
モンステラを仕立て直すベストな時期

結論:5〜6月(生育期初期)がベスト
モンステラの仕立て直しは、必ず生育期(春先がベスト)に行うのが鉄則です。
ベストな理由
- 切っても回復が早い
- 新芽が出やすい
- 失敗しても立て直しがきく
特におすすめなのは5〜6月。
NGな時期(かなり重要)
❌ 秋~冬(11〜3月)
❌ 気温が15度以下の時期
秋冬に切ると
- 成長が止まる
- 切り口が乾かない
- 最悪、寒さで弱って枯れる
「形が気になるから今切りたい…」という場合でも、秋冬は我慢したほうが安全です。
モンステラの仕立て直しを検討すべきサイン

まずは、切る前に状態を確認します。2つ以上当てはまれば、仕立て直しのタイミングです。
茎が長く伸びて倒れている
茎が間延びして長くなり、鉢からはみ出すように倒れている場合は、徒長が進んでいるサインです。
- 日光不足
- 室内で動かさない管理
- 成長点が上に伸び続けた状態
この状態を放置すると、支柱を立てても姿が安定せず、見た目も崩れたままになりやすいです。
剪定による仕立て直しで一度リセットすると、姿が整いやすくなります。
葉と葉の間隔が広い(徒長している)
葉のサイズは大きいのに、葉と葉の間がスカスカになっている場合も、仕立て直しのサインです。
- 節と節の間が長い
- 下葉が少なく、上に葉が集中している
- 全体がひょろっとした印象
これは光不足によって、モンステラが「光を求めて伸びた結果」。
徒長した部分は元に戻らないため、剪定+環境改善が有効です。
上にばかり葉が集中している
株元に葉がなく、先端にだけ葉が集まっている状態も要注意です。
- 見た目がアンバランス
- 倒れやすい
- 鉢が軽く感じる
この場合、下の節から新芽を出させるために、思い切って切り戻す仕立て直しが向いています。
支柱なしでは自立しない
支柱を外すと倒れてしまう場合は、茎のバランスと重心が合っていない状態です。
- 支柱に頼りすぎている
- 成長方向と支柱が合っていない
- 茎が細く、重さに耐えられていない
支柱はあくまで補助。
この状態では、剪定+支柱の立て直しをセットで行うことで、無理のない姿に整え直せます。
モンステラは「どこを切る?」失敗しない剪定位置

ここが一番不安なポイントですよね。
基本ルール
必ず「節(ふし)」の少し上で切る
モンステラは、節から新芽が出ます。
👉 節がない位置で切ると、新芽が出にくい。
実際に切る位置の考え方(体験談)

私が仕立て直したときに意識したのは、「切った後の姿を想像すること」でした。
判断ポイント
- 下葉が少ない → 少し高めで切る
- 株元を充実させたい → 低めで切る
- 葉を残したい → 葉のすぐ上の節
迷ったら、「切りすぎない」ほうが失敗しにくいです。
切り戻しの具体手順
- 剪定ばさみを消毒
- 切る位置を決める
- 節の5〜10mm上でカット
- 切り口はそのままでOK(癒合剤不要)
※太い茎の場合は、切り口が乾くまで直射日光を避けます。
支柱を使った仕立て直し方法

モンステラの仕立て直しでは、剪定と同じくらい支柱の見直しが重要です。
支柱が合っていないままだと、せっかく剪定しても再び姿が崩れやすくなります。
支柱は「気根が当たる位置」に立てる
モンステラは、気根を使って上へ登ろうとする植物です。
そのため、支柱は茎の真横ではなく、気根が自然に触れる位置に立てるのがポイント。
- 気根が支柱に触れる
- 茎が自然に支柱へ寄っていく
- 無理なく姿が安定する
気根が空中に浮いたままだと、支柱を立てても安定しにくくなります。
無理に縛らない(ここは失敗しやすい)
支柱に固定する際、強く縛るのはNGです。
- 茎を締め付ける
- 成長点を圧迫する
- 茎が太れなくなる
固定する場合は、
- 麻ひも
- 園芸用テープ
などを使い、指1本分の余裕を持たせて軽く留めます。
「倒れない程度」に支える、という感覚がちょうどいいです。
成長方向に沿わせて固定する
支柱に沿わせるときは、無理に真っ直ぐに矯正しないことも大切です。
- 今向いている方向
- 葉の付き方
- 気根の位置
これらを見ながら、自然な成長ラインに沿って支柱へ誘導します。
急に角度を変えると、茎に負担がかかり、折れやすくなることもあります。
支柱が合うと姿は一気に安定する
モンステラは本来、樹木や壁を登りながら育つ植物。
支柱が合えば、
- 茎が倒れにくくなる
- 葉の向きが揃う
- 見た目が整う
といった変化が、比較的短期間で感じられます。
剪定と支柱をセットで見直すことで、仕立て直しの完成度は大きく変わります。
仕立て直し後に絶対やってはいけないこと

モンステラの仕立て直しで失敗する人の多くは、剪定後の管理でやりすぎてしまうケースです。
切った直後のモンステラは、見た目以上にダメージを受けています。
以下の行動は、弱らせる原因になるので注意しましょう。
❌ すぐに肥料を与える
剪定後すぐのモンステラは、養分を吸い上げる余裕がありません。
この状態で肥料を与えると、
- 根に負担がかかる
- 肥料焼けを起こす
- 回復が遅れる
といった原因になります。
新芽が動き出してから(目安:2〜3週間後)
緩効性肥料や薄めた液肥を少量与えます。
❌ 水を頻繁に与える
「切ったから水を多めに…」これはよくある失敗です。
剪定後は葉が減り、水の消費量も一時的に下がります。水を与えすぎると、
- 根腐れ
- 土の中が冷える
- 回復が遅れる
といったリスクが高まります。
土がしっかり乾いてから、普段よりやや控えめに水やりします。
❌ 強い直射日光に当てる
仕立て直し直後のモンステラは、環境ストレスに弱い状態です。
このタイミングで強い直射日光に当てると、
- 葉焼け
- 切り口の乾燥
- 体力消耗
につながることがあります。
レースカーテン越しの光や、明るい日陰で回復を優先させましょう。
仕立て直し後は「回復優先」が基本
仕立て直し直後に意識したいのは、育てることより、休ませることです。
- 水は控えめ
- 肥料は待つ
- 光はやさしく
この3点を守るだけで、仕立て直し後の失敗はぐっと減ります。
よくある仕立て直しの失敗例

モンステラの仕立て直しは、やり方自体よりもタイミングや加減を間違えることで失敗しがちです。
特に多い3つの失敗例を紹介します。
① 冬に切ってしまう
「形が気になるから今切りたい」この判断が、最も多い失敗です。
冬はモンステラの成長がほぼ止まる時期。このタイミングで剪定すると、
- 新芽が動かない
- 切り口が乾きにくい
- 体力を回復できない
といった状態になり、回復できずに弱ってしまう原因になります。
見た目が気になっても、冬は切らずに置き場所や支柱でしのぎ、生育期(5〜9月)まで待つのが安全です。
② 勢いで切りすぎる
「どうせ切るなら、思い切って」これもありがちな失敗です。
葉を一気に落としすぎると、
- 光合成できる葉が足りなくなる
- 株の回復が遅れる
- しばらく見た目が極端に寂しくなる
という状態になります。特に、下葉が少ない株での切りすぎは要注意。
迷ったら、まずは1〜2節分だけ切る。足りなければ、翌年また整え直せます。
③ 切った後すぐ肥料を与える
「栄養を与えたほうが早く回復しそう」という気持ちから起こる失敗です。
剪定直後の根はデリケートな状態。ここで肥料を与えると、
- 根がダメージを受ける
- 肥料焼けを起こす
- かえって回復が遅れる
ことがあります。
肥料は、新芽が動き出してからが基本。それまでは水と環境だけで十分です。
モンステラの仕立て直しに関するよくある質問(FAQ)
Q1. モンステラの仕立て直しは初心者でもできますか?
はい、時期と切る位置さえ守れば初心者でも可能です。
特に、生育期(5〜9月)に節の上で剪定するだけなら、大きな失敗は起こりにくいです。
不安な場合は、最初は切りすぎず少しずつ整えるのがおすすめです。
Q2. 仕立て直しで切った茎はどうすればいいですか?
切った茎は、挿し木として再利用できます。
- 節が1つ以上ある
- 葉が健康
この条件を満たしていれば、水挿し・土挿しどちらでも発根します。
仕立て直しと同時に株を増やせるのも、モンステラの魅力です。
Q3. 仕立て直し後、どれくらいで新芽が出ますか?
環境が整っていれば、2〜4週間ほどで新芽が動き出すことが多いです。
ただし、
- 気温が低い
- 日照不足
の場合は、もう少し時間がかかることもあります。
Q4. 冬にどうしても仕立て直したい場合はどうすればいい?
基本的に、冬の剪定はおすすめできません。どうしても形が気になる場合は、
- 剪定はせず
- 支柱で姿を整える
- 置き場所を明るくする
といった応急対応にとどめ、生育期を待つのが安全です。
Q5. 仕立て直し後、葉が垂れてきました。失敗ですか?
一時的なものであれば、失敗ではありません。
剪定後は、株が環境に慣れるまで葉がしおれたり垂れたりすることがあります。
数日〜1週間ほどで回復することが多いので、水やりや置き場所を見直しつつ様子を見ましょう。
Q6. 仕立て直し後に植え替えもしていいですか?
基本的には、同時に行わないほうが安全です。
剪定と植え替えを同時にすると、モンステラへの負担が大きくなります。
植え替えは、仕立て直しから1〜2か月後がおすすめです。
Q7. 仕立て直しすると幹は太くなりますか?
仕立て直しだけで、すぐに幹が太くなるわけではありません。
ただし、
- 徒長部分を切る
- 光と風が当たる
ことで、その後の成長で幹が太くなりやすくなります。
仕立て直しは「太く育てるための土台作り」と考えると◎です。
Q8. 仕立て直ししないほうがいいモンステラもありますか?
あります。
- 葉が極端に少ない
- 株が弱っている
- 冬で気温が低い
このような場合は、まず回復を優先し、仕立て直しは見送ったほうが安心です。
Q9. 仕立て直し後、どんな置き場所がベストですか?
- 明るい日陰
- 直射日光は避ける
- 風通しが良い場所
が理想です。特に剪定直後は、強い光より安定した環境を優先しましょう。
Q10. 仕立て直しは一度で完璧にしないとダメですか?
いいえ、一度で完璧にする必要はありません。
モンステラは成長が早いため、「今年はここまで」「来年もう一度整える」という考え方のほうが、失敗しにくいです。
実際に仕立て直した体験談!横に倒れたモンステラが自立するまで

私自身、横に倒れてしまったモンステラを、支柱と剪定で仕立て直した経験があります。
当時の状態は、
- 茎が横に伸びて倒れている
- 支柱なしでは形を保てない
- 葉は元気だが全体バランスが悪い
「このまま育てるより、一度整え直したほうがいい」と判断し、春先に仕立て直しを行いました。
ステップ① 春先に剪定し、切った茎は水挿しへ

まず行ったのは、伸びすぎていた茎の剪定です。
- 節の上でカット
- 切った茎はそのまま処分せず、水に浸けて発根待ち

剪定と同時に挿し木をすることで、「失敗したらどうしよう」という不安も和らぎました。
ステップ② 発根後、土に植え付けて支柱を設置

数週間後、水挿ししていた茎からしっかり根が出たのを確認。
その後、
- 土に植え付け
- 支柱を立てる
- 上向きに伸びるよう軽く誘導
無理に縛らず、成長方向に沿わせることを意識しました。
ステップ③ 春〜秋は屋外管理でしっかり育成

仕立て直し後は、気温が許す限り屋外で管理しました。
- 春〜秋:ベランダの軒下
- 直射日光は避ける(葉焼け防止)
- 光と風を十分に確保
屋外に置くことで、茎がしっかりし、葉の展開も良くなったと感じています。
ステップ④ 約7か月でほぼ自立するまで回復

仕立て直しから約7か月後、モンステラは支柱に頼らなくても姿を保てる状態になりました。
- 茎がしっかりする
- 新しい葉がバランスよく展開
- 見た目もスッキリ
最終的には、「横に倒れていたとは思えない姿」に仕上がりました。
体験からわかったポイント

この経験から感じたのは、
- 剪定は生育期に行う
- 支柱は成長を“支えるだけ”
- 光と風は仕立て直し後の最大の味方
仕立て直しは時間をかけて完成する

モンステラの仕立て直しは、数週間で完成するものではありません。
私の場合も、「形が整った」と感じるまでに約7か月かかりました。
でも、その分、長く安定した姿を保てるようになります。
まとめ
- モンステラの仕立て直しは5~6月頃に
- 切る位置は節の少し上
- 切りすぎず、全体バランスを見る
- 仕立て直し後は回復優先の管理が大切
モンステラはとても丈夫な植物です。
正しく仕立て直せば、また美しい姿に育ち直してくれます。
「切るのが怖い…」と感じている方ほど、この記事を参考に、慎重に一歩踏み出してみてください。


