「パキラを挿し木で増やす方法がくわしく知りたい」 「園芸初心者でも簡単にできて失敗しにくいパキラの増やし方は?」 「園芸用語なしでパキラの挿し木のやり方を説明してほしい」
定番のインテイリアグリーンといえば「パキラ」。
マネーツリーとも呼ばれるパキラは、風水で金運アップが期待できる観葉植物としても有名ですね。
今回は、パキラを挿し木で増やす方法を分かりやすく解説いたします!
パキラを挿し木で増やす方法を分かりやすく解説します【初心者でも簡単!】
では、さっそくパキラの挿し木方法をご紹介します。
「挿し木(さしき)」とは、切って挿すだけで植物を増やすことができる、元祖・クローン技術です。
とても簡単なので、拍子抜けする程サクッと挑戦できますよ。
パキラの挿し木 手順①「適期は5月~6月頃」
パキラの挿し木に適しているのは、春先~秋にかけての時期です。
ただ、より失敗を少なくするためには生長期初期にあたる5月~6月頃におこなうのがおすすめ。
春先に挿し木をすることで、根が張りやすいだけではなく、寒さが厳しくなる冬までに、より多くの根っこを張らせられます。
冬までにできるだけ株自体を充実させておくことで、冬越しの失敗をも防ぎましょう。(パキラは寒さに弱いので…。)
パキラの挿し木は「梅雨挿し」がおすすめ
「梅雨挿し」という言葉をご存じですか?
植物を挿し木で増やす場合、暖かく湿気が一定に保たれた環境が成功させるためのコツです。
つまり、梅雨時期は挿し木に非常に適した時期といえます。
このことから、梅雨時期に挿し木することを、「梅雨挿し」とよばれています。
パキラの挿し木 手順②「枝先から10cm程カット」
パキラの挿し木をするには、そのパキラの枝が必要です。
今あるパキラから、枝先10cm程度をカットします。これを「挿し穂(さしほ)」とよびます。
枝の断面は斜めにカットして、少しでも吸水しやすいようにしておきましょう。
葉の面積を減らしておく理由
挿し穂の下半分くらいの葉はカットしておきます。水に差す際に邪魔になるためです。
また、残っている上部の葉が大きい場合、葉の面積を少なくするため、葉を部分的にカットしておきます。
植物は葉からも水分を蒸発させています。
根っこがない状態の挿し穂は乾燥しやすいです。
そのため、葉が多いと水分が多く出ていき、挿し穂が乾燥によって傷む可能性があるのです。
パキラの挿し木 手順③「水に差して発根を待つ」
採取したパキラの挿し穂は水に差します。そして、根っこが出てくるまで毎日水を替えてあげましょう。
土に挿してもいい?
もちろん、土に挿しても構いません。しかし、パキラの場合は発根していなくても新しい葉や茎が伸びる場合があります。
そのため、失敗を避けるためには、「確実に発根を確認してから土に植え付ける」方が、失敗が少なくなると思います。

土に挿す場合は、挿し木用の土を使用することで失敗を防げます。(上写真)
挿し木用の土が無い場合は、赤玉土(小粒)やバーミキュライトで代用してもok
(例)バーミキュライトとパーライトを1:1、赤玉土(小粒)のみ、など
「清潔である」「水はけが良い」「養分が少ない」の3点をクリアしているのが挿し木用土の条件です。
パキラの挿し木 手順④「発根したら、水から土に植え付ける」
無事、発根が確認できたら水から土に移動します。上記に記載した挿し木用の土に植え付けるのがおすすめです。
理由は、現在、水差しで発根させた根はあくまで水をダイレクトに吸う仕様の根だから。土用の根を生やすまでは挿し木用の土が安全です。
水から土への植え替え作業は日陰でおこないましょう。水から土への植え付け方法は次の項目でくわしくご紹介します。
発根したパキラの挿し穂を水から土に植える方法
無事、パキラの挿し穂が発根したら、水から取り出して土に植え付けます。
パキラの挿し木 発根後の植え付け 手順①「鉢を用意」

まずは、鉢を用意します。あれば鉢底ネットをいれておきましょう。大きすぎず、小さすぎず、挿し穂の大きさに合うサイズを選びましょう。
パキラの挿し木 発根後の植え付け 手順②「鉢底石を入れる」

鉢内の水はけをよくするために、鉢底石を入れます。
土は徐々に粒が崩れて団子状になります。しかし、鉢底石は軽石である場合が多く崩れにくいです。
そのため、土が劣化しても鉢底石を入れて置けばある程度の排水性は保ってくれます。水はけをよくしておくことで、根腐れや病害虫を防ぎます。
パキラの挿し木 発根後の植え付け 手順③「土を鉢の1/3程入れる」

土を鉢植えの高さ1/3くらいまで入れます。
どんな土がいいの?
土は観葉植物用の土で構いません。
ただ、発根済とはいえ、土に植え替えてしばらくは生長が不安定になります。
養分の多すぎる土だと根に負担をかけることも考えられます。

不安であれば、観葉植物用の土に「赤玉土(小粒)」や「鹿沼土(小粒)」「バーミキュライト」「パーライト」などを半分くらい混ぜ込みます。(筆者はこれでやっています)

ちなみに、「赤玉土」や「鹿沼土」、「挿し木用の土」や「パーライト」「バーミキュライト」は100均にも売っていますよ。(上画像はセリアのものです)
パキラの挿し木 発根後の植え付け 手順④「挿し穂を入れて高さ調整」
いよいよ水から挿し穂を取り出し、新しい鉢植えに配置しましょう。土表面が鉢の縁から下2~3cmにくるように土の量を調整し植え付ける位置を決めます。

パキラの挿し木 発根後の植え付け 手順⑤「挿し穂と鉢の隙間に土を詰める」

高さが決まったら、挿し穂と鉢の隙間を埋めるように土を入れます。
根っこと土の間に空間があるとうまく根が生育できません。
鉢植えを持ち上げて「トントン」」と軽く地面に打ち付けながら、土がしっかりと行きわたるようにします。
ウォータースペースを設けよう
鉢のギリギリまで土を入れると水が溢れて、土も外に流れ出てしまいます。これを防ぐために設けるスペースを「ウォータースペース」といいます。
鉢の縁から2~3cmくらい下のラインに土の表面がくるようにするとよいですよ。
パキラの挿し木 発根後の植え付け 手順⑥「たっぷり水やり」

植え替え後は、鉢底から出てくる水が透明に近くなるまでたっぷりと水を与えます。
たっぷり水やりするのは、なぜ?
あらかじめ、たっぷり水を与えることで土の中にある汚れや粒子を流しだします。
このようにすることで、「水遣りの度に受け皿が汚れる」というストレスを減らせます。
また、発根しているといっても植え替えたことで植物に大きなストレスがかかります。
水から土に植え替えられた植物はまだ水を吸い上げる力が足りません。一週間程は乾きすぎにきをつけます。
パキラの挿し木 発根後の植え付け 手順⑦「直射日光を避け、風通しの良い場所で管理」
植え替え後は人間でいうと「手術の後」のような状態です。
大きなストレスがかかっているため、いきなり直射日光に当てるのは避けます。
一週間程は風通しのよい半日陰に置いて休ませてあげてください。
霧吹きで葉を潤す「葉水(はみず)」も忘れずに。
半日陰ってどういうこと?
植物の専門書やネットでよく目にする「明るい日陰」や「半日陰」という表現。
具体的には、以下のような環境をさします。
・日光の当たっている場所のすぐ隣の陰
・木漏れ日のような日光が当たってたり当たってなかったりする場所(ルクス値は、約10000~15000)
このことから、「室内の明るい場所」ではちょっと足りないかもしれません。
暖かい時期(20度前後)であれば、ベランダや軒下などに出すのがおすすめです。
パキラを挿し木で増やす【メリット・デメリット】
最後に、パキラを挿し木で増やすメリットとデメリットをご紹介します。
パキラを挿し木で増やす【メリット】
・親株と同じ性質をもつパキラを簡単に増やせる
・すぐに株を楽しめる(種からだと大きくなるまでに時間がかかる)
パキラを挿し木で増やす【デメリット】
・株元がふっくらと太らない、まっすぐのまま(種から育てたパキラは根元がふっくら肥大します)
「パキラを種から育ててみたい?」
パキラの種子はなかなか入手困難でしょう。そんなときは、ダイソーに行ってみてください。
ときどき、種から発芽させたパキラが売られています。(春先によく見かける気が。)

見つけたらラッキーですね。ちなみに、種から育てた株を「実生(みしょう)」といいます。
まとめ
今回はパキラを挿し木で増やす方法をご紹介しました。
パキラは大きく育つとそこから枝をとって簡単に増やすことができます。今回の記事を参考に、ぜひ、パキラの挿し木に挑戦してみてくださいね。
パキラを挿し木で増やす方法【手順】
①適期は5月~6月頃
②枝先から10cm程カット
③水に差して発根をまつ
④発根したら水から土に植え付ける
パキラを挿し木で増やすメリット
・親株と同じ性質をもつパキラを簡単に増やせる
・すぐに株を楽しめる(種からだと大きくなるまでに時間がかかる)
パキラを挿し木で増やすデメリット
・株元がふっくらと太らない(まっすぐのまま)
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