もっともメジャーな観葉植物といっても過言ではないのがパキラです。すっきりとした幹から伸びる葉柄と、四方に広がる張りのはる葉が、どんな雰囲気にもよく馴染む人気のインテリアグリーンですね。
パキラは丈夫で育てやすく乾燥にも強い植物で、園芸初心者でも管理しやすく人気があります。
そんなパキラですが、なんとなく元気がない様子にお困りではありませんか?
そこで今回は、パキラの元気がない時に考えられる原因と対処法を症状別でくわしく解説します。
パキラの元気がない!症状別の原因と対処法とは?
まずは、目の前のパキラをよく観察してみましょう。そして、これまでの管理方法もあわせて思い出してみてくださいね。
パキラの元気がない 症状①葉が落ちる
パキラの葉がパラパラと落ちる場合、まずは10度以下の寒さに当たっていないか確認します。
パキラは5度程度まで耐えられるといわれますが、それはあくまで枯れないための最低温度です。
本来のパキラは暖かい場所を好み、15度以下になると徐々に生長が緩慢になって水分を吸い上げる力が弱まります。
パキラの葉が落ちる時に考えられる主な原因には以下のようなものがあります。
- 10度以下の寒さ
- 多湿によるダメージ(水のやり過ぎ)
- 病害虫、など
パキラの葉が落ちて元気がない時の対処法
- 最低でも10度は保ち、15度以下になる場合は水やりを控え目に管理する。水やりは土が乾いてさらに3~4日ほどしてから。
- 葉の裏や付け根、茎などに小さな虫が付いている場合はすぐに取り除く。吸汁によって枯らされる恐れがあるため。
- できるだけ暖かく、風通しのよい場所に置いて様子をみる。
- 置き場所は直射日光は避けた半日陰、レースカーテン越しの光が望ましい。特に、真夏の高温期は「葉焼け」を起こしやすいため注意。
- 室内であっても窓際は朝晩に急激に冷え込むため注意。夜になったら窓から1~2m離す。
- すでに幹が柔らかくなっている場合、根腐れを起こしている可能性が高い。その場合は復活が難しいため、まだ硬い葉付きの茎をカットし挿し木で育て直すことも考える。
- 慌てて肥料を与えたり、いきなり日当たりの良すぎる場所へ鉢を移動させるのは控えた方がよい。
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パキラの元気がない 症状②葉の色が抜ける、色が悪い
パキラの葉が色抜けしたようになっている場合、直射日光によって葉焼けを起こしている可能性があります。
本来は日向を好むパキラですが、急激な場所の変化や真夏の直射日光(西日も含む)などにより、葉の一部が傷んでしまうことがあります。
また、葉の色が全体的に悪いという場合は寒さや根腐れも考えられる原因です。部分的に葉の色が悪くなっている場合には害虫がついていないかも確認します。
パキラの葉の色が抜けて白くなっていたり葉の色味が悪い場合の対処法には以下のようなものがあります。
パキラの葉が色抜け、色味が悪い時の対処法
- 色抜けしている、部分的に変色…葉焼けや害虫被害が考えられる。まずは葉の裏や付け根に小さな虫が付いていないかを確認。その後、直射日光が当たっていないかも確認する。色抜けした部分は元に戻らない。被害を拡大させないためには早目の対処が必要
- 葉の色が全体的に悪い…10度以下の寒さや、水のやり過ぎによる根腐れが考えられる。温度管理をした上で適切な水やりを実施し様子を見る。
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パキラの元気がない 症状③幹が柔らかい
パキラの幹がふかふかと柔らかい場合、すでに根が腐って傷む根腐れを起こしている可能性が高いです。
根が腐ると水分や養分を吸うことが出来なくなります。そうなると地上部もしだいに傷んで柔らかくなってしまいます。
この場合、すでに傷んだ根を復活させることは困難です。地上部にまだ硬い元気葉付きの茎があれば、カットし発根させて育て直すという選択肢もあります。
パキラの幹が柔らかい時の対処法
- 水やりを控え、暖かく風通しのよい場所に置いて様子をみる。
- すでに根元が腐ってぐらつく場合、残念ながら復活は難しい。この場合、まだ地上部に元気そうな茎があれば挿し木で発根させ育て直すという選択肢もある。
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パキラの元気がない 症状④ひょろひょろ
パキラの茎ばかりがひょろひょろと伸びて間延びしたような姿になっている場合、一番に考えられる原因は日光不足による徒長(とちょう)です。
パキラは耐陰性があるため室内でも育てられる「観葉植物」として知られています。しかし、本来は日光が大好きな植物です。
長い間、日当たりのよくない場所に置きっぱなしにしていると、茎ばかりが日光を求めて間延びする徒長を起こしやすいです。
徒長を起こしたパキラは見た目がだらしなくなるだけではありません。ちょっとした環境の変化や病害虫などにも弱くなりダメージを受けやすくなります。
全体的な色味も悪くなり、弱々しい姿になるのが徒長です。そして、徒長した部分は元に戻りません。
春から秋の暖かい時期は特に徒長を起こしやすい時期です。
パキラがひょろひょろになって元気がない時の対処法
- 数日かけて少しずつ日光に慣らすことで葉焼けを防ぎつつ環境を改善する。室内からいきなり屋外の直射日光に当てると葉焼けを起こす可能性が高いため。
- 春から秋の暖かい時期はできるだけ日当たりよく風通しのよい場所に置くことで徒長を防げる。ただし、真夏は葉焼けのリスクが高いため半日陰やレースカーテン越しの光にする。
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パキラの元気がない 症状⑤株が不安定
パキラの株がぐらぐらと不安定になっている場合、しっかりと根が張っていないか、根が傷んでいることが考えられます。
特に、植え替えてすぐはぐらつきやすいです。特に高さ1mを超える大きな株の場合、海外から輸入した幹を日本で発根させたものも多く、他の観葉植物に比べて根があまり張っていないケースもあります。
また、水のやり過ぎにより根が腐り、幹が不安定になっていることも考えられます。
パキラの株がぐらついて元気がないときの対処法
- 植え替え直後であれば、株が安定するまで支柱を立てて様子をみる
- 根腐れが疑われる場合、幹に触れてみてすでに柔らかくなっている場合は根腐れに発展している可能性が高い。復活は困難。まだ硬い茎があれば挿し木にしてみる。
- 幹がまだ硬い場合はしばらく水やりを控え、暖かく(最低15度以上)風通しのよい場所に置いて様子を見る。
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まとめ
今回は、パキラの元気がない主な原因と対処法を症状別でくわしくご紹介しました。
「元気がない」といってもその症状はさまざまです。まずは、目の前のパキラをよく観察してみましょう。
パキラが元気を無くしやすいのは、やはり秋から冬にかけての時期です。この時期に元気がない場合、10度以下の寒さが主な原因としてあげられます。
また、暖かい時期に元気がないという場合には、水のやり過ぎによる根腐れや、多湿、直射日光による葉焼けなども考えられます。
最低限抑えておくべきは、「10度以下の寒さに当てないこと」と「基本は土が乾いてからの水やり」でしょう。
特に、気温が下がり始める秋は根腐れを起こしやすい時期でもあります。秋から冬にかけては土が乾いてさらに3~4日ほどしてからの水やりが望ましいです。
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パキラの元気がない【症状別の主な原因と対処法】
- 葉が落ちる場合…10度以下の寒さに当たっていないか?根腐れを起こしていないかを確認した上で、暖かく風通しのよい場所に置いて管理。
- 葉の色が抜ける、色が悪い場合…直射日光に当たっていないか?害虫がついていないかを確認した上で、置き場所の見直し。
- 幹が柔らかい場合…すでに根腐れに発展している可能性が高い。しばらくは水やりを控えて風通しのよい場所で管理。硬い茎が残っていれば挿し木にしてみるのもよい。
- ひょろひょろの場合…主な原因は日光不足。数日かけて少しずつ明るい場所へ移動し、葉焼けを防ぎつつ置き場所を改善。特に、春から秋はできるだけ明るい場所におくことで徒長を防げる。
- 株が不安定(ぐらつく)な場合…幹に触れて柔らかいなら根腐れを起こしている可能性が高い。植え替え直後であれば支柱を立てる等して株が安定するまで気長に見守る。
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