光沢のあるグリーンの葉が美しいコーヒーの木。特に、コーヒーの木の幼木は耐陰性が強く、室内でも育てられる観葉植物として高い人気を誇っています。
そんなコーヒーの木(コーヒー豆)の主な生産地は、エチオピアの高地やハワイ、コロンビアやメキシコなど、年間を通して暖かい気候(且つ、暑すぎない)の地域です。
そのため、コーヒーの木にとって日本の冬は過酷な状況といえるでしょう。そのため、コーヒーの木の冬越しには寒さ対策が欠かせません。
そこで今回は、コーヒーの木の寒さ対策における3つのコツをくわしくご紹介します。
コーヒーの木の寒さ対策!3つのコツを押さえて冬を乗り越える
コーヒーの木の生育適温は約20度~25度。暖かく風通しのよい場所を好みます。そのため、15度以下になると生育がほぼ止まってしまうのです。
寒さの厳しい冬を乗り越えるためにはちょっとしたコツが必要になります。くわしくみていきましょう。
コーヒーの木の寒さ対策①最低でも10度、できれば15度は確保
▲寒さで弱ったコーヒーの木…
多くの観葉植物の中でも、コーヒーの木は特に寒さに弱いです。15度以下になると生長がほぼ止まり、同時に根が水分を吸い上げる力も弱くなります。
さらに8度以下となると株自体が弱って枯れてしまうことも。最低でも10度は保ち、できれば15度は確保してやるのが理想的でしょう。
当然ですが、温度を管理するためには温度計が必要になります。
▲冬は暖かく夏は涼しい…年間を通して温度変化の少ない場所を好むコーヒーの木
デジタルの温・湿度計なら一目で確認しやすい
人にとって「快適、暖かい」と感じる環境であっても、観葉植物にとっては「寒すぎる、乾燥しすぎ」という状態のことも多いです。
特にコーヒーの木は寒さに弱いため、「温度計を設置する」というのが寒さ対策の第一歩になります。湿度も把握できるものがベストです。
デジタルのものだとひと目で確認しやすいくおすすめですよ。
人が快適と感じる温度・湿度の目安 | 約18度~27度、湿度40%~60% |
コーヒーの木の好む温度・湿度の目安 | 約20度~30度未満、湿度70%くらい |
※乾燥しがちな冬場は、コーヒーの木にときどき「葉水」をしてやるのがおすすめです。霧吹きで株全体に水分を吹きかけることで空中湿度を保ちます。葉水をすることで、乾燥により葉が傷むのを防ぎます。
あわせて読みたい「コーヒーの木 冬の管理方法【冬越し3つのコツ!】」はこちら
コーヒーの木の寒さ対策②水やりは土が乾いて約2~3日してから
寒さが厳しい冬場、コーヒーの木は水を吸う力も弱くなっています。
そのため、暖かい時期と同じように水やりを続けた場合、根が吸いきれずに残った水分が鉢内に長く停滞することになりますね。
この状態で起こしやすいのが「根腐れ」や「水温低下による根へのダメージ」です。
耐寒性をつけるためには、水やりを控え目にシフトし樹液濃度を高める必要があります。
水やりは土が乾いてさらに2~3日ほどしてから。土全体が湿る程度に与え、且つ、できるだけ暖かい時間帯に済ませます。
家庭用水分計があると水やりの管理が楽になる
土が乾いたかどうかを確認する方法としては、「鉢を持ち上げて軽い」「土に指を3cmほど入れて水気を感じない」「鉢底から見える土が乾いている」などです。
しかし、いちいち土の乾き具合を確認するのはかなり手間ですね。また、何となくの感覚では確実性も低いです。
そんな時に重宝するのが「家庭用水分計(水やりチェッカー)」です。(下写真)
▲土が濡れている時は「水色」、乾いたら「白」
スティック状のチェッカーを土に挿しておくだけで、土の乾き具合を測定し、最適な水やりのタイミングを色でお知らせしてくれます。
コーヒーの木の場合、春から秋の暖かい時期はチェッカーが白になったタイミングで水やりするのがよいでしょう。
寒さの厳しい冬(15度以下)は、白になってからさらに約2~3日経過後に水を与えます。
「これだけは枯らしたくない!」というお気に入りの一鉢に使うのもおすすめですよ。
コーヒーの木の寒さ対策③慌てて強めの日光に当てたり不要な肥料を与えない
寒さが深まる秋から冬にかけて、コーヒーの木は暖かい時期に比べると、どうしても元気がなくなり、全体の色つやも悪くなりがちです。
そんな時に焦って肥料を与えたり、いきなり屋外の日光に当てると、逆に株がダメージを負ってしまうことも少なくありません。
▲冬場に屋外に出し、葉焼けと寒さで傷んだ葉っぱ…
「コーヒーの木は寒さが苦手なため冬場はどうしても鑑賞価値が下がる」と認識し、「基本を抑えた上で、余計なことはせずグッと堪えて春を待つ」というのも寒さを乗り越えるためには必要でしょう。
プロが管理する温室でもない限り、一般的な家庭内でコーヒーの木を完璧な状態で冬越しさせるのはかなり困難です。
一般家庭でできることは、
- 10度~15度以下にならないよう温度管理を徹底する
- 水やりの間隔を空けて寒さに備える
- 葉水で空中湿度を保つ
- できるだけ風通しのよい明るい場所に置く
などですね。
あわせて読みたい「コーヒーの木 葉が落ちる原因と対処法を徹底解説」はこちら
寒さで弱っている場合、肥料や活力剤を与えてもいい?
寒さで弱りがちな冬場のコーヒーの木。しかし、生長が緩慢にな時期に肥料を与えた場合、逆に根を傷めてしまう恐れも(肥料焼け)。
▲肥料焼けによって傷んだ葉…
ただし、活力剤であれば一年を通して使用することができます。株の状態をよく見て見極めてください。
ちなみに、肥料と活力剤は異なります。くわしくは以下の記事もご覧くださいね。
肥料(ハイポネックス原液、プロミック等) | 植物にとっての主食。生長がさかんな時期に与えるのが基本。 |
活力剤(アンプル剤やメネデール、リキダス等) | 植物にとってのサプリメント的存在。 |
あわせて読みたい「肥料と活力剤の違いとは?観葉植物に適した使い方を徹底解説!」はこちら
まとめ
今回は、コーヒーの木の寒さ対策についてご紹介しました。
正直、コーヒーの木を冬越しさせるのはなかなか大変です。なぜなら、コーヒーの木はとにかく寒さが苦手だから。
しかし、今回ご紹介した寒さ対策の基本を抑えていれば、厳しい冬を乗り越えることができるはずですよ。
「温・湿度計が無い」という方は、まず温度計を購入することがコーヒーの木を冬越しさせる第一歩です。
ちなみに、冬に寒さで葉が傷んで見た目が悪くなってしまったという場合、もちろん傷んだ葉を元通りにすることはできません。
しかし、春になって気温が上がってくるとコーヒーの木は新しい葉を次々と展開してくれるはずです。
そうすれば、光沢のある美しい葉が傷んだ葉を隠すようにしてくれるので、あまり気にならなくなります。
▲春になって新しい葉が展開したコーヒーの木
根本的な解決策ではありませんが、とにかく「寒さを乗り越える」ことがコーヒーの木を長く育てるコツでしょう。
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コーヒーの木の寒さ対策【3つのコツとは?】
- 最低でも10度、できれば15度は確保
- 水やりは土が乾いて2~3日ほど経ってから与える
- 慌てて強めの日光に当てたり不要な肥料を与えない
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